上 下
69 / 345

マナー講座 1

しおりを挟む
柚琉視点

「ふぇ」
「だから、今日はご飯の時にお勉強しようね。テーブルマナー酷すぎ」
「てーぶる?おつくえあるよー?」
「…なんでそういう言葉は分かるのに理解してくれないかな…テーブルマナー。お行儀よく食べましょうってこと」
「おぎょーぎ?」
「いい子でってことよ」
ママの言葉に僕は愕然とした。
僕いい子じゃなかったの…!?
ふにゅ…僕悪い子…悪い子やだ…。
「ままぁ…」
「あらあら、どうして泣きそうになっているのかしら?」
「ぼく…わるいこ…?」
「どうして?柚はとってもいい子よ」
「いいこ…?」
僕いい子?
…だって…おぎょーぎよくって僕できないもん…。
おぎょーぎっていい子って事なんでしょ?
「いい子よ。ママは柚が大好きだもの」
「…ぐすん」
「ほら、泣かないの。うさぎのおめめみたいになっちゃうわよ?」
「…うしゃしゃん…」
「…受けてくれるの受けてくれないの。いや…どっちにしろ同席するんだけど」
「昼食はナイフとフォークを使うものにしましょう。厨房に伝えてくれるかしら」
「「はい」」
逃げられなくなっちゃった。
…やだぁ…僕美味しいご飯がいいの。
みんなにあーんってしてもらうのが好きなの。
「やーやー!!」
「柚琉くんが嫌でもやるからね。…あ、柚琉くん用の椅子ってあります?」
「それくらいはあるわ。ほとんど使っていないけれど」
「ほと……いいや。ツッコミ疲れる。流そ」
「やーなーのー!!」
僕はみんなとご飯食べるの!!
ごーはーん!!
はっ。
久しぶりにご飯を赤いのにしたらダメ?
「まま、あかいのほしい」
「あら?喉が渇いちゃったの?」
「ううん…」
「はいはい、先生と食べたくないからって血で済まそうとしないの。今日は見るだけだから」
「ほんと!?」
ね」
…おやついっぱい食べなきゃ。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

兄が届けてくれたのは

くすのき伶
BL
海の見える宿にやってきたハル(29)。そこでタカ(31)という男と出会います。タカは、ある目的があってこの地にやってきました。 話が進むにつれ分かってくるハルとタカの意外な共通点、そしてハルの兄が届けてくれたもの。それは、決して良いものだけではありませんでした。 ハルの過去や兄の過去、複雑な人間関係や感情が良くも悪くも絡み合います。 ハルのいまの苦しみに影響を与えていること、そしてハルの兄が遺したものとタカに見せたもの。 ハルは知らなかった真実を次々と知り、そしてハルとタカは互いに苦しみもがきます。己の複雑な感情に押しつぶされそうにもなります。 でも、そこには確かな愛がちゃんと存在しています。 ----------- シリアスで重めの人間ドラマですが、霊能など不思議な要素も含まれます。メインの2人はともに社会人です。 BLとしていますが、前半はラブ要素ゼロです。この先も現時点ではキスや抱擁はあっても過激な描写を描く予定はありません。家族や女性(元カノ)も登場します。 人間の複雑な関係や心情を書きたいと思ってます。 ここまで読んでくださりありがとうございます。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

学園の支配者

白鳩 唯斗
BL
主人公の性格に難ありです。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

処理中です...