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縁日 2

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雫視点

「柚、似合ってるわよ」
「えへへ~」
フリルのたっぷりついたスカートのようにふんわりした浴衣を着てくるくると回っている。
「夜まで時間あったからかなり手直しできたわね」
「「私達はまだ飾り付けたりません…!!」」
「柚の髪はまだ短いもの。そんなに編めないわよ」
「「そうなのですが…!!」」
二つに分けた髪を上の方でくるくると丸めお耳のようにして、そこに造花をいくつか刺していたのだけど…まだ足りないの?
「そろそろ行かないと遅れちゃうわね」
「では柚琉様、こちらを」
「にゅ?」
浴衣と同じ色のピンクのポシェット。
「ここにハンカチとティッシュとウェットティッシュが入っていますから」
「外についているストラップは防犯ブザーですので知らない人に手を掴まれたりしたらすぐに引っ張るんですよ」
「はぁい」
…分かってない返事ね。
「私がずっと手を繋いでいるしあなた達も来るんでしょう?」
「「まぁ…そうなのですが」」
「後ろから周りを見ていてくれると助かるわ」
「「はい!!」」
私も小銭を多めに入れた財布を持ってきたし念の為メイド達にも財布を持たせた。
柚は…買いたい時に渡して自分で買わせればいいもの。















「おー……」
「ゆずちゃん可愛い浴衣ね」
「でしょ!?ままがふりるいっぱいしてくれたの!!」
「レースをフリルにするのって案外難しいのね。仕立て屋に頼む時少し金額上げなきゃいけないわ」
「仕立て…え?」
「ぼくあれたべたい!!」
「俺はあれ」
「はいはい、あなた達待ちなさい」
「一人で行っちゃダメよ」
「柚はママと手を繋ぐって約束したわよね?」
「はぁい…」
私と手を繋ぎ空いた片方の手をにぎにぎしていたのだが惟くんと繋いだ。
「おてて!!」
「ゆず…お前それじゃ何も持てないぞ」
「んにゅ?あ…」
「俺との手を離せばいいだろ」
「…うにゅぅ」
友達との手繋ぎが無くなってしまい少ししょんぼりしてしまった。
「ほら、柚の食べたがってたりんご飴のお店についたわよ」
「惟はとなりのフランクフルトでしょ?」
「うん!!」
「自分で選びましょうね」
店の主人にお金を渡し、柚を抱き上げて自分で選ばせた。
「んとね、これにする!!」
「綺麗なの選んだわね」
「きらきら!!」
ぺろぺろと小さな舌を出し入れしながらりんご飴を食べ始めた。
…周りが見えてないわね。
抱っこのまま移動しましょう。
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