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幼児編

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「…あれ?ゆず、ねむいの?」
「ん…さいきんずっとねたままだったから…」
夏はソファに寝転がった僕に近づいた。
「なつはね!!むつきとサッカーしたの!!」
「…そう…なんだ」
「でねでね!!」
「夏羽様。柚琉様はお眠りになりたいようですしあちらで私と遊びましょうか」
「うん!!ゆず、またね!!」
夏は睦樹くんに手を引かれて奥へと向かった。
「…なつ…げんきだな」
「そうですね」
「ぼくがげんきだったら…いっぱいなつとあそべるのに」
「柚琉様、それもまた個性ですよ」
「…そう…なのかな」
こんな個性いらな……んん!?
樹くんがいる!?
いつからそこに!?
さっきまでいなかったよね!?
僕一人だったよね!?
僕はバッと後ろを振り返った。
「いつきくん!?」
「なんでしょうか?」
「いつからそこに!?」
「ずっとここにおりましたが?」
…嘘だ。
僕、ソファに座った時周りに誰もいなかったぞ。
「…ゆず、うそつかない。いなかったもん」
「…あぁ。すみません、柚琉様に早く慣れていただくために背景と同化してました」
…背景と…同化?
「どうやってやるの?にんじゃ?にんにんじゃなの?」
「違います。…でも一族の元を辿ればそこに行き着きますね。私達の一族は誰も彼もどこかしらの家へつきます。誰かしらへ仕えます」
「…そのうんめいだったの?」
「私は望んで柚琉様につきましたよ。睦樹も同じです」
…ふぅん。
でもなんで僕に話してくれたんだろ。
「過去話を打ち明けて少しでも心の距離を埋めようと思いました」
「…こころよまないで」
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