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ボール 2

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雫視点

「まま、もっかい!!」
「えぇ」
投げて、転がって柚が取りに行く。
…私、犬なんて飼ってたかしら。
「まぁま。ぼーるたのちっ!!かってくれてありがとー」
「いいのよ」
柚のためだもの。
でもそろそろ仕事をしないとなんでも買ってあげられる、なんて額は無くなっちゃうのよね。
何かあったかしら?
「おやつたべるー」
「じゃあお靴脱いでおてて洗ってから食べましょうね」
「はぁい」
柚はメイドに手伝ってもらいながら靴を脱いで走っていった。
本当に素直ないい子に育ったわね。
私が関わったのは1年足らずだけども。
…まだあの子は1歳なのよね。
夏は…いくつだったかしら。
10…は超えているわよね?
「母さんただいま~柚は?」
「あらおかえりなさい。柚なら今おやつを食べるために手を洗いに行ったわよ」
「今からおやつなの?じゃあ夏も一緒に食べようかな」
「夏、そういえばあなたって何歳だったかしら」
「え?」
やっぱり親として失格だったかしら…。
「…今年で114だよ。母さん達に拾われてから102年くらい経ったかな」
「もうそんなに経つのね。夏も大きく……なったのかしら?」
「なったよ!?母さん達に拾われた時まだ僕獣化しか出来てなかったからね!?」
「そうだったかしら」
だって子供の成長は早いんだもの。
「あ、にぃにー!!おかえりー!!」
「柚ただいま。あと飛び込んでくるのはやめようね。嬉しいけどにぃにちょっと怖い」
「ふにゅぅにぃに~」
「…まぁいっか。どうせ受け止めるし」
あら諦めちゃったわ。
「あれ、柚琉くん甘えたモード?最近勉強してないし自習してるかなと思ったんだけど幼児退行した?」
「柚は幼児よ?」
「まぁそうだろうね…」
柚はまだ1歳だもの。
100歳くらいまでは甘やかしていいでしょう?
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