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不眠 3

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翔視点

「いてて…」
「どうした?直人」
「膝で寝かせてたら柚に噛まれた…」
「…どういうことだ?」
「子猫のふみふみあるでしょ…?あれと同じ感じで無意識に噛まれた…」
傷を見せてもらうと小さな穴が2つ空いていた。
「…ちゃんと牙立てられるようになったんだな」
「それ見て成長実感しないで…結構痛いからね?」
「あれ、柚は無痛に出来ないのか」
「みたいだね…力任せに噛んでくるから。そういうやり方を知らないんだと思うよ」
「…覚えさせないとな」
柚なら『だめ?』とか言えば何とかなりそうだけど。
今の時代だと通報されかねない。
「で、柚は?」
「起きたからおやつ食べいったよ。夢見玉使ってみたけどちゃんと3時間寝れてた」
「…逆に3時間しか寝られなかったとも言えるだろ」
「柚にとっては短いよね…まぁ夢見玉の効果も短いからなんだけど。効果続いてる間しか寝てられないみたい。だから夜勤の子達に柚の夢見玉の交換もお願いしないと」
「昼間は1回分でいいしな。夜だけは…誰かに頼るしかないか」
「また負担かけちゃうね…」
夜勤だけ時給上げてるけど。
廊下にも床暖房、冷房はもちろんのことソファーと軽食と季節によってはブランケットや扇風機なんかも渡してるけど。
…やっぱり負担が大きいよな。
2人体制でやらせてたけどもう1人増やして仮眠時間を長く取れるようにするか?
「にぃにー!!…ふぇ?しょーにぃにおかえりー!!」
「ただいま。柚は…ドーナツ食べたのか?」
「ふぇ!?なんでわかったの!?」
口の周りに欠片とココナッツついてるからな。
柚のおやつでココナッツ使ってるのはドーナツだけだし。
「おいちーしてたの。にぃにもおやつたべよー」
「にぃには後で貰うね。もうちょっと書類仕事終わらせておきたいから」
「手伝おうか?」
「あー…仕事っていっても」
直人の視線は…俺の抱えてる人に。
「…なるほどな」
「ネットの情報とかも集めつつ一応記録つけないと心配だから」
「で、比べてみてどうだ?」
「…成長の面はだいぶ遅れてる。脳の発達なんて魔族のが早いはずなのに2、3歳ぐらいしかないし身長は3歳児以下だったよ」
「にゅぅ?」
「まぁ柚だからな」
「柚だからねぇ…」
「ふにゅにゅ?」
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