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星影のセレナーデ
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重い心を引きずるように、美雨はノロノロと起きあがると、着替えてカフェテリアに行く。
いつもはギャーギャーとはしゃぐ男子生徒たちの声で賑やかなこの場所も、夏休みの今は閑散としていて、独りで座っていると、より一層、孤独を感じた。
学院の美しい庭園が見渡せる窓際の席で、グラスに入ったフレッシュオレンジジュースを飲みながら、ぼんやりと先輩の事を考えていたその時、不意に背の高い男の人が、椅子をガッと引いて隣に座ってきた。
「よう! 君が、九条が最近お気に入りにしている"星影美雨"か?」
見ると、九条先輩と同じ三年生の篠山裕和先輩だった。彼は寮長でもあった。
「はぁ…… 」
返事をすると、
篠山先輩は美雨を上から下までじろじろと眺め、
「で、九条とどんな関係なの?」
遠慮なく聞いてくる。
ちょうどその「関係」について悩んでいた美雨は、痛いところを突かれたと思った。
「そ、それは…… 」
口ごもる美雨に
「知ってるか? 九条は特定の恋人はつくらないんだよ。キミ以外にもあいつの相手はいる。あいつは重い関係は苦手なんだ。キミも、せいぜい遊ばれないように気をつけな」
警告するように篠山は言うと、泣き出しそうな顔をしている美雨を置いて、どこかへと立ち去った。
この日に限って、九条先輩は夜に帰ってきた。先輩のシャツの胸元のボタンは、乱れたように、無造作に深く外され、しかも、纏っているのが、いつもと違う香水だったのが、篠山の警告が事実だと示しているようで、美雨は胸が苦しくなる。
いつもはギャーギャーとはしゃぐ男子生徒たちの声で賑やかなこの場所も、夏休みの今は閑散としていて、独りで座っていると、より一層、孤独を感じた。
学院の美しい庭園が見渡せる窓際の席で、グラスに入ったフレッシュオレンジジュースを飲みながら、ぼんやりと先輩の事を考えていたその時、不意に背の高い男の人が、椅子をガッと引いて隣に座ってきた。
「よう! 君が、九条が最近お気に入りにしている"星影美雨"か?」
見ると、九条先輩と同じ三年生の篠山裕和先輩だった。彼は寮長でもあった。
「はぁ…… 」
返事をすると、
篠山先輩は美雨を上から下までじろじろと眺め、
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遠慮なく聞いてくる。
ちょうどその「関係」について悩んでいた美雨は、痛いところを突かれたと思った。
「そ、それは…… 」
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「知ってるか? 九条は特定の恋人はつくらないんだよ。キミ以外にもあいつの相手はいる。あいつは重い関係は苦手なんだ。キミも、せいぜい遊ばれないように気をつけな」
警告するように篠山は言うと、泣き出しそうな顔をしている美雨を置いて、どこかへと立ち去った。
この日に限って、九条先輩は夜に帰ってきた。先輩のシャツの胸元のボタンは、乱れたように、無造作に深く外され、しかも、纏っているのが、いつもと違う香水だったのが、篠山の警告が事実だと示しているようで、美雨は胸が苦しくなる。
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