淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

姫様、謀られる

5

アンドレイお義兄さまと踊った後、懸命に王子の姿を探したけれど、とうとう二度とルシュルト王子の姿を見つける事が出来なかった。

　その日から、サーシャはまるでお砂糖菓子の魔法をかけられたみたいに心がふわふわと甘く浮いていた。 侍女に命じて、ロワーヌ王国の記述が書かれた本を取り寄せると、毎晩、お伽の国のように美しいロワーヌ王国の風景の挿絵を眺めて眠りにつき、 そして、夢の中で会うルシュルト王子は、純白のウェディングドレス姿のサーシャに優しく微笑みかけて、キスをしてくれるのだった。

　毎日毎日、ルシュルト王子の事を想っては、ため息をつく、そんな日々を過ごしていたある日、サーシャを訪ねてロワーヌ王国から一人の使者が小包を携えてやって来た。

　はやる心を抑えて包みを開けてみると、花弁が真っ赤な宝石で出来た、美しい花のジュエリーと共に、メッセージカードが添えられていた。

　そこには、ルシュルト王子の直筆でこう書かれていた。

『サーシャ姫に会ったあの日から、私のあなたへの愛は、この花のように赤く燃えています。貴女様ならきっと我が国の美しき薔薇となられることでしょう。私と国民一同、貴女様を心より温かくお迎えいたしたく存じます。

　良き返事をお待ちしております。
　
　　　　　　　ルシュルト』