普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

102

｢…柚｡あの人にはもう近づいちゃいけないよ｣
｢どうして？｣
｢望まぬ結婚は嫌でしょ？｣
結婚？
…僕まだ7歳だし…結婚できるのは18歳でしょ？
｢さて｡着替え終わったし帰ろうか｣
｢なつは？｣
｢夏達はもう車で待ってると思うよ｣
…待たせちゃったんたんだ｡
僕が寝ちゃったから？
｢家に帰ったらおやつにしようか｡お昼ご飯あんまり食べてなかったでしょ｣
｢だってはしるとおなかいたくなっちゃうんだもん…｣
｢徒競走やらないのに？｣
うん｡
ちょっと走るだけで痛いしあれだけでおなかいっぱいになったからいいの｡
僕は兄さんと一緒に車へ向かった｡



｢おかえり｡遅かったな｣
｢柚がサボり魔に捕まってたんだよ｡…僕が行かなきゃ番にされるところだった｣
｢危ないな｡リング､外れてないよな？柚､見せてみろ｣
翔兄さんは僕を膝に乗せてリングに触れた｡
｢…大丈夫そうだな｡電子ロック式だからなかなかあかないとは思うが…心配だな｣
｢…麻也…か｡中等部には知り合いいないし…やっぱり情報屋が必要だったかな｡兄さんは誰か使えそうなのいる？｣
｢いや｡夏達が中等部にあがるまでに揃えようと思ってただけで今のところは誰も｣
｢…2,3人必要だね｡用意しないと｣
｢βなら兄弟多いしなんとかいけるな｣
なんか凄い話してる…｡
ベータって…アルファとオメガの間だっけ？
平凡で､世界で1番多いの｡
…僕もベータに生まれたかった｡