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閑話 雨の日の仕事

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使用人視点

「今日は…」
「雨か…」
AとBは同時にため息をついた。
「…ということは」
「「拭き掃除のオンパレード…」」
この屋敷の4男の柚琉様は水が苦手。
水…雨はもちろん、結露もダメ。
床がほんの少し湿っているのも嫌がって自分で歩こうとしない(いや普段から抱っこ移動)。
「窓拭きに床拭きに」
「雨が上がったら庭の芝生全てに乾燥かけて」
「屋敷内戻ったらまた窓拭きと床ふき」
「…最悪だ…」













「だー!!疲れた!!」
廊下の真ん中に水たまりができていたのだ。
…しかも割とでかい。
「…なんだこれ…誰が零したんだよ…」
「あのね、あのね、それぼくがしたの…ごめんなさい…」
何故か柚琉様が柱の影から出てきた。
「…ぼくね、あひるさんあそびたくてね、おゆもってたの。そしたらこてって…ばしゃーんって…ふぇ…ごめしゃい…」
「あー…泣かなくていいっすから。…なんでエプロンドレスのエプロン濡れてるんすか?」
「…いっぱいごしごししたの…でもないない…ないの…」
訳:やばいと思って自分のエプロンで拭いてみたけど全く水が無くならなかった。
「濡れたの気持ち悪くないですか?というか…専属のメイド達はどこへ?」
「おやつ…」
「…おやつを取りに行っている間に1人で部屋の外に出てきたんですか?」
「うん…ごめしゃい…」
「新しい雑巾とそこで専属達見つけたから連れてきたー!!」
「「柚琉様!!」」
「めいどしゃん…ごめしゃい…」
「どこにも痛いところはございませんか?」
「うん…」
「ご無事で良かったです…」
感動の再会…的な物やってるけどさ。
すぐそこに苦手な水あること忘れてね?
「柚琉様…水大丈夫なんすか?」
「あのね、おみずはやーなの。でもね、おふろのおゆはいーの」
「…薬湯だから、と?…いやこれもう冷めきってる…」
「何か混ざっていれば大丈夫なようですよ」
「というか水全般ダメだったら紅茶も飲めませんしね」
「「あ…」」
そういや飲み物系も水使ってるじゃん。
なのに飲めてる時点でそれは分かっとったことや。
「お召し物が汚れていますね。お着替えしましょうか」
「えぷろんがいー」
「エプロンドレスですか。探してみましょう」
「うん!!」
柚琉様+専属メイド2人は立ち去っていった。
残ったのは雑巾と水溜まりと俺達。
つまり。
「…結局は俺達が片付けろと」
「まぁそうなるだろうな…」
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