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〇〇の子は〇〇ではない
しおりを挟む〇〇の子は〇〇ではない、という言葉を聞いたことがあるだろうか。
これは時に教師の子は秀才ではない、天才の子は非凡ではない…など使われているだろう。
でも、このような当てはめ方をしたらどうなるだろうか?
王の子は王ではない。
たとえ王家に生まれたとしても、ただの子供として扱われ、これからの人生を自分で決めていかなければならない。父の背中を追うとしても…王としての素質があると周りに認めさせなければならない。ただそれは茨の道であろう。
なぜなら…平民の子は平民ではないからだ。また、貴族の子も貴族ではない。
親から受け継ぐことはない。ならばそれは将来の選択肢が広がったとも言えるではないのだろうか。
平民の子が国王を目指すことも、貴族の子が平民になることも可能なのだ。
これはとある世界、とある国で建てられたおかしな法律の話である。
王の子は王ではない。この国の全ては世襲性ではない。子に親の職を強制するのはやめにしよう。子が自らと同じ職につかないのは自らがその職を魅力的に見せるための努力が足りなかったのだ。
もちろん、親の職を継ぎたいと願う子もいるだろう。ならば努力せよ。自らの手で勝ち取るのだ。ライバルはこの国の全ての国民だ。自分と同じ道を目指すものも、はたまた別の道を選ぶ兄弟もいるだろう。
だがそれでいい。それがいいのだ。
「…ま、国王になるには今までの王家の血を継いだやつとの婚姻が必要なんだけど」
「この法律出来てから200年は経ってるし王家の血筋なんて国中に溢れてるんだけどね」
「君は何になりたい?」
「騎士?それとも農家かな」
「学士なんてのもいいな。君が何を目指そうと、我が国は止めやしない」
「学びたいのなら努力せよ。強くなりたいのなら鍛錬をつめ」
「金銭的な援助が必要なら金は惜しまない。未来のために、自由な子ども達よ。自らの選ぶ道を突き進むのだ」
「…俺、書店の店員やりたいって言ったはずなんだけど…なんでこうなってんの?」
おや、ここに1人、望んだ結果を得られなかったものがいるようだ。
「…本には囲まれてるよ?」
「あぁ…仕事の書類達な」
「それに大きな部屋だってある」
「あぁ…無駄に広いな。俺狭いとこがいい」
「好きなだけだらけられるし」
「欲しい本があるなら取り寄せてあげるよ」
「俺は!ひとりで!だらけて!本に囲まれた生活がしたいんだ!」
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「俺の自由どこ行った!」
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