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幼児編

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ゆず!!どこだ?柚!!」
「柚!!返事して!!」
「ゆず!!どこ!?」
僕はそっとため息をついた。
話の流れから分かるだろうけど…柚ってのが僕。
転生したら柚琉ゆずるって子になってたんだ。
「ここだよ。にいさん、なつ」
1番上の兄、しょうと2番目の兄、直人なおと、3番目の兄であり僕と双子である夏羽 なつは
「柚!!」
「ダメだよ。1人でどっかいっちゃ…かくれんぼしたかったの?」
いや…本が読みたくて書庫に来てただけだよ。
「ゆず。なつがいっしょじゃないとダメ」
「なつ。ぼく、3さい。しんぱいしなくても…」
「「「心配(しんぱい)する!!」」」
何故と僕は首を傾げた。
「柚は家族の中で唯一喘息持ちだし」
「アレルギーもあるし」
「からだよわいもん」
「…ぜんぶにいさんやなつがもってっちゃったんだもん!!」
僕は両手を挙げて反論した。
「ほら柚。母さん達も心配してるから行くぞ」
「…書庫に鍵付けないとね。勝手に入り込んじゃうし」
「ゆずのほんはへやにあるのに」
部屋の本は全部読み尽くしたんだよ。
あと、あそこには絵本しかないし。
「ホコリ吸い込んでないかな。本の隙間とかによくたまっちゃうし」
「それ本当か?…柚。大丈夫か?」
「だいじょうぶ。にいさんたちがしんぱいしすぎなだけ」
「ゆず。きょうはもうねよ?おひるねしよ?」
「まだねむくないしあさだよ」
現在午前9時30分。
ちなみに起きたのは午前7時だ。
「…そろそろ10時になるね。2人のおやつの時間だ」
「おやつ!!」
「ぼくおなかすいてないからいい」
「ダメ。成長期なんだから」
「柚はいつも残すし食べなかったりもするよな…どうしたもんか」
そんなの僕が知ってるわけじゃない。
翔兄さんはリビングの僕と夏用の高くなっている椅子に僕達を座らせた。
「…母さん達まだ探してるのかな。僕ちょっと連絡するよ」
「頼む。…2人とも。おやつは何がいい?」
「なつ、シュークリーム!!」
「…ぼくいらないってば」
「柚はいつものクッキーにするか?」
「…たべる」
翔兄さんは少し笑ってから近くにいた使用人に指示を出した。
直兄さんは耳に付けた通信機に触れ、母さん達と電話しているようだ。
「ゆずはいつもクッキーだけだね。…そんなにおいしい?」
「だってくっきーならすくなくてもしょうにいさんがもんくいわないし」
「あんなかに野菜が大量に練り込んであるからな。普通に野菜食べるよりは柚はあの方が楽だろ」
「そうなんだ」
あれ…緑色なのは野菜の色だったのか。
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