普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

注射の後 1

柚琉視点

｢ただいま｣
｢ぱぱぁ…けーき…｣
｢まだ覚えてたか…｣
｢柚琉くん｡元気になるまでケーキは無しね｣
｢ふぇぇ…｣
けーきない…。
ちゅーしゃ頑張ったのにけーきない…｡
｢…けーき…｣
｢後でゼリーなら出してあげるから｣
｢ほんと…？｣
｢お熱なくなったら一緒にケーキ食べようね｣
｢…ん｣
パパあったかい｡
｢にゅー…｣
｢柊二…｣
｢何となくわかってるよ…柚｡パパの服によだれか鼻水か付けてるでしょ？｣
｢…くぅ｣
｢寝ちゃったし…もう…着替えなきゃいけなくなったし…｣
｢まぁいつものことだろ｣
くぅ…すぅ…｡
パパと一緒にけーき…えへへぇ｡




























｢おはよー!!｣
｢熱下がったら元気いっぱいだね柚｡でもまだ心配だからお部屋出ちゃダメだよー｣
｢ぱぱとけーき!!なつにぃに､ぱぱどこ？｣
｢父さんなら朝早くから会議だって出かけていったけど…｣
｢ぱぱ…けーきない…？｣
｢パパもケーキも今はないね｣
｢ぼく…がんばった…｣
｢そうだね｡昨日注射泣かなかったって言ってたもんね｡柚にしては凄いね｣
｢…やくしょく…｣
｢やくしょく？…あぁ約束か｡じゃあパパ帰ってくるまでにぃにと遊ぼ？｣
｢にぃにがっこーない？｣
｢ないよ｡だからいっぱい遊ぼうね｣
夏にぃには僕をぎゅってして抱っこした｡
｢柚寝巻きのままだし…お着替えせずにお部屋飛び出しちゃったんだね｣
｢にゅ？｣
｢お着替えだよ｡柚いつも夜の服やだーって言ってるのに…｣
だって僕の好きなふりふりもリボンもないんだもん!!
寝る時は邪魔になってしまいますからって!!
｢おきがえするー!!｣
｢好きな服選ぼうねー｣
｢ふりふりりぼん!!｣
｢…ま､柚はそうだよねー…いっそ礼服も女の子ので作っちゃえばいいのに｣





















昨日更新できないし前回の話は数字振り間違えてました…すみません(´・ω・｀)