【R18】Hで淫らなボクの夏休み！【完結】

星影のセレナーデ

2

　部屋に戻ると、悠斗が居なくなってガランとした部屋で、美雨は一人寂しく荷物の整理をする。


「あー、悠斗、数学の教科書置いてってる！　夏休みの宿題、どうするんだろ……」
　
　悠斗の脱ぎ捨てていったシャツやらパンツやらが散らばった乱雑な部屋の床から、数学の教科書を拾い上げる。

　絶対後から、『美雨、教科書を軽井沢の別荘に送って！』と連絡が来るのは目に見える。

　美雨は小さくため息をついた。


　その時、「トントン」とドアをノックする音がした。

「はーい！」

　勢い良くドアを開けた美雨は心臓が止まりかける。

　そこには、学院で最も人気のある、三年生の九条先輩が立っていたのだ。

　いつも大勢の取り巻きに囲まれていて、話しかける事は疎か、一年生の美雨には近寄る事すら出来ない、〝あの〟九条理史先輩が、目の前にいた。

(ど、ど、どどどうして九条先輩がここに？！)

　息を呑んで動揺する美雨

「君が、星影美雨くん？」

　スラリとした長身で真っ白な肌にサラサラとしたブラウンの髪、完璧な配置でパーツの整った美形の九条先輩に名前を聞かれて、美雨は真っ赤になりながら、コクコクと頷く。

「今日から君は僕のルームメイトだから、よろしくね。君の荷物どこ？　僕の部屋に運ぶのを手伝ってあげるよ」

　そう言うなり、九条先輩はズカズカと美雨達の部屋に入り込んで来る。

「え？　あの、先輩？！」

「寮長から何も聞いてないの？　夏休みの期間中、寮に残る一年生は、内部進学で進路が決まっている三年生と一緒の部屋に移動するんだよ。ほら、早く君の荷物まとめて」

「えっ？　え？　あ、はい……」

　訳も分からないまま、追い立てられるように美雨はボストンバッグに着替えや勉強道具を詰めて、九条先輩の後を追う。