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メイド視点
それから柚琉様の外出をするための訓練が始まった。
正直心苦しいです…。
いつもとは真逆の生活を送らせるため、お昼寝の時間に睡眠魔法で朝まで眠らせます。
「…ん…ぅ…いたぁい…」
「柚琉様…少し揉みほぐしましょう」
お昼寝…10時からおよそ9時まで眠らせているので体に痛みが生じてしまうこともあります。
その場合、湯に付けながら素手でゆっくりと揉みほぐします。
「…おそと…あかるいよ…?ねんねのじかん…」
生活習慣は簡単には変えられず、たくさん眠っているのに外が明るいと知るやいなや柚琉様はまた眠りにつこうとしてしまいます。
それを無理矢理起こさなければならないのが…とっても心苦しいのです!!
「柚琉様、お着替えを致しましょうか」
「ん…」
体を柔らかいタオルで拭き取り、髪についた水分も優しく拭き取っていく。
柚琉様は現在少年であり少女でもあります。
下半身は少年のままなのですが言霊の影響でお胸が膨らみ始めた頃の人族の少女程あります。
今はまだ特別な下着などは必要ないのですが…魔族には下着をつけるという概念があまりないので必要になったら私達メイドで調達をしなければなりません。
「今日はどちらに致しましょう」
ベッドの上に2着の服を並べ、柚琉様に選ばせる。
「…きらきら…したい」
「ではこちらに致しましょうか」
きらきら、というのは柚琉様のお気に入りの髪留めですわ。
小さなダイヤが入っているのですが光を反射し、様々な色を作り出すのです。
「…おなかすいた」
「軽食をお持ち致しましょう」
柚琉様付きのメイドが2人なのには理由があります。
1つ目は旦那様のお眼鏡に叶うのが私達しかいなかったこと。
2つ目は人数が増えれば柚琉様は覚えられなくなってしまうこと。
3つ目は使用人を減らし、その分護衛を増やすことで柚琉様を守ること。
あと、私達は目配せで会話を出来ます。
だって双子ですから。
ちらと片割れの方を見ると心得たと言わんばかりに頷き、部屋を出ていきました。
「どのような髪型にいたしましょう」
「…あのね…ぎゅってするの…」
「はい?」
柚琉様の説明は少々言葉が足りておりませんので想像力が必要になります。
「こんなの…」
髪を2つに分け、ぎゅっと握った。
ああ、ツインテールの事ですか。
「はい、お任せ下さい」
柚琉様用に作られたブラシ、髪留めを使い、柚琉様が望む髪型を作る。
人族の方に行かれるようですしまた新たな髪型を覚えてくるやもしれませんね。
まだ勉強しなければなりません。
「はい、終わりましたよ」
魔道具を使い、髪留めも2つに増やしておきました。
「んー…かわいい?」
「はい、とっても可愛らしいです」
「…えへへ」
かわいいと言うと両手をぷにぷにの頬に当て、笑顔を浮かべる。
「きょうおでかけするかな?」
「今日はまだ訓練では?」
「…はやくおでかけしたいな。いっしょにいこーね」
「はいっ!!」
私達が外に出る分にはなんの問題もありません。
だってこの屋敷の使用人の殆どは人族ですから。
私達はいわば、ご家族の非常食。
といっても…ご家族はお外でお食事なさりますし昔と違って今は簡単に血液を調達出来るようなので滅多に食べられませんけど。
手をつけられたのは片手で数えられる数です。
それも瀕死になるまで吸うのではなく、3分の1程度。
「柚琉様の練習の際は私をお使いくださいね」
「んにゅー?」
柚琉様は理解されていないだろう。
私達は練習台。
今はまだ無理でも…いつの日か柚琉様の牙を突き立て、私の血を飲んでくださいませんか。
「お持ちいたしましたよ」
「わーいっ!!ごはん!!」
それから柚琉様の外出をするための訓練が始まった。
正直心苦しいです…。
いつもとは真逆の生活を送らせるため、お昼寝の時間に睡眠魔法で朝まで眠らせます。
「…ん…ぅ…いたぁい…」
「柚琉様…少し揉みほぐしましょう」
お昼寝…10時からおよそ9時まで眠らせているので体に痛みが生じてしまうこともあります。
その場合、湯に付けながら素手でゆっくりと揉みほぐします。
「…おそと…あかるいよ…?ねんねのじかん…」
生活習慣は簡単には変えられず、たくさん眠っているのに外が明るいと知るやいなや柚琉様はまた眠りにつこうとしてしまいます。
それを無理矢理起こさなければならないのが…とっても心苦しいのです!!
「柚琉様、お着替えを致しましょうか」
「ん…」
体を柔らかいタオルで拭き取り、髪についた水分も優しく拭き取っていく。
柚琉様は現在少年であり少女でもあります。
下半身は少年のままなのですが言霊の影響でお胸が膨らみ始めた頃の人族の少女程あります。
今はまだ特別な下着などは必要ないのですが…魔族には下着をつけるという概念があまりないので必要になったら私達メイドで調達をしなければなりません。
「今日はどちらに致しましょう」
ベッドの上に2着の服を並べ、柚琉様に選ばせる。
「…きらきら…したい」
「ではこちらに致しましょうか」
きらきら、というのは柚琉様のお気に入りの髪留めですわ。
小さなダイヤが入っているのですが光を反射し、様々な色を作り出すのです。
「…おなかすいた」
「軽食をお持ち致しましょう」
柚琉様付きのメイドが2人なのには理由があります。
1つ目は旦那様のお眼鏡に叶うのが私達しかいなかったこと。
2つ目は人数が増えれば柚琉様は覚えられなくなってしまうこと。
3つ目は使用人を減らし、その分護衛を増やすことで柚琉様を守ること。
あと、私達は目配せで会話を出来ます。
だって双子ですから。
ちらと片割れの方を見ると心得たと言わんばかりに頷き、部屋を出ていきました。
「どのような髪型にいたしましょう」
「…あのね…ぎゅってするの…」
「はい?」
柚琉様の説明は少々言葉が足りておりませんので想像力が必要になります。
「こんなの…」
髪を2つに分け、ぎゅっと握った。
ああ、ツインテールの事ですか。
「はい、お任せ下さい」
柚琉様用に作られたブラシ、髪留めを使い、柚琉様が望む髪型を作る。
人族の方に行かれるようですしまた新たな髪型を覚えてくるやもしれませんね。
まだ勉強しなければなりません。
「はい、終わりましたよ」
魔道具を使い、髪留めも2つに増やしておきました。
「んー…かわいい?」
「はい、とっても可愛らしいです」
「…えへへ」
かわいいと言うと両手をぷにぷにの頬に当て、笑顔を浮かべる。
「きょうおでかけするかな?」
「今日はまだ訓練では?」
「…はやくおでかけしたいな。いっしょにいこーね」
「はいっ!!」
私達が外に出る分にはなんの問題もありません。
だってこの屋敷の使用人の殆どは人族ですから。
私達はいわば、ご家族の非常食。
といっても…ご家族はお外でお食事なさりますし昔と違って今は簡単に血液を調達出来るようなので滅多に食べられませんけど。
手をつけられたのは片手で数えられる数です。
それも瀕死になるまで吸うのではなく、3分の1程度。
「柚琉様の練習の際は私をお使いくださいね」
「んにゅー?」
柚琉様は理解されていないだろう。
私達は練習台。
今はまだ無理でも…いつの日か柚琉様の牙を突き立て、私の血を飲んでくださいませんか。
「お持ちいたしましたよ」
「わーいっ!!ごはん!!」
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