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両親 2

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夏羽視点

「ただいまー!!」
「「「「おかえり」」」」
「おかえりーなつにぃにー」
急いで学校から帰ると柚が久しぶりに喋ってた(後なんか父さんとかあさんいた気がする)。
「なつにぃに、ぎゅーしてー」
「ぎゅー!!」
柚はこうやってぎゅーってするのが大好き。
「おみみ!!おみみとしっぽ!!」
「分かったから。ちょっと待っててね~お風呂入ってくるから」
「ぼくも!!」
「分かった…夏、柚のことよろしくね」
「はーい」
柚は夏のふわふわの耳とふわふわのしっぽもだいすき。
夏は父さんに拾われたの。
奴隷商人に連れていかれそうになったところを保護されて吸血鬼にしてもらったんだよ~。
だから夏には狼の耳としっぽがあるの。
父さんと母さんの実の子は翔兄さんと直人兄さんだけなんだって。
「なつにぃにーはやくー」
「はいはい」
脱衣所に入ると柚はもう使用人の手を借りて服を脱ぎ始めていた。
柚の服は可愛く見えるようにって実用性より見た目重視だから1人じゃ着替え出来ないんだって。
前に1人で着替えられるやつも用意して選ばせてみたらしいけどいつもの服を選んだって。
「なつにぃにー!!」
「今行くから」
服脱ぐのが遅いって怒られちゃった。
柚は先にお風呂の玩具でも持って行って遊んでるかな。
「にゅー」
「柚、今日は何にしたの?」
「がーくん!!」
「…そっか」
違いがわからないけど柚のアヒル軍隊は一人一人名前があるらしい。
毎日1匹か2匹連れてくるんだけど今日はがーくんの日だって。
「がーくんはね、たいちょーさんなの」
「帽子かぶってるから?」
「ねくたい!!」
そっち!?
帽子かぶってるのは1匹しかいないからそれで隊長になったかと思ったのに。
「おしゃべり出来て楽しい?」
「あい!!ことだま?がんばる!!」
「制御を頑張るんだよ?」
「あい!!」
そろそろ出ないと柚が逆上せちゃうかな。
流水が苦手(かもしれない)柚のためにうちのお風呂は入るだけで汚れも全て落としてくれるものに変えた。
「これでホコリは落とせたはず…」
「ぎゅーしていい?」
「うんいいよ」
服を着ている間後ろのしっぽを好きにさせてあげた。
柚の服は使用人が着せてるししっぽは自在に動かせるからね。
「柚琉様、前を閉じますよ」
「んーやー」
「やーではなく…」
あー…しっぽ捕まった。
しかも体に押し付けるようにして抱きしめてるから使用人が困ってるし。
「柚、離してくれないとにぃにズボン履けないな」
「うー…」
名残惜しそうに離された。
…後でまた遊ばせてあげるからちょっとだけ待って。
夏がズボンを履いている間に使用人が柚の服のボタンを止めてた。
「ほら、おいで」
ズボンを履き終え、柚のボタンも閉じられたところで手を広げた。
「ぎゅー!!」
「父さんと母さんに会ってどう感じた?」
「まま、あまいのくれた」
「へぇ…母さんが。珍しいね」
「ままのふにふにぱぱにとられたー!!」
「…柚それはちょっと我慢しようか」
「ふにふにー…」
「父さん…譲ってくれるかな。仕事中…あ、ダメだ母さん連れてかれる」
「ふぇー?」
言葉を封じておいた時の癖なのか言葉になってない鳴き声をあげる。
可愛い。
「ままねーぱくしたのー」
「え!?」
「でもねーできなかったのー」
「…だろうね」
柚の牙はまだ未発達でこの時期に無理をすると折れちゃったり抜けちゃったりするから…。
「にぃにー」
「なぁに?」
「らいしゅきー!!」
「夏も柚のこと大好きだよ」
「りょーおもいー?」
「そうだね」
…柚どこから言葉を覚えてくるんだろ。
本?
それとも使用人の会話?
…あのサキュバス達に教えられてた?
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