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幼児編
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柚琉視点
「…ふにゅぅ」
「可愛い声をあげてもダメよ。柚はもう寝るの」
「まだおかえりいってない…」
「帰ってきたら起こしてあげるから」
母さんは僕をベッドに寝かせて布団を顎下まで被せた。
「おやすみ。柚」
「…おやすみしたくない」
「元気になってお兄ちゃん達と遊ぶんでしょう?」
遊ぶ!!
…でもその前に勉強しなきゃ。
僕、高校合格の日に死んだからさ。
…知らないんだ。
高校生活。
高校の勉強も。
義務教育の間しか生きてられなかったから。
でも楽しかったよ?
…神様があんなにも適当じゃなければ。
毎年初詣に必死に感謝してた僕は一体…。
「…ず、柚!!」
「ふぇ!?」
「どうしたの?…お熱?頭痛いの?気持ち悪い?」
「ううん…?」
「体調悪くなったらすぐ樹くんに言うのよ?樹くん、よろしくね」
「かしこまりました。奥様」
…また気配消してたんだ。
気づかなかった。
僕はここでやっとドアのそばに控えていた樹くんを知った。
「柚琉様。音楽でもかけましょうか?」
「…こもりうたでしょ。こどもあつかいしないで」
「クラシックでも」
「こもりうたじゃないの!?」
「そちらの方がよろしかったでしょうか?」
…ううん。
クラシックのがいい…いいんだけど。
「ぼく…クラシックなにもしらない…だいくとか…なまえしかしらないの」
「名前をご存知なだけでも充分では?」
…ダメなの。
曲知らないと音楽のテストで点取れないの。
あ、でも学校のテストが聞き取りとは限らないっ!!
…………僕楽譜も読めないんだった。
父さんにピアノ教室通いたいって言おうかな…。
楽譜ぐらいは覚えたいし。
「…ふにゅぅ」
「可愛い声をあげてもダメよ。柚はもう寝るの」
「まだおかえりいってない…」
「帰ってきたら起こしてあげるから」
母さんは僕をベッドに寝かせて布団を顎下まで被せた。
「おやすみ。柚」
「…おやすみしたくない」
「元気になってお兄ちゃん達と遊ぶんでしょう?」
遊ぶ!!
…でもその前に勉強しなきゃ。
僕、高校合格の日に死んだからさ。
…知らないんだ。
高校生活。
高校の勉強も。
義務教育の間しか生きてられなかったから。
でも楽しかったよ?
…神様があんなにも適当じゃなければ。
毎年初詣に必死に感謝してた僕は一体…。
「…ず、柚!!」
「ふぇ!?」
「どうしたの?…お熱?頭痛いの?気持ち悪い?」
「ううん…?」
「体調悪くなったらすぐ樹くんに言うのよ?樹くん、よろしくね」
「かしこまりました。奥様」
…また気配消してたんだ。
気づかなかった。
僕はここでやっとドアのそばに控えていた樹くんを知った。
「柚琉様。音楽でもかけましょうか?」
「…こもりうたでしょ。こどもあつかいしないで」
「クラシックでも」
「こもりうたじゃないの!?」
「そちらの方がよろしかったでしょうか?」
…ううん。
クラシックのがいい…いいんだけど。
「ぼく…クラシックなにもしらない…だいくとか…なまえしかしらないの」
「名前をご存知なだけでも充分では?」
…ダメなの。
曲知らないと音楽のテストで点取れないの。
あ、でも学校のテストが聞き取りとは限らないっ!!
…………僕楽譜も読めないんだった。
父さんにピアノ教室通いたいって言おうかな…。
楽譜ぐらいは覚えたいし。
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