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幼児編
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「…むぅ」
僕は朝起きて知らぬ間に付けられたガーゼを撫でた。
…絶対これ埋め込まれた。
確かに痛くないけども。
本人に報告なしでやるってどういうこと?
それに僕、そんな簡単に誘拐されないって。
「柚琉様、今日のおやつでございま…」
「だれ。でもおやつちょうだい」
僕はおやつを届けに来た人に駆け寄った。
…ん?
樹くんじゃないし睦樹くんでもない。
僕の家族ってわけでもないし…新しい使用人でも入れたのかな?
「…どうぞ」
「ありがとう」
…ふふふ。
朝起きてすぐおやつとは。
僕はどれだけ寝てたのかな~。
ベッドのすぐ横に置いた猫型の時計を確認すると…
AM8:05
…え?
何度目を擦っても時間は変わらない。
僕のおやつはきっかり10:00のはず。
夏はすぐお腹空くから僕より先に食べてることが多いけど。
…これ…食べちゃダメ?
僕はお皿に盛られたクッキーを見た。
…見た感じ大丈夫そう。
それに平和な国日本で毒は手に入るはずないし、入っていても下剤程度でしょ?
「…おなかいたくなるかな。それともねつ?」
「柚琉様、そろそろ起床なされ……てますね。それは?」
「なんかもらったの。…たべていい?」
「…どちらの方からでしょうか」
「しらないひとー!!」
「それを今すぐこちらへ」
ん?
僕は素直にお皿ごと樹くんに渡した。
1枚だけハンカチにくるんでポケットに入ってるけど。
だってお砂糖付きでサクサクのやつなんだもん。
「柚琉様、知らない人からは?」
「ものもらわないっ!!ついてかないっ!!」
「柚琉様は前者を破られたようですが?」
…あ。
「…おしおき?おやつぬき…される?」
「しませんよ。柚琉様のおやつを抜いたらどれだけ日頃の栄養足りなくなるとお思いで?」
…半分くらい?
でも最近はご飯食べるようになったし。
「さ、着替えて皆さんのところへ行きましょうか」
「うん!!」
…あ、そういやチップのことで怒ってたんだった。
僕はぷくーっと頬を膨らませた。
「…柚琉様?」
「…とうさんのばか」
僕は朝起きて知らぬ間に付けられたガーゼを撫でた。
…絶対これ埋め込まれた。
確かに痛くないけども。
本人に報告なしでやるってどういうこと?
それに僕、そんな簡単に誘拐されないって。
「柚琉様、今日のおやつでございま…」
「だれ。でもおやつちょうだい」
僕はおやつを届けに来た人に駆け寄った。
…ん?
樹くんじゃないし睦樹くんでもない。
僕の家族ってわけでもないし…新しい使用人でも入れたのかな?
「…どうぞ」
「ありがとう」
…ふふふ。
朝起きてすぐおやつとは。
僕はどれだけ寝てたのかな~。
ベッドのすぐ横に置いた猫型の時計を確認すると…
AM8:05
…え?
何度目を擦っても時間は変わらない。
僕のおやつはきっかり10:00のはず。
夏はすぐお腹空くから僕より先に食べてることが多いけど。
…これ…食べちゃダメ?
僕はお皿に盛られたクッキーを見た。
…見た感じ大丈夫そう。
それに平和な国日本で毒は手に入るはずないし、入っていても下剤程度でしょ?
「…おなかいたくなるかな。それともねつ?」
「柚琉様、そろそろ起床なされ……てますね。それは?」
「なんかもらったの。…たべていい?」
「…どちらの方からでしょうか」
「しらないひとー!!」
「それを今すぐこちらへ」
ん?
僕は素直にお皿ごと樹くんに渡した。
1枚だけハンカチにくるんでポケットに入ってるけど。
だってお砂糖付きでサクサクのやつなんだもん。
「柚琉様、知らない人からは?」
「ものもらわないっ!!ついてかないっ!!」
「柚琉様は前者を破られたようですが?」
…あ。
「…おしおき?おやつぬき…される?」
「しませんよ。柚琉様のおやつを抜いたらどれだけ日頃の栄養足りなくなるとお思いで?」
…半分くらい?
でも最近はご飯食べるようになったし。
「さ、着替えて皆さんのところへ行きましょうか」
「うん!!」
…あ、そういやチップのことで怒ってたんだった。
僕はぷくーっと頬を膨らませた。
「…柚琉様?」
「…とうさんのばか」
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