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えいと 僕の生活用品多くない?服ってそんなにいるものだっけ?

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「おまえらこの後はどこ行くんだ?」
「仕立て屋だな。当面の衣類は既製品で賄えるとしても今後用のがまだそろってないから採寸もかねて行くつもりだ」
「あー。アンのところか?」
「そうだな」

 誰だー。さっきお兄さんの名前がバルドってことを知ったばかりなのにまた新しい人出てきたーもう僕の頭じゃ覚えられないんですけどー。

「ならこれ届けてくれ。あいつ今依頼入ったとか言って全然食いに来ないから多分寝食忘れてるぞ」
「…依頼か。夜会か?」
「もうすぐだしな。俺ら庶民はただお祭り騒ぎするだけだけどお貴族様は違うんだろ」
「お貴族様…」
「坊主はかかわらない方がいいと思うぞ。下手に気に入られると不味い」

 へー。てか子供じゃないと分かったとたんに坊主呼びて。やめて?僕髪あるよ?その意味じゃないとしても坊主は嫌だ。

「ごちそーさま」
「食べ終わったか?お前らもどうせ定期的に食べに来るんだろ?そのたびに生存確認もしてやるよ」
「へ?」
「この店はな。冒険者も多く利用していて定期的に来る奴は店側が顔を覚えるんだ。いつもくる時期に来なければそいつの受けた依頼が何か不味いものだったとみなし現場にかけつける。そんな風にギルドと連携をとっているんだ」
「ほぇー」

 まあ僕は興味ないけど。このチキンがあれば満足。

「ちなみにそれ店に俺がいる時しか食えないからな」
「えっ!?」

 嫌だ!僕は毎日食べたい!

「ぶーぶー」
「俺はいつも火の日にはいるからその時に来ればいいだろ」
「ひのひ?」

 あー…曜日だったりする?だとすると…『ひ』が『火』で合ってるなら火曜日?毎週火曜日しかいないの?週1でしか食べられない?うそ…。

「まだ曜日は教えてないんだが…」
「そうだったのか。…というかそんな基礎知識も知らないのか?」

 基礎知識って…嘘やろ。僕治療院にいたとき何も教わらなかったぞ。たまに抜け出して子供がたくさんいるところにも行ってたけどすぐ見つかって連れ戻されたし。多分あそこが孤児院ってところだよね。行きたい。てか僕もそこに引き取ってもらいたかった。いやそうなるとキモデブ貴族へ引き取られる道にまっしぐら?

「…よほどひどい環境で育ったんだろう」

 ただの一般ピープルですが。会社員の父とパートの母の間に生まれた平々凡々な僕ですよ?勉強は平均より少し下でその分アニメや漫画の知識を頭に詰め込みましたけど。

「行くか」
「そうだな。ほいこれ」
「あぁ。届ければいいんだろう?」

 バルドお兄さんは片腕で僕を抱きあげ、もう一つの腕でアンさんに届けるお弁当を持った。この世界にお弁当の概念があったことにめちゃくちゃ驚いた。でもなんかちょっと昔のやつっぽい。竹みたいな植物で編まれたやつ。僕たちが使っているようなプラスチックのやつはないみたいだね。








 店を出て数分のところにアンさんのお店はあった。これだけ近いのに来ないの?

「アリシアいるか?」
「はいはーい。アリシアちゃんに何か用ですかーっと。あ、バルドか。もしかしてお弁当持ってきてくれたのー?」
「そうだ。あとこの子の服を頼みたい」

 アンさん、もといアリシアさんは僕を見た瞬間に目を輝かせた。あーこれ知ってる…新しい服を手に入れたときのママが僕を見る目だーそのあと必ず僕は着せ替え人形にされる…。

「ちなみに予算は…」
「いくらでも」
「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いいの作ってあげるからねー‼」

 既製品って話じゃ?というか大量に作られそうで怖いんだけど。フリルとかいらないよ?コスプレ以外でそんなの着ないからね?
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