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すやすやむにゃむにゃ 3

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柊二視点

「…はぁ…あなたですか…」
「あら柊二?あなたとはどういうこと?知人?なら顔は潰さないであげるわ」
「…ん?どういうこと?」
雫はなんでそんなに殺気立ってるの?
てかメイドも?
「…何があったの」
「柚が眠たくて…食事を取らせたんだけどそれも吐いちゃって」
「あー…」
多分それ吐いたんじゃないな。
「とりあえずその子を離してくれませんかね…怠惰のスロース様」
「「「え?」」」
「…せっかく見つけた愛し子を…?やだ…」
「やだじゃなくて、うちの妻とメイドに潰される前に」
怠惰のスロース様。
七つの大罪が1人…といってもほとんど力は失ってる。
魔王が出来る前から存在してるからだいぶ年寄。
「…年寄り…じゃない…まだ500万しか生きてない…」
「だいぶ長いですよ」
「…で…?その七つの大罪様が柚を愛し子に…?だから起きないとでも…?」
「…スロース様、その子はあなたが寵愛しなくともだらだらするのが好きな子ですから」
「…そう…?」
スロース様が離れた瞬間に柚の頬に手を当てた。
「…柚、起きて」
「むぅ…ゃ…」
「やじゃないの。起きて。お着替えしよ?」
「…ぅや…」
あれ?
強情だ…。
「新しい服もあるしおやつだって食べてないでしょ?」
「…うゅ」
「いらないなら服は捨てるしおやつは夏に食べてもらおうかな?」
「いるぅ…」
もそもそと起き上がった柚は近くにいた僕に体を預けた。
「おはよ、柚」
「んにゅぅ…」
「「「柚になんかあった!?」」」
その瞬間に子供達が帰ってきた。
「ちょっとだけね。…柚お熱あるね。それでだるかったのかな」
「ねんね…」
「そうだね、ねんねしよっか。でも柚のベッドだと小さいから隣行くよ?」
「ぅにゅ…」
隣のぬいぐるみの部屋のベッドに寝かせ、魔法で作った氷を布で包み、柚の脇や足に当てておいた。
「ぱぱぁ…」
「ん?どうしたの?」
「だっこぉ…」
「…あれ?ねんねは?」
「だっこ…」
「はいはい…」
いっぱいねんねしたからもうねんねはしないってことなのかね。
「…父さん、もう柚大丈夫?また寝たりしない?」
「大丈夫だよ。夏もおいで」
3兄弟の中では1番小さな夏は不安だったのかもしれない。
学校から呼び戻されて、その理由が柚のことで。
「スロース様は気まぐれだからね。眠ってる柚が可愛くってそばに来ちゃったのかも」
「…柚が可愛いのは認めるけど寵愛はいらないよ。だって…」
「ごめんね、怖かったね。でもほら、柚も安心しきって寝ちゃったから」
「…ほんとだ」
すぅすぅと聞いていて気持ちの良い寝息を立てながら柚は僕の腕の中で眠った。
…だいぶ暑い。
熱を出した柚とまだまだ子供の体温のままの夏がそばにいるから。
でもこの暑さが…心地よいとも感じる。
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