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最終章 最強コンビ解散!? ~最後のおにぎりはビビンバ風?~
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食堂に集まっている大人たちが拍手する。
みんなが「美味そう!」と声にし、興奮気味だ。
お父さんも笑顔だし、社長も笑顔になっている。
その空間は、平和な笑顔に包まれていた。
「六原さん! テーブルに持っていこう!」
ビニール手袋を外して、隼斗君とおにぎりを食堂の一番大きな席に持っていく。
テーブルの周りには社長やお父さんが移動してきた。
お父さんはまず、私の頭を撫でながら「上手だな」と言って褒めてくれた。
笑顔の社長は、笑顔のまま隼斗君の前までいく。
「君、素晴らしい動きだったぞ。小学生であそこまで、上手に料理ができるなんてな」
隼斗君は「まあね!」と言って胸を張った。
社長はそれを見てまた笑う。
「じゃが、肝心なのは味だ。上手にできていても、美味しくなかったら意味がない」
「もちろん! わかってるよ!」
「よし、じゃあ一生懸命作ったこのおにぎり、早速食べてみるとしよう」
社長とお父さん、そしてお父さんの会社の人たちが、みんな一斉におにぎりを手に取る。
大きなテーブルを囲んで、みんなが立ちながら食べるみたいだ。
どうだろう……美味しいかな……。
こんなに味が気になるのは、初めてかもしれない。
どうしてだろう……私はただ、握っただけなのに。
隣に立っている隼斗君は、いつものように自信満々って感じの表情だ。
まずはお父さんがパクリと一口。
「ビビンバだ……これはビビンバ風じゃなくて、味付けばっちりの完璧なビビンバおにぎりだ!」
お父さん、私たちがこんなおにぎり作れるとは思ってなかったんだろうな……。
本当に驚いている感じがする。
社長も続いて食べた。
「ん、んん!? 美味い! ちょっとピリ辛なのが癖になる!」
社長も目を細めて、驚きの表情を見せた。
するとみんなから「美味い」の声が続々と聞こえてきた。
社長は「こんなに美味しいおにぎりが食べられるとは思ってなかった」と言って、また豪快に笑った。
隼斗君はいつもの得意げな表情で、「俺のおにぎりはまだまだこんなもんじゃないよ!」と腕を組みながら声にした。
「ほぉ……おにぎり少年が作るおにぎり、もっともっと食べてみたくなったな」
気がつくと全員、完食していた。
社長は周りの大人たちの満足した顔を見渡している。
そしてその後、口元を囲んでいる短めの白いヒゲを触りながら、何かに納得したように「うむ」という声を出した。
社長は真剣な表情になって、隼斗君に向けて話し出した。
「君のおにぎりは、もっとたくさんの人に食べてもらうべきだ」
その場にいるみんなが社長の言葉を聞く。
シーンと、静まり返った。
みんなが「美味そう!」と声にし、興奮気味だ。
お父さんも笑顔だし、社長も笑顔になっている。
その空間は、平和な笑顔に包まれていた。
「六原さん! テーブルに持っていこう!」
ビニール手袋を外して、隼斗君とおにぎりを食堂の一番大きな席に持っていく。
テーブルの周りには社長やお父さんが移動してきた。
お父さんはまず、私の頭を撫でながら「上手だな」と言って褒めてくれた。
笑顔の社長は、笑顔のまま隼斗君の前までいく。
「君、素晴らしい動きだったぞ。小学生であそこまで、上手に料理ができるなんてな」
隼斗君は「まあね!」と言って胸を張った。
社長はそれを見てまた笑う。
「じゃが、肝心なのは味だ。上手にできていても、美味しくなかったら意味がない」
「もちろん! わかってるよ!」
「よし、じゃあ一生懸命作ったこのおにぎり、早速食べてみるとしよう」
社長とお父さん、そしてお父さんの会社の人たちが、みんな一斉におにぎりを手に取る。
大きなテーブルを囲んで、みんなが立ちながら食べるみたいだ。
どうだろう……美味しいかな……。
こんなに味が気になるのは、初めてかもしれない。
どうしてだろう……私はただ、握っただけなのに。
隣に立っている隼斗君は、いつものように自信満々って感じの表情だ。
まずはお父さんがパクリと一口。
「ビビンバだ……これはビビンバ風じゃなくて、味付けばっちりの完璧なビビンバおにぎりだ!」
お父さん、私たちがこんなおにぎり作れるとは思ってなかったんだろうな……。
本当に驚いている感じがする。
社長も続いて食べた。
「ん、んん!? 美味い! ちょっとピリ辛なのが癖になる!」
社長も目を細めて、驚きの表情を見せた。
するとみんなから「美味い」の声が続々と聞こえてきた。
社長は「こんなに美味しいおにぎりが食べられるとは思ってなかった」と言って、また豪快に笑った。
隼斗君はいつもの得意げな表情で、「俺のおにぎりはまだまだこんなもんじゃないよ!」と腕を組みながら声にした。
「ほぉ……おにぎり少年が作るおにぎり、もっともっと食べてみたくなったな」
気がつくと全員、完食していた。
社長は周りの大人たちの満足した顔を見渡している。
そしてその後、口元を囲んでいる短めの白いヒゲを触りながら、何かに納得したように「うむ」という声を出した。
社長は真剣な表情になって、隼斗君に向けて話し出した。
「君のおにぎりは、もっとたくさんの人に食べてもらうべきだ」
その場にいるみんなが社長の言葉を聞く。
シーンと、静まり返った。
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