普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

おもちゃ 2

メイド視点

｢みてみて!!きらきら!!きらきらなったの!!｣
｢凄いですね｣
アニメの特殊効果を自分の力で再現してしまうなんて｡
｢いしょーもね､ぜんいんぶんあるの｡それでね､いっしょにあそぼー？｣
｢いいですけど…｣
｢私達にはその服は着られませんよ？｣
｢え…｣
明らかに子供用のサイズですから…｡
しかも市販の状態じゃ柚琉様には大きいからと小さめに手直しされているんですよ？
｢…そっかぁ…じゃあおにんぎょうあそびだけにする…｣
｢その方がいいですね｣
ぬいぐるみとフィギュアとフィギュア用のドールハウス｡
フィギュアには小道具もついています｡
｢ぼくね､このぴんくのこすきー｣
｢キュアピーチですね｣
｢きゅあー？｣
｢果物の名前がついているそうですよ｡柚琉様も桃はお好きですよね｣
｢うん!!すきー!!｣
野菜はあれだけ頑なに拒否するのに好きなものとなるとパカッと口が開く｡
｢お菓子もジュースもご用意しましたよ｣
｢アニメ再生しましょうか？｣
｢うん!!みるー!!｣
ぬいぐるみを抱っこしたままテレビの前に置かれたクッションに飛び込んだ｡
スライムを加工したクッションなので受け止められますけど…見ているこっちがヒヤヒヤします｡
もし距離を間違ってしまったら床に激突する訳ですし…｡
｢はやく!!はやくー!!｣
DVDを再生し､柚琉様の隣にミニテーブルを置いた｡
お菓子とジュースを置くための｡
ジュースはこぼすことがないように容器に予めストローがついているもので倒れても隙間からも､ストローからも中の物が出ないようになっています｡
｢がんばえー!!｣
アニメの女の子の指示通りしっかり応援なさるのでその場合周りのものは少し遠ざけます｡
興奮して手足をパタパタさせますからね｡
｢おかちー｣
｢チョコとかぼちゃとナッツがございます｣
｢かぼちゃするー!!｣
かぼちゃは…色で分かりますね｡
かぼちゃの形のクッキー｡
ねこの形はココアクッキーにチョコチップ入り｡
ナッツは星型です｡
レーズン入りなんですよ｡
おやつにも少しずつ野菜を紛れ込ませていますが甘ければ食べるようです｡
それなら､と人族の方で売られていたものを真似して野菜チップスを料理人の方が作ったのですがそれはさつまいもとじゃがいも以外なくなりませんでした｡
フライドポテトもお好きだったようですし…芋系統は食べてくださるんですけどね｡
｢ない…｣
｢どうされましたか？｣
｢ふりふりーってするきらきらの｣
｢こちらにございますよ｣
｢ありがとー｣
映画DVDなのでサイリウムを探していたようですね｡
…あれ振らなくても勝ちますけど｡
まぁその辺りを知らない子供だから楽しめるんですよね｡
柚琉様は一生知らないような気がしますが｡