【R18】拳銃と犬 〜御曹司とボディーガードの淫らな関係

瀬能なつ

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京介編

15 ❤️

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 ベッドの真ん中に横たわっている尊を見下ろしながら、京介はゆっくりと尊のパジャマのボタンを外してゆく。

 全てを外し、恐る恐る開いて、尊の肌を視界にさらすと、その美しさに、京介は思わず息をのむ。

 それはまるでガラスの箱に入った、繊細で、触れれば壊れてしまいそうな芸術作品のようで、神々しさすらあり、京介は惚けたように、しばらくじっと尊の姿を眺め続けた。

「京介……?」

 京介に見つめられている事に気がついた尊は、顔を赤らめて、すこし困惑の表情を浮かべる。

 はっとした京介が、やがて、自分の身につけている服も脱ごうとYシャツのボタンに手をかけると、尊が京介のその手を押さえる。

 尊の手は、まるで京介が、またどこかへと行ってしまうのを恐れるかのように、さっきからずっと京介のネクタイを握ったままで、離そうとしなかった。

「社長、これを外さないと」

 そう言っても、尊は首を横に振って、手をどけない。

 京介は諦めて、Yシャツは残したまま、自分のズボンと下着を取り払って、体重をかけないようにしながら、そっと尊と肌を重ねる。

 勃ちあがった己自身を、尊の形のよいペニスに擦り付けると、尊は小さく呻いて京介の腕の下で、「…あ…ん……」と可愛いらしい喘ぎ声を出した。

 京介は、恥ずかしそうに小さな声で喘ぎ声を出す尊を腕に抱えて抱きしめながら、腰を大きく動かし、まるで疑似SEXのように互いを高めあう。
 やがてムズムズと射精感が腰の辺りに湧き上がって来た。

 このまま、尊の腹の上に出してしまおうかと、そう思いかけたその時、
「京介、中に挿れて……」
 ねだるような甘い声の尊に言われ、京介は覚悟を決める。

 しかし、初めてでどうしたら良いのか分からない、そう戸惑っている京介の心を読むように、尊は京介の手を取り、自分の後孔に京介の指を沿わせた。

「ここを、少しほぐして……」

「あ、あぁ」

 以前に嗣春がしていた手順を思い出しながら、そっと中指を差し入れると、「あぁ……」と恥ずかしそうに尊の体が揺れる。

 ギュッときつく絡みつくヒダを指に感じると、それだけで、京介の下腹部は爆ぜそうになる。

「社長のここ、凄く熱い……」

 興奮で、京介の声は掠れる。

 気がつけば、汗が噴き出すように全身から流れ出て、京介の筋肉質の体をじっとりと湿らせた。

 京介の指が動く度に、尊の腰が艶めかしく揺れる。
 暗闇のなかの僅かな光の中で、ぼんやりと浮かび上がる尊の体を抱きしめながら、気がつけば、二本、三本と、京介は夢中で指を抜き差しをしていた。
 やがてそこは柔らかくなり京介を受け入れる準備が整う。

 京介が一度体を起こすと、京介がどこかへと行ってしまうのではないかと思った尊が、不安そうな表情で、「いかないで……」と京介のネクタイをグイと引っ張る。

「どこにも行きませんよ、社長。ジェルを取るだけです」
 優しくそう言うと、京介のネクタイをぎゅっと掴んでいた尊の手にそっと重ねて、それから尊の手を優しくネクタイから引き剥がす。

 尊の瞳が不安に揺れ、それから意を決したようして、京介のネクタイから手を離す。

「社長……」

 京介は尊のおでこに一度キスを落とすと、それから、体を起こして、サイドボードに手を伸ばして、ジェルのボトルを取り出す。

「これ、お借りします」

 そう言うと、尊は、

「それ、僕のじゃないです。嗣春のです」

 と恥ずかしそうに顔を赤らめ、ぷいと横を向く。

「この期に及んでも、自分のものでないと言い張るなんて、可愛い人ですね」

 京介はそう言って、尊の体を抱き寄せて、林檎のように赤い唇に力いっぱいのキスをする。

「あ…ん… 京介…」

 尊とキスをしながら、京介はとうとう、自分の体にまとわりついていたネクタイとシャツを取り去る。

 浅黒く、日に焼けた、引き締まった京介の裸体が現れると、尊は潤んだ瞳で、京介の体をうっとりと眺めた。

「京介の体、思っていた通りです……」

「私の事を想像してたんですか?」

「時々……」

 尊は品の良い微笑みを唇に浮かべる。

「想像の中で、私と社長は何をしてたんですか?」

 尊の耳元で京介が囁くと、

「これから僕たちがする事……」

 尊は誘うように、その白い足をゆっくりと開く。

 京介はゴクリと喉を鳴らすと、急いでジェルをたっぷりとチューブから取り出して、怒張した己のペニスに万遍なく塗りたくる。

「社長、挿れます」

 そう尊に告げると、尊は嬉しそうにコクンと小さく頷く。
 京介は自身を持ち上げて、そっと尊の蕾に当てて、ゆっくりと、そして力強くグイと押し込む。

「ああ……」

 待ち望んでいた京介が入って来た事に、尊の体は嬉しそうに震える。

「社長のここ、ギチギチで凄くキツイ…… 少し力抜いてもらえますか……?」

「力、ぬいてる……」

 尊は大きくフーッと息を吐く。それでもソコは固く閉じて京介の茎の太い根元をガッチリと締め付ける。

「痛いですか?」

 気遣うように京介が問うと、

「大丈夫。ゆっくり動いて。京介」

 尊はうっとりとした表情で答える。

 京介は尊の締め付けに耐えながら、歯を食いしばってゆっくりと腰を動かす。

 流れ落ちた汗が、ポタリポタリとシーツに染みを作った。

 少しでも気を抜けばあっという間に達しそうで、京介はハァハァと必死で耐える。

「すみま…せん…… 社長…、もう…イキそ…うです……」

 早くもギブアップの様子を見せた京介に、

「こんなに早く出すのは許さない」

 尊は京介をからかうようにクスリと笑って、腕を京介の首に巻き付ける。

「っく……」

 尊が不意に動いたせいで、ナカに入っていた京介のペニスが擦れ、京介は再び呻く。

「京介、気持ちいいです……」

 尊がうっとりとした表情で腰をゆるゆると動かした瞬間、
 今まで味わった事のない、強烈な快感が京介の下腹部に走り
「ああっ!」とうめき声を出して京介は思わず達してしまった。

「京介イったの?」
「す、すみません……」

「少し我慢してって僕、言いましたよね……?」

 あまりに早くに達してしまった京介に、尊がつい不満を洩らす。

(尊のナカが気持ち良すぎて、我慢するなんて無理だ!)

 京介は心の中で叫ぶ。

 もう男の面子メンツなんてものはどこかへと吹っ飛んでいた。

 一度、縮んだペニスをズルリと尊のナカから引きずり出すと、必死で手で扱いて、硬さを取り戻そうと京介は焦る。

「京介、続きはまた今度でいいですよ」



 尊は少し眠そうに欠伸をする。

「す、すぐに準備できますから!」

 我ながら、みっともないくらいに必死だな、と京介は思う。

 けれど、今日のこのタイミングを逃したら、尊と再びベッドに入る機会は永遠に失われるような気がして、京介は己のペニスを一心不乱に擦り続ける。

 なんとか硬さを取り戻したペニスを持ち上げて、再び尊の中にグイと押し込むと、眠そうな顔をしていた尊の頬が、ほんのりと赤く染まる。

「あぁ……京介……」

 尊の腰が揺れ、京介のペニスが、さっきと同じようにギュウギュウと締め付けられるが、京介は今度こそ必死に耐える。

 恐る恐る京介が腰を動かすと、尊は気持ちよさそうに喘いで、真っ白な喉を仰け反らせる。

 締め付けは相変わらず苦しいくらいにキツかった。

「社長、力抜いて緩めて下さい」

「だめ… 緩めない。京介には僕のここに慣れてもらわないと」

 尊の言葉に、京介は胸が熱くなる。

「社長、あなたの側に私はいてもいいんですか?」

「……僕は京介に側にいて欲しい…… でも僕の側にいると、この間みたいに京介の命も狙われる。だから京介にはボディーガードを辞めてもらう…… でも時々会う事はきっと出来る……」

 そう言うと、尊は瞳にうっすらと涙を浮かべて顔を横に背ける。

「こっちを向いて下さい。社長」

 京介は尊の顎を取り、顔を自分の方へと向ける。

 アビシニアンのような魅惑的な尊の濡れた瞳と、京介の真摯な眼差しが重なる。

「私はこれからもあなたを守ります。だから、新しいボディーガードの話は断って下さい」

「京介……」

 尊は頷くと、静かに瞳を閉じて、キスをねだるようにして唇を京介に差し出す。

 京介は赤い尊の唇に自分の唇をそっと重ねると、再び腰を打ちつけ始める。

「あ…っ…っ…あ…あ……」

 尊が喘いで体をゆらす度に、絹のシーツがサラサラと音を立てた。

 決して手の届かないような、遠く眩しいくらいの存在の尊が、今、自分の体の下で淫らに鳴いている――
 
 この出来事が夢ならば、決して覚めないで欲しいと京介は願いながら、ひたすらに腰を動かし続ける。 


 時折、体の中を抉る京介のペニスが、尊の前立腺を刺激し、その度に尊は美しい唇から、艶やかな声を漏らした。

 尊の形のよいペニスも硬く立ち上がり、今にも弾けそうになる。

「京介、イキそ…う」

 快感で、すすり泣くような尊の言葉を聞いた京介は、ここぞとばかりに、歯を食いしばりながら、大きく腰を打ちつける。

「ああん…… イ……く……」

「社長……愛し…てます……」

「……京介、ずっと僕の側にいて……」

 何かを求めるように、喘ぎながら尊の手は空をさ迷う。

「ええ。私はいつまでもあなたの側にいます」

 京介は真っ白な尊の手を掴むと、指を絡め、誓いのキスを唇に優しくそっと与える。

 尊は京介の言葉に満足そうに頷くと、喘ぎ声と共に、体を弓なりに弾ませる。

「ああ……ッあああっっ」

 綺麗な形をした尊のペニスから白蜜が勢い良く飛び出し、同時に、京介の陰茎も尊の身体の中で力いっぱいに爆ぜた。






「社長、失礼します」
 社長室のドアをノックして京介が部屋の中に入ると、尊は読んでいた書類から顔を上げる。
「警視庁から来月の株主総会での警備に関する資料が提出されました。社長の警備についての内容なので、後で目を通しておいて下さい」
 そう言いながら、資料を尊に手渡すと、尊は淡々とした声で「ありがとう」と頷く。

 社長室の椅子に座っている時の尊は、常に魂の無い人形のように冷めた表情だった。
「それから……」
 そう言いながら、京介は机の向こう回り込み、尊の前に立つ。

「京介?」

 一体何をしているのかと、不思議そうな顔をしている尊の冷たい頬に、京介は温かい手をそっと当て、腰を屈めると、優しく唇を重ねる。

「っあ……」

 不意のキスに驚きながらも、尊は京介の弾力のある舌を、濡れた口腔内に招き入れる。
 くちゅり……と二つの舌が絡み合い、互いの蜜を吸いあっているうちに、最初は優しいトーンで始まったキスも、だんだと熱を帯びて情熱的になってゆく。

 さっきまで青白かった尊の頬に、ほんのりと赤味がさした。

「ぁぁ ……京…介……」

 絶え間なく与えられる快楽にこらえきれなくなった尊が、細く真っ白な喉を仰け反らせると、仕立ての良いYシャツの首もとの奥がチラリと見える。

 そこには小さな紫色の斑点がポツンとあった。それは、昨夜ベッドの上で京介がつけたものだった。最近、尊は父親の形見のパジャマで眠らなくなった。

 良い傾向だと、京介は微笑む。

 パジャマを着ない代わりに、尊は裸の京介の腕の中で、昼間の激務の疲れを癒すかのように、穏やかに眠る事を望んだ。

 疲れている尊を気遣って、何もせずにお休みのキスをして、ただそっと肌を合わせて眠るだけの日々だったが、京介はそれでも満足だった。

 とはいえ、魅惑的な尊の身体を毎晩ただ抱きしめているだけなのは、正直しんどいものがある。

 堪えきれなくなった京介の指先は、ツッーと尊の喉から胸元へと走り、手探りで尖った先端を探し当てると、真っ白な高級綿のシャツの生地の上から、ピン!と摘み上げた。

「っあ!……」

 甘やかな喘ぎ声が京介の耳元に響く。

 京介の指先は、更に下へ下へと進み、既に少しふっくらと盛り上がって来ているその場所に到達すると、生地の上から、軽くなぞり上げる。

「あッ……京…介……だめ」

 思いがけない快感に、思わず京介の首筋に尊がしがみつくと、京介は左手で尊の体を支えてやりながら、右手の指先はさっきよりも強く、尊のペニスをスーツの上から擦りあげる。

「きょ……京…介……服が汚れるから……」

 京介にしがみついて喘ぎながらも、尊は首を横にイヤイヤと振る。

「では、脱いでしまいましょうか」

 京介はそう言うと、尊の足下に跪いて、尊の返事を待たずに素早く尊のスーツのベルトを外し、さっきから立ち上がって窮屈そうにしていた尊のペニスを引っ張り出す。

「京介ッ! だめっ……」

 驚いた尊の非難の声は、京介が尊のペニスをパクン!と口に含んだ瞬間に「ああっ…」と喘ぎ声に変わる。

 京介の淫らな悪戯を懸命に止めさせようしている尊の声を無視して、舌で尊の形の良いペニスの筒をくちゅり、くちゅりと丁寧に磨き上げてゆく。

「ッ! あぁぁ…」

 敏感な部分をザラザラとした京介の舌で擦られるたびに、尊の身体がしなやかにビクンと弓なりになった。

 さらにジュルリ……とキツく吸い上げると、
「も……もう…出そう……京介……」
 瞳を潤ませながら、尊が喘ぐ。

 次の瞬間

 ドンドンドンドン!

 と社長室の扉が荒々しく叩かれた。

 ――嗣春か…… 京介はため息をついて、口から尊のペニスを離し、それから素早く尊の服を整えてやる。
「あ……」
 中途半端に身体に熱を与えられて放り出された尊が困惑していると、

「続きは、今夜……よろしいでしょうか?」

 耳元で京介が許可を求めるようにハスキーに囁く。 
 コクン……と恥ずかしそうに小さく頷いた尊を見て、京介の心の中に愛おしさが溢れだした。
「社長……」
 優しくそっと唇を重ねると、尊もうっとりと瞳を閉じる。

 チュル……チュル…チュル
 水音が二人の間に響く。

「……あ…ん……」

 軽いキスで終えるはずだったのに、気がつけば、尊を腕の中に強く抱きしめて、夢中でその唇を奪い、味わい、堪能していた。

 京介の意識はまるで麻薬でも与えられたかのように痺れ、食らいつくように尊の蜜を吸い尽くしていると、

 ドンドンドンドン!!!!

 再び社長室の扉が荒々しく叩かれる。

 二人はハッとしたように、体を離し、衣服と呼吸を慌てて整える。

「では、失礼します」

 京介がお辞儀をすると、尊もいつもの社長の顔に戻り「ええ。ご苦労様です」と答える。

 けれど、尊の顔はさっきの人形のような青白い冷たさではなく、頬には薔薇色の温もりが宿っていた。

 その美しい顔を満足そうに眺めながら、京介は社長室を後にする。

 部屋を出ると、そこには鬼のような形相で腕を組んで、仁王立ちになっている嗣春がいた。

「おい! 京介」

 嗣春は凄むと、京介の胸ぐらを掴んで、京介の体を持ち上げる。

 身長190cm近い嗣春に掴まれると、京介の体は爪先立ちになる。

「なんだ、嗣春」

 首元を締め上げられながらも、京介も負けじと嗣春を睨み付ける。

「最近、尊が明るく笑うようになったのはお前のお陰だと思っている。その事に関しては、俺はお前にとても感謝している」

 そう言いながら、嗣春は掴んでいた京介の首もとをギリッと締める。

 低く脅すような嗣春の声に、

「ったく! これが感謝するような態度かよ……」

 と京介は悪態をつく。

「だがな、」

 嗣春は言葉を続ける。

「俺はお前に尊と恋人のようになれと言った覚えはないぞ!」

 嗣春は掴んでいる京介の首もとを更にギリギリと締め上げる。
 京介も必死で抵抗しながら、

「離せ、嗣春! 俺はあんたが望むような、“社長を歓ばせる、体だけのご奉仕犬” になるつもりは無いからな!」

 と嗣春を掴んで強く睨み返す。

「なんだとっ!!」

 二人の男たちは一歩も譲らずに、眼光鋭く威嚇し合う。


 その時、社長室からガタンと音がした。

 睨み合っていた二人は、ハッとすると、互いを掴み合ったまま、嗣春のデスクに置かれていたモニターに視線をやる。

 モニターに映し出された社長室の映像を見ると、尊が手に写真立てを持って、うっとりとした顔で、その写真を眺めていた。

「父さん、虎徹、愛してます……」

 そう呟いて、尊は写真にそっとキスをする。

 それを見ていた嗣春は、脱力するようにして、掴んでいた京介を離すと、今度はまるで同志を励ますかのように、“まぁ、お互い頑張ろうぜ”と言わんばかりに、京介の肩をポンポン、と叩く。

 京介も、がっくりと肩を落とす。

 実のところ、毎晩尊を腕の中に抱いて、耳元でどんなに愛してると囁いても、尊は嬉しそうに頬を赤く染めるだけで、尊から“愛してる”と返事が返って来る事は一度も無かった。

 まだ、尊が魂の全て捧げて愛する父親と甲斐犬の領域に達していないのだなと、京介は思う。自分も嗣春も。

 だからと言ってそう簡単に尊を諦める気は、これっぽっちも無かった。

 時間はたっぷりとある。

 いつか必ず、尊のその美しい唇で、“京介、愛してる”
 と言わせてみせますよ――

 京介は自信に満ちた笑顔を浮かべると、初夏の眩しい太陽の季節に向かって、力強い一歩を踏み出した。



※次ページから「嗣春編」です。


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