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直人視点

眠ってしまった柚を椅子からソファーへ移した。
起きた時に誰もいない、じゃ可哀想だからね。
「まま…」
「あら?私夢の中にまで出てるのかしら」
「よくその距離で聞こえたね」
「柚の声なら聞き漏らさないわよ」
柚はソファーをぎゅっと握っていた。
「…やぁ…」
「怖い夢でも見てるのかな」
「夢の操作はちょっと苦手なのよね…」
「あぁ、雫は自分が中に入るか悪夢を見せることしか出来ないもんね」
「ちょっとっ!!言わないでちょうだい!!」
「え…父さん悪夢って…」
「覚えてない?小さい頃雫は定期的に翔や直人に悪夢を見せて自分に泣きついてくるようにしてたんだよ?魔物に襲われるとか…誘拐されそうになるとかそんな感じだっけ?」
「だって2人ともおねしょまでしちゃって可愛かったんだもの」
「「母さんのせいだったの(か)!?」」
「ごめんなさいね、可愛さに負けちゃったわ」
…0歳児に見せる夢じゃないって。
いくら魔族が成長早いって言ってもあれはトラウマレベルだからね!?
「…柚、ママはここよ。何があってもママが守ってあげるから大丈夫」
母さんは眠る柚の手を握ってそう呟いていた。
「…ぅ」
「柚ったら…眠っている間にこんなに魔力を漏らしていたのね?制御できてないじゃない」
「え?」
「繋いだ手から柚の魔力が流れてくるのよ。魔力の制御は教えてないの?」
「それは母さんがいちばん知ってるでしょ…」
「勉強時間は同席してるんだろ」
「あ、そうだったわね。そういえば柚は魔力に関してはちょっぴり下手だったのよね」
ちょっぴり?
…どこが?
0歳の時に大魔法放ったの忘れた?
アレ本来のやつよりだいぶ威力上がってたよ?
ちょっぴり間違ったくらいじゃあれはできないよ。
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