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ぬいぐるみ 2
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ママ視点
「ふふ、よく眠ってるわね」
このベッドには軽い睡眠魔法が掛けられているわね。
柚には魔法耐性がないのかしら。
「…このぬいぐるみ…」
「僕達があげたのは1つか2つぐらいだからね。ここまで増えたのは柚の言霊の暴走が原因」
「癇癪起こして武器として大量のぬいぐるみ出して傀儡人形にしてたんだ」
「あの時はやばかったね~ぬいぐるみ壊すと柚が泣いちゃうし」
「そうなの。だからこのぬいぐるみから柚の魔力を感じるのね」
柚の手をぬいぐるみの上に乗せ、そっとベッドから降りた。
「あら?」
私が降りた途端、かいがらの蓋が閉じた。
「昼間勝手に歩き回らないようにね。目が覚めても睡眠魔法でまた眠るようにしてあるし日が落ちてから開くように調整してあるんだよ」
「柚向けのベッドね。直人、家の事任せてごめんなさいね」
「いいよ。どうせ僕がやってるのは経営面だけだし応対は母さんたちの方に送るようにしてたから」
「それぐらいはやるわよ」
直人は問題なさそうね。
翔…はいつも通りだったわ。
夏も元気に学校に行って弟のことも可愛がっているようだし。
「今問題なのは柚だけね…」
「言霊でしょ?今は柚の欲望を満たすためだけに使われてるけど…無意識に発動してるからいつ危険なことになるか」
柚の欲望?
あぁ…ぬいぐるみのことね。
絵本や図鑑の音読でもたまに発動してしまうようだし…。
「…これは翔が躾ける方がいいんじゃないかしら」
「やったよ…でも無理だったから封じてたんだ。もうこうなったら魔王にでも協力を仰ごうかって」
「その方がいいわね。母さんたちからも嘆願書でも送っておくわ」
「ありがと」
今は多感な時期だもの。
色んなことを経験して色んなことを覚えてほしいわ。
「あぁそうそう。柚のお気に入りのお店とかあるのかしら?」
「何か買うの?」
「そんなにぬいぐるみが好きならぬいぐるみ用のものでも揃えようかと思っていたの。前に人族の方に旅行した時に着せ替え人形?ってものがあったのよ」
「ぬいぐるみに服を?いいね。仕立て屋でも呼んで作らせようか」
「柚とお揃いにするのも可愛いと思うわ」
「よし」
「「やろうか/やりましょう」」
その後、仕立て屋を呼び柚の服を見せて同じデザインでぬいぐるみ用の服を依頼した。
「ぬ…ぬいぐるみに…ですか」
「えぇ。まだ変化したばかりの子でも着せられるように簡単に脱ぎ着できるように出来るかしら」
「母さん…もう母さんが言ったら出来るかしらじゃなくてやれって事だけど…」
「そう言ってるのよ」
ふふ。
柚のためならママ頑張っちゃうわ。
「ど…努力致します…」
数日後、数着だけ先に届いた。
「柚いらっしゃい」
「なぁにー?」
使用人に指示を出して届いた服と同じものを柚に着させておいた。
「さっき届いたの。柚のものよ」
「にゅー?」
ラッピングを丁寧に剥がすとぱぁと顔を輝かせた。
「おようふく!!…あれ?ちいさい…」
「誰のものか分かるかしら?」
「んー」
自分でぬいぐるみを抱いているのだけど…気づかないかしら。
「…にゃーちゃんの?」
「正解よ」
早速1着(自分と同じデザインのものを選んだ)をぬいぐるみに着せていた。
「かわいい!!ありがとーまま!!」
「どういたしまして。直人も協力してくれたのよ。後でありがとう言いましょうね」
「あい!!」
その日からぬいぐるみと同じ服を着てご機嫌な柚の姿が度々目撃された。
なので、柚の服はぬいぐるみ用もセットで仕立てられるようになったの。
「ふふ、よく眠ってるわね」
このベッドには軽い睡眠魔法が掛けられているわね。
柚には魔法耐性がないのかしら。
「…このぬいぐるみ…」
「僕達があげたのは1つか2つぐらいだからね。ここまで増えたのは柚の言霊の暴走が原因」
「癇癪起こして武器として大量のぬいぐるみ出して傀儡人形にしてたんだ」
「あの時はやばかったね~ぬいぐるみ壊すと柚が泣いちゃうし」
「そうなの。だからこのぬいぐるみから柚の魔力を感じるのね」
柚の手をぬいぐるみの上に乗せ、そっとベッドから降りた。
「あら?」
私が降りた途端、かいがらの蓋が閉じた。
「昼間勝手に歩き回らないようにね。目が覚めても睡眠魔法でまた眠るようにしてあるし日が落ちてから開くように調整してあるんだよ」
「柚向けのベッドね。直人、家の事任せてごめんなさいね」
「いいよ。どうせ僕がやってるのは経営面だけだし応対は母さんたちの方に送るようにしてたから」
「それぐらいはやるわよ」
直人は問題なさそうね。
翔…はいつも通りだったわ。
夏も元気に学校に行って弟のことも可愛がっているようだし。
「今問題なのは柚だけね…」
「言霊でしょ?今は柚の欲望を満たすためだけに使われてるけど…無意識に発動してるからいつ危険なことになるか」
柚の欲望?
あぁ…ぬいぐるみのことね。
絵本や図鑑の音読でもたまに発動してしまうようだし…。
「…これは翔が躾ける方がいいんじゃないかしら」
「やったよ…でも無理だったから封じてたんだ。もうこうなったら魔王にでも協力を仰ごうかって」
「その方がいいわね。母さんたちからも嘆願書でも送っておくわ」
「ありがと」
今は多感な時期だもの。
色んなことを経験して色んなことを覚えてほしいわ。
「あぁそうそう。柚のお気に入りのお店とかあるのかしら?」
「何か買うの?」
「そんなにぬいぐるみが好きならぬいぐるみ用のものでも揃えようかと思っていたの。前に人族の方に旅行した時に着せ替え人形?ってものがあったのよ」
「ぬいぐるみに服を?いいね。仕立て屋でも呼んで作らせようか」
「柚とお揃いにするのも可愛いと思うわ」
「よし」
「「やろうか/やりましょう」」
その後、仕立て屋を呼び柚の服を見せて同じデザインでぬいぐるみ用の服を依頼した。
「ぬ…ぬいぐるみに…ですか」
「えぇ。まだ変化したばかりの子でも着せられるように簡単に脱ぎ着できるように出来るかしら」
「母さん…もう母さんが言ったら出来るかしらじゃなくてやれって事だけど…」
「そう言ってるのよ」
ふふ。
柚のためならママ頑張っちゃうわ。
「ど…努力致します…」
数日後、数着だけ先に届いた。
「柚いらっしゃい」
「なぁにー?」
使用人に指示を出して届いた服と同じものを柚に着させておいた。
「さっき届いたの。柚のものよ」
「にゅー?」
ラッピングを丁寧に剥がすとぱぁと顔を輝かせた。
「おようふく!!…あれ?ちいさい…」
「誰のものか分かるかしら?」
「んー」
自分でぬいぐるみを抱いているのだけど…気づかないかしら。
「…にゃーちゃんの?」
「正解よ」
早速1着(自分と同じデザインのものを選んだ)をぬいぐるみに着せていた。
「かわいい!!ありがとーまま!!」
「どういたしまして。直人も協力してくれたのよ。後でありがとう言いましょうね」
「あい!!」
その日からぬいぐるみと同じ服を着てご機嫌な柚の姿が度々目撃された。
なので、柚の服はぬいぐるみ用もセットで仕立てられるようになったの。
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