普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

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｢柚琉様…お体に何か影響などありませんか？｣
｢ないよ～｣
｢…ですが｣
樹くんが心配するのは分かってる｡
僕がぴったりとひっついているからだろう｡
なんかこっちのが安心するんだもん｡
誰かにそばにいてほしい…みたいな？
｢…ここまでくる階段の前にある扉は指紋認証と網膜認証でしか開かないような仕組みになっていますから安全ですよ｣
｢…いつきくん…とうろくしてあるの？｣
｢えぇ｡私と睦樹と奥様だけです｣
｢しようにん…は？｣
｢入れさせません｡ここは特別なお部屋ですから｣
｢そっか｣
僕のためだけのお部屋…｡
…あれ？
僕…ここに閉じこもれる？
プチ家出できるっ!!
｢…ぼくは…とうろくできないの？｣
｢出来ますよ｡今度しましょうね｣
｢うん!!｣
ここに色んなもの持ち込んで～｡
｢閉じこもるのはダメですからね｡毎月病院にも行かないといけませんし｡体調悪くなった時に誰もいないじゃ話になりませんからね｣
｢…はぁい｣
目論見バレちゃった｡
でも…楽しいかも!!
ここでの生活!!
その時ぐぅぅと僕のお腹が鳴った｡
｢ご飯持ってきますね｡朝から何も食べてなかったですね｣
｢うん｡ちょっとでいいよ？｣
｢一応病人ですからね｡お粥なら食べられます？｣
｢うん!!｣
｢卵がゆはダメですし…ササミと梅を入れますか｣
梅っ!!
僕､あれ大好き!!
すっぱいけど美味しいの!!
｢うめぼしいっぱい!!あとからのせてね!!｣
｢分かりました｣
樹くんはくすりと笑うと部屋を出ていった｡