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幼児編

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「…ただの風邪だね」
「ぼくもそうおもったのに。とうさんもかあさんもしんぱいしすぎ!!」
「…だって。柚が吐いたことなんて赤ん坊の時ぐらいだったし」
「…それは心配してもおかしくない…か。…今も吐き気はする?」
「ちょっと」
気持ち悪い…じゃないんだけど胸のあたりで変な感じする。
吐こうと思えばまた吐けるんじゃないかな。
「辛かったらすぐ言って。…一応一通り検査する?」
「よろしくお願いします」
「しなくていいよ。ぼくおうちかえりたい」
「…じゃあ薬だけ」
「はい、わかりました。柚琉くん、お大事にね。今度は1ヶ月は間が空くといいんだけど」
…実は前回来たの2週間前なんだよね。
早すぎるでしょ。
普通通院状態でも月一…ぐらいだし。
「とうさん。…ちょっとおなかすいた。ゼリーたべる」
「ほんと!?…よかった。少しでも食べる気になってくれて」
父さんは車に乗り込むとすぐにパック型のゼリーをくれた。
「喉つまらせない?やっぱりこれやめようか?」
「…とうさん。ぼく6さい。そんなことならないから」
僕はパクッと咥えると吸い込むのではなく手でちょっとずつ押し出した。
…久しぶりに食べた。
いや、今回の生では初めてか。
父さん達、あんまり僕に既製品を食べさせたがらないんだよね。
こういう外出時以外はほとんどうちの料理人が作ったやつ。
ケーキも手作りだったし。
「…チャイルドシート…大きすぎた?」
「いつもとおなじだから!!ぼくがちいさくみえるっていいたいの!?」
「…ごめん」
なんかイライラする。
これ食べ終わったら寝よう。


半分も食べれなかった。
「…けふ」
「…もういらないの?」
「うん…おなかいっぱい。それより…ねむいの」
「いいよ。寝てて。着いたらおぶって行くから」
…ゆらゆらして…もう無理。
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