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姫様、謀られる
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「サーシャ、この結婚の話は無くなったんだ。 ルシュルト王子はメリバルリ王国の姫と一足先に話がまとまってしまったんだ」
「えっ…? どうして… ? どういう事ですの……? 」
思いもよらない展開に頭が真っ白になる。
「メリバルリ王国の姫がルシュルト王子に執心していたようで、その熱意に王子も折れてしまったようだ。もう少し早く私がロワーヌ王国に向かっていれば良かったのだが、マルキシュタン公国で少し手間取ってしまってね。サーシャ、本当に申し訳ない」
アンドレイはサーシャの手を握り頭を下げる。
「そ……ん…な……」
思わず大粒の涙が頬を伝う。
「涙を拭きなさい、サーシャ。もっと良い相手を私が探してあげるから」
「嫌! ルシュルト王子じゃないと、嫌です! 結婚はルシュルト王子じゃないと嫌です!」
サーシャは泣きながら頭を振る。
「サーシャ、ルシュルト王子とは一度しか会ってないのだろう? 向こうも違う相手を選んだという事は、その程度の愛だったのだ。そんな王子は早く忘れなさい」
アンドレイはサーシャを腕の中に抱き込んで、宥めるように頭を撫でる。
「嫌! 嫌です! ルシュルト王子を忘れたくありません…… 」
泣きながら掌を握り締めてアンドレイの胸を強く叩くと、
「サーシャ、ならば私が一晩かけて忘れさせてやる」
嗚咽混じりのサーシャの唇を、アンドレイの熱い唇が襲う。さっきまで鳴りを潜めていたアンドレイの傲慢さが再び顔を出した。
「えっ…? どうして… ? どういう事ですの……? 」
思いもよらない展開に頭が真っ白になる。
「メリバルリ王国の姫がルシュルト王子に執心していたようで、その熱意に王子も折れてしまったようだ。もう少し早く私がロワーヌ王国に向かっていれば良かったのだが、マルキシュタン公国で少し手間取ってしまってね。サーシャ、本当に申し訳ない」
アンドレイはサーシャの手を握り頭を下げる。
「そ……ん…な……」
思わず大粒の涙が頬を伝う。
「涙を拭きなさい、サーシャ。もっと良い相手を私が探してあげるから」
「嫌! ルシュルト王子じゃないと、嫌です! 結婚はルシュルト王子じゃないと嫌です!」
サーシャは泣きながら頭を振る。
「サーシャ、ルシュルト王子とは一度しか会ってないのだろう? 向こうも違う相手を選んだという事は、その程度の愛だったのだ。そんな王子は早く忘れなさい」
アンドレイはサーシャを腕の中に抱き込んで、宥めるように頭を撫でる。
「嫌! 嫌です! ルシュルト王子を忘れたくありません…… 」
泣きながら掌を握り締めてアンドレイの胸を強く叩くと、
「サーシャ、ならば私が一晩かけて忘れさせてやる」
嗚咽混じりのサーシャの唇を、アンドレイの熱い唇が襲う。さっきまで鳴りを潜めていたアンドレイの傲慢さが再び顔を出した。
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