普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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幼児編

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「…ねむい」
起きたのに眠い。
…現在午前9時。
いつもより早く寝て遅く起きたのに眠い。
こう…つまらない授業を校庭側のぽかぽか日当たりのいい席で受けているような…。
「…ゆず。ねるならねころがろうよ。すわったままだとあぶないよ?」
夏はまだ僕を寝かす気のようだ。
「…ねむいけど…がまん。だらくしたせいかつだめ、ぜったい」
「だらく?」
さすがにそれは知らないんだね。
僕はまたぽすっとベッドに横になった。
…兄さん達もう行っちゃったよね。
大抵8時に学校に着いてなきゃいけないし。
眠い。
こんなんで小学生になれるんだろうか。
というかうちは幼稚園に入れないんだろうか。
「…ねーんね、ねーんね」
「なつ。にいさんにあまあまたのむよ?」
「ごめん」
甘々はやっぱ嫌なんだな。
…あれのせいで疲れすぎて眠いのかも。
「でもごはんたべないといわれちゃうね」
「…ちょっとねてごはんする」
前世だったらほぼ毎日朝ご飯抜きの朝昼兼用ご飯だったけどな。
「じゃあなつも!!」
夏は僕を抱き枕かのように抱きしめた。
「…おやすみ、ゆず」
「おやすみ、なつ」


「お寝坊さん達。起きないの?」
「ん…んぅ?…かぁしゃん…?」
「柚。おはよう」
「…おはよ…かあしゃん…」
「夏もおはよう」
「いまなんじ…?」
「もう11時よ。なかなか起きてこないからどうしたのかと思えば…」
…二度寝が長すぎた。
9時30分には起きようと思ってたのに。
その時、2人のお腹がぐぅぅと鳴った。
「ほら、朝ご飯も食べてないからお腹すいたでしょう?」
「あさひるけんよーになっちゃった」
「ねすぎちゃったね」
「でも寝る子は育つとも言うわよ?」
…寝よう。
寝て大きくなろう。
とか決心しても体は言うことを聞いてくれないんだよね。
眠くなったらすぐ寝るし。
寝たい時には眠くならないし。
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