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誕生 2
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直人視点
「ふぅ…」
柚を部屋に届けてやっと一息つけた。
あと数分もすればベッドボードに仕掛けた睡眠魔法が作動する。
「よっと」
「兄さんおかえり」
柱の影から兄さんが現れた。
多分帰宅時間の短縮のために魔王城からここまで飛んできたんだと思う…一応魔王お抱えの魔法士だからね。
家族第一に考えてるけど。
「柚は?」
「今部屋に届けたよ。また部屋の中散らかしてた。…どっかの魔法陣狂っちゃうといけないからもっと掃除の回数増やさないと」
「柚の部屋は格子と遮光の魔法陣付けてるよな…カーテンも分厚いの使ってるけど…昼間は寝てないとキツいか」
「さぁね。まだ試したこともないから。でも…もし大怪我なんてしたら可哀想だし」
「だな…今まで通りにんにくと十字架は遠ざけさせるか」
「お風呂は大丈夫だけど…水は嫌いみたい」
この間人族の間でよくやるっていうプールを用意したんだけど嫌だって言って近寄ろうともしなかったんだよね。
「柚の言葉は奪ったままなんだろ?」
「本人は怒ってるけど…また無自覚で言霊使われても困るからね」
「吸血鬼が言霊…本当に最強の吸血鬼になりそうで怖いな。今は大丈夫だが…いつかは力の使い方を教えないと不味いな」
「それは僕と夏でやっておくよ。兄さん仕事は?」
「任せてきた」
…だよね。
こんなに早く帰宅できるはずないもんね…。
兄さん自分に勝てる人が魔王ぐらいしか居ないのをいいことに勝手に帰ってくるんだ。
魔王城も兄さんはかなり優秀だから自分の内に留めておきたいみたいで見て見ぬふりをしてるし。
「そろそろ人族との交流あるよね。そっちはどうするの?」
「いつも通り家の代表は父さんと母さんに任せる。隠居してるといってもあの2人はかなり人族に恩を売っているし」
「…確かに2人が行くと絶対こっちの要求通るけど…」
「…それに隠居の理由がアレなんだ。これぐらい許されるだろ」
「あー…」
子供も大きくなったし2人きりになりたいって言ったよね。
うん、確かに許される。
というか絶対許してもらう。
「柚のことは話した?」
「魔鳩を飛ばしただけだな。それから連絡ないし」
「いつもは返信かえってくるのに…なんか不思議だね」
「何かありそうだよな…」
嫌な予感がする時は大抵当たる…。
といっても小さなことばかりだけど。
使用人が怪我するとか夏が忘れ物するとか。
本当に嫌な予感が当たった。
「…おかえり…父さん…母さん…」
リビングに両親がいた。
優雅にお茶飲んでるけど…いつ来たの?
気配すら読めなかったんだけど?
「ただいま」
「私たちの新しい息子はどこかしら?」
「今は寝てる…昼寝って言ってこの時間は寝かしつけてるんだ。昼じゃないけど」
「真夜中だもんね。それにしても翔が…ねぇ」
「一番自分で仲間を作るだなんてありえないと思ったのに」
「悪いかよ。家に入れたのは直人だからな」
「えっ!?…あんな小さい子がサキュバスなんて変態に捕まるのがオチかと思って…」
飢える…ことはなさそうかな?
女性体のサキュバス達が一緒にいたし…でもうちに案内されてきたってことは今の状況を予想してのことだろうし。
「後で見せてね?」
「隠すなんてしないわよね?」
「わ、わかった…」
「お…起きたらね…」
久しぶりに両親の圧を感じました。
「ふぅ…」
柚を部屋に届けてやっと一息つけた。
あと数分もすればベッドボードに仕掛けた睡眠魔法が作動する。
「よっと」
「兄さんおかえり」
柱の影から兄さんが現れた。
多分帰宅時間の短縮のために魔王城からここまで飛んできたんだと思う…一応魔王お抱えの魔法士だからね。
家族第一に考えてるけど。
「柚は?」
「今部屋に届けたよ。また部屋の中散らかしてた。…どっかの魔法陣狂っちゃうといけないからもっと掃除の回数増やさないと」
「柚の部屋は格子と遮光の魔法陣付けてるよな…カーテンも分厚いの使ってるけど…昼間は寝てないとキツいか」
「さぁね。まだ試したこともないから。でも…もし大怪我なんてしたら可哀想だし」
「だな…今まで通りにんにくと十字架は遠ざけさせるか」
「お風呂は大丈夫だけど…水は嫌いみたい」
この間人族の間でよくやるっていうプールを用意したんだけど嫌だって言って近寄ろうともしなかったんだよね。
「柚の言葉は奪ったままなんだろ?」
「本人は怒ってるけど…また無自覚で言霊使われても困るからね」
「吸血鬼が言霊…本当に最強の吸血鬼になりそうで怖いな。今は大丈夫だが…いつかは力の使い方を教えないと不味いな」
「それは僕と夏でやっておくよ。兄さん仕事は?」
「任せてきた」
…だよね。
こんなに早く帰宅できるはずないもんね…。
兄さん自分に勝てる人が魔王ぐらいしか居ないのをいいことに勝手に帰ってくるんだ。
魔王城も兄さんはかなり優秀だから自分の内に留めておきたいみたいで見て見ぬふりをしてるし。
「そろそろ人族との交流あるよね。そっちはどうするの?」
「いつも通り家の代表は父さんと母さんに任せる。隠居してるといってもあの2人はかなり人族に恩を売っているし」
「…確かに2人が行くと絶対こっちの要求通るけど…」
「…それに隠居の理由がアレなんだ。これぐらい許されるだろ」
「あー…」
子供も大きくなったし2人きりになりたいって言ったよね。
うん、確かに許される。
というか絶対許してもらう。
「柚のことは話した?」
「魔鳩を飛ばしただけだな。それから連絡ないし」
「いつもは返信かえってくるのに…なんか不思議だね」
「何かありそうだよな…」
嫌な予感がする時は大抵当たる…。
といっても小さなことばかりだけど。
使用人が怪我するとか夏が忘れ物するとか。
本当に嫌な予感が当たった。
「…おかえり…父さん…母さん…」
リビングに両親がいた。
優雅にお茶飲んでるけど…いつ来たの?
気配すら読めなかったんだけど?
「ただいま」
「私たちの新しい息子はどこかしら?」
「今は寝てる…昼寝って言ってこの時間は寝かしつけてるんだ。昼じゃないけど」
「真夜中だもんね。それにしても翔が…ねぇ」
「一番自分で仲間を作るだなんてありえないと思ったのに」
「悪いかよ。家に入れたのは直人だからな」
「えっ!?…あんな小さい子がサキュバスなんて変態に捕まるのがオチかと思って…」
飢える…ことはなさそうかな?
女性体のサキュバス達が一緒にいたし…でもうちに案内されてきたってことは今の状況を予想してのことだろうし。
「後で見せてね?」
「隠すなんてしないわよね?」
「わ、わかった…」
「お…起きたらね…」
久しぶりに両親の圧を感じました。
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