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ママのお誕生日プレゼント 1

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柚琉視点

「あら、柚お出かけするの?」
「うん!!ぱぱとおでかけ!!」
「ママも一緒に行っていい?」
「だめ!!」
ママには内緒なの。
だってママに内緒にしなきゃいけないんだもん。
さぷらいずって言うんだって。
「…え」
「ままはだめなの!!」
「ど…どうして?ママが何かしたかしら…」
「めーなの!!」
「そんな…」
「じゃあぼくいってくる!!」
早く行かなきゃ。
ママのお誕生日は明日だもん。
早くしなきゃ…早くしなきゃママが欲しいの無くなっちゃうかもしれない。
「…あれ?ままがほしいの…なんだっけ」
んー?
…分かんないや。
ま、いっか。

























「…アクセって何が好きかとかよく分かんないね…」
「ぱぱこれきれー!!」
僕は目の前のキラキラしたのを指さした。
「これか…ママはもっと鮮やかな色のが似合うんじゃない?」
「きれーだからいっただけだよ?…ままににあうの…」
お店の中を見渡して…あるものを見つけた。
「これ…これする」
「これ?」
青色の石の周りに白いのがいっぱい付いててキラキラしてる。
「ネックレスか。それなら使う場面も多そうだしいいね。これにしようか」
「うん!!」
パパはお店の人とお話をしだした。
僕は抱っこから下ろされてソファーに座って足をパタパタして待ってるの。
まだかなー。
綺麗なのママが付けたらもっと綺麗になるかな。
でも…ママ行く前泣いてた。
僕がダメって言ったから…。
でも…内緒にしなきゃいけなくて…でも…ママ泣いちゃって…。
「おまたせ。…柚?」
「ぱぱぁ…どうしよぉ…」
「どうしちゃったの?さっきまであんなに笑顔だったのに…」
パパは泣きじゃくる僕を抱き上げ、トントンしてくれた。
「まま…ひっく…」
「うん?ママの誕生日プレゼント買いに来たんでしょ?」
「ぐすん…」
「…よく分かんないけど…どっか寄ってから帰ろっか」
















パパがアイス買ってくれたの!!
おいしーの。
「涙は引っ込んだみたいだね。さっきはどうして泣いちゃったの?」
「あのね…ぼくね…ないしょだからね…まま…に…だめって…いっちゃった」
「もうちょっと詳しく話してくれる?」
「ままがね、いっしょにいくっていったの。だけどね、ないしょだからね、だめっていったの。そしたらね、ままえんえんしちゃったの…ぼく…ままにきらわれちゃったかな…そんなのやだ…」
「…そっか。ママのこと傷つけちゃったんだね。帰ったらちゃんとごめんなさいしようか」
「まま…ゆるしてくれる…?」
「ちゃんと出来たらね。柚がこんなに泣きそうな顔だったらママも泣いちゃうよ」
「うん…あれかって…」
「ん?…なんかさりげなく強請られたけど…いいよ」
お外のお店で売ってたくれーぷってのをパパに抱っこされながらもぐもぐした。
美味しいの…でも美味しくないの。
ままとおいしーねってしたい…。
「もういらないの?」
「ままにあげるの…」
食べかけのクレープをぎゅっと握ってパパにくてぇってもたれた。
「疲れちゃったね。帰ろうか」
「ん…」
…ねんねしたいけど…ねんねしたらママにくれーぷどーぞできない…。
うー…頑張る…頑張るのー。
「寝たいなら寝ていいんだよ?」
「や…」
「じゃあ急いで帰るね」
…ママにどーぞするの…。
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