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雫視点
眠ってしまった柚を夏が抱き抱えて連れていった。
「人魚の城に…あったにしては濡れてないのね」
「人魚って言ってもずっと水の中にいるわけじゃないし昔ほど地上も危険視されてないから城の半分くらいは地上と同じようになってんだよ。そこに書庫があるんだ」
「行ってみたいわね」
「そうだね。今度旅行で行こうか」
「まぁ嬉しい」
「…誰かからの紹介とかないと入れねーけど?」
「凛がいるからって事じゃない?」
「俺かよ」
それにしても…この本に書いてあるのは見た目もバラバラなのね。
エルフに猫人にこれは…。
「人魚だよ。絶世の美女って言われてた……俺のひいひいひいひいひいひいばっさま。ひいひい…もういいやめんどい。夫が死んだ後あとを追うように亡くなったんだ」
「まぁ…」
…凛さんがいるということはその時お子さんもいたのよね?
子供を残して逝くだなんて…辛いわ。
「…じっさまの話では特定の伴侶を持ったその種族のやつは伴侶が亡くなると後を追うらしい。…なんか愛されるって言っても他者からの愛を受け付けなくなるのかどんどん痩せていくんだってよ」
柚に伴侶を作ってはダメね。
そんな悲しい死に方…させたくないもの。
「…伴侶…後追い……まだ先のことだと思うけど…夏が退室してある意味良かったかもね」
「夏は柚のこと番にしたいってずっと言ってたもんね。自分が柚の寿命を決めることになるって知ったら…」
「さすがに可哀想だよな…」
「でも知らせないと怒るのよね」
「そうだね。『柚の事なのになんでにぃにである夏が知らないの!!』って。前に学校にいるからって呼ばなかった時も怒られたし」
…柚が居ない時に話しましょうか。
今は…多分柚を寝かしつけているから離れられないわよね。
柚ったら夏と一緒に寝る時は全身で夏にくっついてしっぽを咥えて離さないって言ってたもの。
「…雫?そのエルフが気になるの?そのページでずっと止まってるけど…」
「いいえ。ちょっと考え事をしていただけよ」
…私は柚が生涯の伴侶にしたいと思った人を連れてきた時どのような選択をとるのかしら。
柚の愛?
それとも…柚の命をとるの?
眠ってしまった柚を夏が抱き抱えて連れていった。
「人魚の城に…あったにしては濡れてないのね」
「人魚って言ってもずっと水の中にいるわけじゃないし昔ほど地上も危険視されてないから城の半分くらいは地上と同じようになってんだよ。そこに書庫があるんだ」
「行ってみたいわね」
「そうだね。今度旅行で行こうか」
「まぁ嬉しい」
「…誰かからの紹介とかないと入れねーけど?」
「凛がいるからって事じゃない?」
「俺かよ」
それにしても…この本に書いてあるのは見た目もバラバラなのね。
エルフに猫人にこれは…。
「人魚だよ。絶世の美女って言われてた……俺のひいひいひいひいひいひいばっさま。ひいひい…もういいやめんどい。夫が死んだ後あとを追うように亡くなったんだ」
「まぁ…」
…凛さんがいるということはその時お子さんもいたのよね?
子供を残して逝くだなんて…辛いわ。
「…じっさまの話では特定の伴侶を持ったその種族のやつは伴侶が亡くなると後を追うらしい。…なんか愛されるって言っても他者からの愛を受け付けなくなるのかどんどん痩せていくんだってよ」
柚に伴侶を作ってはダメね。
そんな悲しい死に方…させたくないもの。
「…伴侶…後追い……まだ先のことだと思うけど…夏が退室してある意味良かったかもね」
「夏は柚のこと番にしたいってずっと言ってたもんね。自分が柚の寿命を決めることになるって知ったら…」
「さすがに可哀想だよな…」
「でも知らせないと怒るのよね」
「そうだね。『柚の事なのになんでにぃにである夏が知らないの!!』って。前に学校にいるからって呼ばなかった時も怒られたし」
…柚が居ない時に話しましょうか。
今は…多分柚を寝かしつけているから離れられないわよね。
柚ったら夏と一緒に寝る時は全身で夏にくっついてしっぽを咥えて離さないって言ってたもの。
「…雫?そのエルフが気になるの?そのページでずっと止まってるけど…」
「いいえ。ちょっと考え事をしていただけよ」
…私は柚が生涯の伴侶にしたいと思った人を連れてきた時どのような選択をとるのかしら。
柚の愛?
それとも…柚の命をとるの?
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