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幼児編

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「……あの」
「はい。なんでしょうか?柚琉様」
…気まづい。
寝たいのにそんなそばにいられると…。
「…邪魔…でしょうか」
「…ちがうの…ちがうけど…」
「…失礼します」
樹…と教えてもらったその子は部屋を出ていった。
…なんだったんだ。
てか…あの子何歳?
僕より背、おっきかった。
夏と同じくらい?
「…はふ」
やっと寝れる。


「…ん」
「失礼しました。起こしてしまいましたか?」
樹くんが僕の汗を拭ってくれていた。
「…ありあと」
「いえ」
タオルをそばの机に置くと、コップを取ってくれた。
「お水、いりますか?」
「うん…のどかわいた」
「支えますね」
樹くんは僕の背中に手を入れて起こし、口元にコップを近づけてくれた。
「んく…っ」
「…痛いですか?」
「…うん…のむのいや」
「ですが…」
痛いもん。
飲み込む時が1番痛い。
「こほっ」
「加湿器つけますね。お水、できるだけでいいので飲んでください」
樹くんはそれだけ言うとタオルを持ってまた部屋を出ていった。
…僕が嫌なの分かってるから出てってくれるの?
「…でももうねむくないし…ねつもさがった…たぶん!!」
夏と遊んでもいいよね?
あ…でもうつしちゃうか。
夏と離れてうつさないようにしているのに。
「スマホ!!」
いっぱい読める=僕得!!
「ふんふふ~ん♪」
「柚、ダメだよ」
「ふぇ!?」
なんで父さんが?
え?
お仕事は?
「分からないって顔してるね。柚のことが心配で有給取ってきたんだよ」
「…かいぎは?」
「終わったよ。とりあえず話すだけ話して帰ってきたんだよ」
「…あ。いまおひる。ごはんは?」
「食べた。柚は?」
ん…そういや食べてない。
でもお腹いっぱいだしいらないかな。
「たべた」
「こら。嘘をつかない。…食欲ないの?」
「…うん」
「…スープ飲める?」
ふるふると僕は首を横に振った。
「のどいたいの」
「朝は?食べた?」
「うん。スープのんだの」
「…まだいい方か」
父さんは僕の頭に手を置き、撫でてくれた。
ふにゅぅ。
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