普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

115

僕は夏と一緒に1階に降り､テレビを見ることにした｡
…この家､テレビあったんだね｡
ずっと見てなかったから忘れてたよ｡
｢柚､夏｡テレビ見たいの？｣
｢｢うん｣｣
｢じゃあどうぞ｡樹くん､睦樹くん｡2人が見過ぎないようにしてね｣
｢｢かしこまりました､旦那様｣｣
テレビは父さんと母さんが見ていたニュースがそのままついていた｡
ふぅん…今こんなニュースなんだ｡
『続いて､○○県で起こった悲惨な事故のニュースです』
…事故？
｢ゆず？かえないの？｣
｢ちょっとまって｣
…○○県って前の僕のいた所だ｡
…え…事故って…｡
｢…｣
僕はそのあと流れた映像を見て固まった｡
…僕の…死んだところ｡
でも被害者は僕じゃない｡
被害者は成人男性｡
僕と同じように車に撥ねられたって…｡
でも…怖い｡
｢やぁぁぁぁぁぁ!!｣
僕は目を閉じ､耳を塞いで蹲った｡
｢ゆず！？｣
｢柚琉様！？｣
｢柚!!｣
父さんは僕を抱きしめた｡
｢大丈夫､大丈夫だよ｡…夏､柚は何に反応してた？｣
｢あれ｡ニュースみてたらいきなり…ねぇ､ゆずだいじょうぶ？｣
｢大丈夫…だとは思うよ｣
怖い怖い怖い!!
死にたくない!!
もうあんなの嫌!!
｢柚､大丈夫だから｡…柚にはまだ早かったね､ごめんね｡父さんがつけたままにしちゃったもんね｣
｢ゆず､ぎゅー!!｣
夏も僕を抱きしめた｡
｢…大丈夫､大丈夫だよ｡柚はここにいる｡あれは別の子だから｡怖かったね､よしよし｣
父さんはずーっと僕に声をかけ続けてくれた｡





































｢…やだ…しにたくない…たすけて…まま､ぱぱ｣