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おこ 2

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直人視点

「むー…」
おやつのクッキーを見ながら唸る柚。
そんなにうさぎが良かったのかな。
でも曜日を覚えさせるためだから他の日には出さないって約束しちゃったし…。
「にぃに…うしゃしゃん…」
「ダメだよ。今日はわんちゃんの日」
「うー!!」
「先生とちゃんとお勉強するって決めたんでしょ?」
「…はぁい…」
勉強は嫌いだからって勉強らしくない勉強をさせてるんだけど。
パズルとかカルタとか情操教育?っていうの?
そういうのしかしてないんだよね。
ほんの少しの言葉の練習にもなるといいなってのはあるけど。
言霊を使うには自分の語彙力が必要になると思うからね。
まぁ柚の場合ほわほわした柚言語でも発動しちゃってるんだけど。
「ままぁ…」
「なぁに?…あ、抱っこ?ちょっと待ってちょうだいね。この辺りの針とか片付けるから」
「…いろいっぱぁい」
「ふふ。柚の好きな刺繍でもしましょうかね」
「ほんと!?」
「えぇ。何がいいかしらね」
おやつはもうどうでも良くなったのか母さんの足元でぴょこぴょこしながら母さんのやっていた刺繍を眺めていた。
「…じゃあ僕も仕事してくるかな」
「え」
「え?」
「…にぃに…おちごと…?」
「うん…?ちょっと休憩してただけだからね」
「…だっこ」
「え?にぃに仕事…」
「柚は連れて行ってほしいのよ」
「いや…まぁいいけど」
柚に見られて困るような書類はないし。
柚を抱っこすると今思い出したのかクッキーを握った。
「おやつ!!」
「はいはい。おやつも持っていこうね。書類に零さなければ食べてていいからね」
「はぁい」
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