【R18】拳銃と犬 〜御曹司とボディーガードの淫らな関係

瀬能なつ

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京介編

10 ❤️

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「怪我人はどこですか?!」

万が一に備えて、会場に待機していた警官や救護班が、事件を受けてすぐに、撃たれた山佐のところに駆けつけてきた。

白衣を着たドクター達が必死で心肺蘇生を行うも、既に顔を紫色にし、冷えた体の山佐の心音が戻る事は無く、怒りと悔しさで京介は拳を握りしめる。

「残念ながら……」と彼らは京介に頭を下げると、山佐の遺体を毛布にくるみ、手早く何処かへと運んで行った。

山佐の死を悲しんでいる間もなく、バックヤードで警備の指揮を執っていた京介に、嗣春から電話が入る。

「京介か? 今、尊と会場を出た」

山佐と京介が撃たれたあの後、京介は嗣春にすぐに尊と共に会場を出るように伝えていた。

山佐を襲った暴漢は既に会場から逃げ出しているだろうが、それでも万が一を考えて尊を安全な場所に避難させておきたかった。


「これから俺と尊は親父の墓参りに行く」

嗣春の電話はそう言って切れた。



その夜、深夜を回ってから、嗣春は泥酔した尊を抱えるようにして帰って来た。

玄関の車寄せに着いた黒塗りの車から、意識が無くピクリとも動かない尊を、嗣春は半ば引きずり出すようにして下ろすと、使用人たちが手を貸そうと駆け寄って来たが、嗣春はそれを遮った。

それはまるで、尊の体を誰にも触らせたくないとでも言いたげだった。

そのまま肩で尊を支えるようにして抱え、寝室まで運び込む。

執事の実野からミネラルウォーターのボトルを受け取り、心配そうな顔をしている京介に、
「尊の部屋のカメラを切ってくれ」
とだけ言って、嗣春はバタンと尊の寝室のドアを閉めた。

京介は自室に戻り、言われた通りモニターの画面を切ろうとスイッチに手を伸ばしたところで、映し出された画面に釘付けになる。

嗣春はベッドの上に身を投げ出すようにして寝こんでいる尊に覆い被さってキスをしていた。

そのまま、尊が身に着けていた家紋入りの黒いネクタイをシュルリと外し、袖にネームの刺繍が入った真っ白な高級棉のシャツのボタンを全て外していく。

喪服の上が脱がされると、酒で桜色に染まった、磁器のように滑らかな尊の肌が露わになった。

自分も着ていた服を全て取り払った嗣春は、円を描くように尊の肌を暫く撫で回していたが、やがてその手は尊の黒いズボンのベルトへと伸び、カチャカチャと音を立ててそれを外すと、下着ごとまとめて一気にずり下げて脱がす。
 
下腹部を視界に晒されても、ぐったりと寝込んでいる尊は、目を覚ます気配は一向に無かった。

尊の脚をそっと開いて、嗣春はその間に入り込むと、持ち主と同様にクタンと寝ている形の良い尊のペニスを掴み、おもむろに口に頬張る。

じっくりと味わうようにして、ジュルっジュルルっと暫く口から丁寧に出し入れをしていたが、一向に固く立ち上がらないのを見て、諦めて口から離す。

次に嗣春の右手はそろりと尊の蕾の方へと伸ばされ、ツプリと音を立てそうな勢いで中指を一本、突き立てる。

クルクルと円を描くようにしながら暫く出し入れをしていたが、それでも無反応な尊の寝顔を窺いつつ、更に二本、三本と指を増やして淫部を解してゆく。


尊の体が、嗣春の長い指を淫らに呑み込んでゆくのを見て、モニターで覗いていた京介は、思わずゴクリと喉を鳴らす。

覗き見のような事などしてはいけないと分かってる。

しかし、目の前で行われている淫らな遊技から、視線を外すことなど到底出来なかった。


モニターの向こうでは、嗣春が三本の指が滑らかに出入りするのを確認すると、一度体を起こし、ベッドサイドの引き出しから、ジェルの入ったチューブを一本取り出す。

自身の既に凶暴なほどに怒張したペニスにタップリとジェルを塗りつけると、尊の蕾にピタリと押し当てて、グイッと先端を埋め込む。

指でほぐしても尚、尊のそこはキツいのか、嗣春は少し苦しそうに顔を歪めて、はぁっはあっと肩で荒い息をする。

阻む壁をこじ開けるようにグイグイと押し進め、根元までズッポリと埋め込むと、体を馴染ませるために、尊の上に覆い被さって、しばらくじっとしていたが、尊が無意識に「んん…」と首を振ると、嗣春は体を起こして尊のスラリとした脚を持ち上げ、抽送を開始する。

初めは寝ている尊を気遣うように、優しく揺さぶっていたが、嗣春自身が堪えきれなくなり、やがて、ズブっ…ズブっと奥まで抉るように力強く腰を打ちつけはじめた。

鎧のように盛り上がった筋肉で覆われた、嗣春の熱い身体。その胸に、背中に、玉のような汗が浮かび、流れ落ちる。

「っ… ああっ… 」

強く揺さぶられたせいで、意識をぼんやりさせながら、尊が目を開け、
「…父さ…ん 」と呟く。

嗣春は表情を険しくすると、勢い良く尊にガバッと覆い被さり、

「今、お前を抱いているのは“嗣春”だ! 尊、俺の名前を呼べ!」

魂を絞り出すような唸り声を尊の耳元で上げる。

「…っ、つ…ぐ…春… 」

あぁっ、と尊は涙を浮かべ、喉を反らせて、はぁっはあっ…と喘ぐ。

ツーっと流れ落ちた尊の涙を嘗めとるようにしてキスをすると、嗣春は楔を打ち込むように、よりいっそう強く腰を尊に打ちつける。

「あ…っ ああっ…」
嗣春に体の奥を擦られる度に、尊の体は快楽でビクンビクンと震えた。

「つぐ…春… もう… いき…そう…」

求めるように尊の両手が持ち上がって空をさまよい、白魚のようなその手を嗣春は取ると、手の甲にキスを与えてから上体を倒し、二人の体をピタリと密着させる。

「っ…やぁ… ああ…っ 」

深く繋がる体勢になると、尊の喘ぎ声はより一層に大きくなり、小刻みに揺らし続けていた嗣春の腰に足を絡ませて、嗣春が離れていかないようグイッと力を込め、自らも腰を揺らして喘ぐ。

見たこともない尊の淫らな格好に、京介は呼吸する事すら忘れて、ひたすら画面に釘付けになっていた……

「尊、そんなにグイグイ締め付けるな… 」

モニターの向こうで、苦しそうに嗣春が呟く。

涙を流しながら必死でしがみついて来る尊を抱きかかえながら、最後のラストスパートに向かって嗣春は大きく腰を打ち込む。

「あああっ…! 」

何度目かに熱く硬い芯を深く打ちつけられた瞬間、尊の体がビクンビクンと弾むと、形の良いペニスから、ビュッと白い蜜が飛び出し、臍の辺りを淫らに濡らした。

先に達してガクンと意識を失っている尊の唇にキスをすると、嗣春もまた腹の底からの呻き声を出して達し、己の熱い飛沫を尊の中に注ぎ込んだ。

荒く息をして体を震わせている二人を見ていた京介は、ハッとして慌ててモニターのスイッチを切る。

美貌の兄弟達の、禁断の秘め事ーー

見てはならぬものを覗き見をしてしまった罪悪感を振り払うかのように、京介はドスンとベッドに倒れ込む。

しかし、京介の前は既にパンパンに膨れ、ズボンを押し上げるようにして、痛いほどに立ち上がっていた。    

くそっ… !


京介は慌ててバスルームに駆け込むと、ズボンのジッパーを下ろし、取り出した屹立を自身の右手で勢い良く扱いて精を放出する。

「ッ… ハァッハァッ… 」

タイル張りの冷たいバスルームに、京介の荒い息が響く。

尊達のあんな淫らな痴態を見てしまったら、誰だって理性なんか飛んでしまう……

ブルンと身体を震わせて全てを出し切った京介は、よろよろとしながら、自分のベッドに再び倒れ込む。

目を閉じても、ほんのりと桜色に染まった尊のエロティックな肌が脳裏に浮かび、涙交じりの喘ぎ声が耳に残っていて、なかなか寝付けなかった。

二度、三度寝返りを打っても興奮した体は収まらず、仕方なくキッチンで酒でも飲んで眠るかと、部屋を出る。

キッチンに隣接したプライベートリビングを通ると、そこではさっきまで尊の寝室にいた嗣春が、ガウンを着て長ソファで一人酒を飲んでいた。

気まずさから、京介は嗣春に声をかけずに通り過ぎようとすると、

「京介ェ、来いよ。一緒に飲もうぜ」

京介に気がついた嗣春が、手招きをする。

かなり酒が入っているのか、やや呂律が回っていなかった。

京介が躊躇していると、

「ンだよ、俺と酒が飲めないってのかよ」

トロンとした目で嗣春が睨みつけてくる。

「絡むなよ……」

仕方なくキッチンの食器棚から、ずっしりと重いバカラのクリスタルグラスを取り出すと、ベロンベロンに酔っている嗣春へと近寄る。

「こっち…来ぃ」 

嗣春は自分の隣をポンポンと叩く。

ったくこの兄弟は。

京介は悪態をつきながらも、ガウンの胸元を大きく開けた嗣春の隣に座ると、体躯の良い嗣春の体からは、アルコールと、アンバーの香りの香水とが混ざり合って、むわんと艶めかしい雄の色気が発せられていた。

相当に酔っているのと、激しい情事の後のせいで、いつもはきちんと整っている髪も、今は無造作に崩れ、はらりと顔にかかっていたが、それが一層この男の端正なマスクを魅力的に見せていた。

この身体がさっきまで尊を抱いていたのかと思うと、変に意識してしまう反面、男として到底、敵わないと諦めの境地にもなる。

嗣春は腕をまわしてガシッと京介の肩を掴むと、数十万はする、レミーマルタン ルイ13世を惜しげもなく京介の手元のバカラのグラスになみなみと注いだ。

献杯けんぱい

嗣春は自分のグラスを掲げ、グイッと琥珀色の液体を喉に流し込む。

(あぁ、今日は法要だったからな……)

亡くなった山佐を思い出しながら、京介も

「献杯」

とグラスを目線に上げて最高級のコニャックを口にする。

「なぁ京介、見てたんだろ。俺達のセックス」

不意に耳元で嗣春のハスキーな声に囁かれて、たった今、口に含んだばかりの液体を京介はゲフッと吹き出しそうになる。

どう答えてよいか分からず、無言でそっぽを向いてグラスに口をつけていると、さらに嗣春は言葉を続ける。

「京介、尊を抱いてやって欲しい」

驚いた京介は、今度こそゲホッ、ゲホッと口から香りの良いコニャックを吹き出す。

「な、何を言って…… 」

「ただし、抱くのは、あいつに抱いて欲しいと頼まれてからだ。お前が勝手にあいつを襲ったら、殺すぞ」

嗣春は獰猛な獅子のように凄む。

「嗣春、だから何の話だ」

「まぁ殺すってのは冗談だがな」

いや、今、絶対に顔がマジだったぞ。一之瀬の人間がその台詞を言うのはシャレになんねぇよ。

京介は頭を混乱させながら、吹き出したコニャックを手で拭う。










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