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甘い執着 - 2
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家に帰って叶衣の部屋にいると、彼が僕のそばに寄ってきた。
「真紘~俺もさ、学校の購買のご飯食べてみたい」
「え、なんで?」
「いや、いつも圭が食べてるパンとかも、おいしいんじゃないのかな~って思って…。あ、別に真紘のご飯がやな訳じゃなくて、ちょっと興味があるだけで…」
だんだんと言葉が尻すぼみになってくる。
「…別にいいけど、叶衣はフォークだからおいしくは感じないと思うよ?」
「あ、そっか、そうだよね…いつも真紘が作ってくれてるご飯がおいしいから忘れちゃってた!ごめん、」
俺はフォークで、真紘はケーキ。そう彼はつぶやいた。
「僕も強く言っちゃってごめんね。でも、叶衣はケーキの僕が作ったものじゃないとおいしく感じられないでしょ?」
「そうだね、だったら真紘がケーキでよかった!あ、でもケーキは危ないのか…」
「ははっ、僕は大丈夫だよ。ていうか、叶衣のためになれてるんだったら僕は嬉しい」
「っ~ありがとう!真紘っ」
彼が僕の胸に頭を落としてきた。僕は彼の頭を軽くなでた。
学校から帰ってきていつものように叶衣の部屋にいると、テレビでフォークとケーキの事件について報道されていた。
「なんでフォークはケーキにケガをさせたりしちゃうんだろうね、俺と真紘みたいにすれば一緒にいられるのに」
彼はテレビを眺めながら心底不思議そうに言った。
「きっと、ずっと我慢してたんだよ。でも、食べたくなっちゃったんじゃない?ずっとケーキと一緒にいて食べちゃわないのはきっと叶衣くらいだよ」
「でももうあんまり覚えてないし…」
少し笑いながら叶衣に答える。
「じゃあ、また食べてみたら美味しかったかどうかわかるんじゃない?」
「真紘~俺もさ、学校の購買のご飯食べてみたい」
「え、なんで?」
「いや、いつも圭が食べてるパンとかも、おいしいんじゃないのかな~って思って…。あ、別に真紘のご飯がやな訳じゃなくて、ちょっと興味があるだけで…」
だんだんと言葉が尻すぼみになってくる。
「…別にいいけど、叶衣はフォークだからおいしくは感じないと思うよ?」
「あ、そっか、そうだよね…いつも真紘が作ってくれてるご飯がおいしいから忘れちゃってた!ごめん、」
俺はフォークで、真紘はケーキ。そう彼はつぶやいた。
「僕も強く言っちゃってごめんね。でも、叶衣はケーキの僕が作ったものじゃないとおいしく感じられないでしょ?」
「そうだね、だったら真紘がケーキでよかった!あ、でもケーキは危ないのか…」
「ははっ、僕は大丈夫だよ。ていうか、叶衣のためになれてるんだったら僕は嬉しい」
「っ~ありがとう!真紘っ」
彼が僕の胸に頭を落としてきた。僕は彼の頭を軽くなでた。
学校から帰ってきていつものように叶衣の部屋にいると、テレビでフォークとケーキの事件について報道されていた。
「なんでフォークはケーキにケガをさせたりしちゃうんだろうね、俺と真紘みたいにすれば一緒にいられるのに」
彼はテレビを眺めながら心底不思議そうに言った。
「きっと、ずっと我慢してたんだよ。でも、食べたくなっちゃったんじゃない?ずっとケーキと一緒にいて食べちゃわないのはきっと叶衣くらいだよ」
「でももうあんまり覚えてないし…」
少し笑いながら叶衣に答える。
「じゃあ、また食べてみたら美味しかったかどうかわかるんじゃない?」
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