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最終章 最強コンビ解散!? ~最後のおにぎりはビビンバ風?~
②
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「はぁー……」
一人で歩きながら、溜息をつく。
何だか、学校に行きたくなくなったなぁ。
おにぎりを持って、隼斗君に謝ろうと思ったのに、お父さんの話を聞いたら怖くなってきちゃった。
本当に私、転校しちゃうんだな……。
隼斗君と一緒に、日本一のおにぎりを作るって約束したのに、こんな形で終わっちゃうなんて。
まあ、アシスタントっていうほどのサポートができていたわけじゃないけど……それでもずっと近くで応援したかった。
おにぎり王子のそばで、ずっと……。
――学校に着いて、自分の教室に入る。
まだ、隼斗君は来ていない。
あれ、いつもは私より早く学校に来ているのに、今日は遅いんだな……。
隼斗君にすぐに謝りたかったけど、まだこの緊張感は抱えないといけないみたいだ……。
「みんなおはようー! 席に着いてー!」
……あれ?
なんだかんだ、もうこんな時間?
田尻先生が元気よく教室に入ってきた。
ちょっと待って……まだ隼斗君が来ていない。
いつ来るんだろうって、そればっかり考えていたから、時間を見ていなかった。
もしかして……今日は休み?
「あれ? 隼斗君知らない?」
田尻先生がみんなに聞く。
みんなが「そういえば今日見てないな」とか「どうりで静かだと思った」とか、それぞれ話し出した。
田尻先生は私の方を見ている気がしたので「休みですか? 」と逆に聞き返してしまった。
「そっか……やっぱり昨日の……」
田尻先生の呟きに、一番前の子が「昨日のって?」と聞いた。
田尻先生は慌てて「いや、何でもありません!」とごまかす。
「じゃあ後で隼斗君の家に電話してみます! とりあえず朝の会、始めますね!」
隼斗君……どうしちゃったんだろう。
よっぽど怒っているのかなぁ。
朝の会では今日一日の流れや伝達事項が田尻先生から伝えられる。
でも、話が耳に入ってくるわけもなく……。
頭の中は隼斗君のことでいっぱいだった。
「これで朝の会は終わります。それじゃ先生準備してくるから、一時間目の用意しておいてね」
田尻先生が教室を出ようとすると、教室は一気に騒がしくなった。
みんなが自由に席を立ち、ガヤガヤし始めたところを見計らって、田尻先生は私をこっそりと呼び出した。
一緒に職員室に行くことに。
「田尻先生、ごめんなさい。私のせいで、隼斗君怒らせちゃった」
「何言ってるの。隼斗君のお父さんも言ってたでしょ。これはしょうがないことだって」
……そうだけど、やっぱり私が最初から隼斗君に言っていれば良かったんだ。
おにぎり作りのアシスタントとして活動していけると、変に期待させちゃったのがいけなかった。
田尻先生は職員室の自分の席から、隼斗君の家に電話してくれることに……。
私は黙ってそれを見届ける。
電話が繋がり、隼斗君のお母さんと話している田尻先生。
数秒後、田尻先生は驚きの表情を見せ、職員室中に聞こえる大きな声を出した。
一人で歩きながら、溜息をつく。
何だか、学校に行きたくなくなったなぁ。
おにぎりを持って、隼斗君に謝ろうと思ったのに、お父さんの話を聞いたら怖くなってきちゃった。
本当に私、転校しちゃうんだな……。
隼斗君と一緒に、日本一のおにぎりを作るって約束したのに、こんな形で終わっちゃうなんて。
まあ、アシスタントっていうほどのサポートができていたわけじゃないけど……それでもずっと近くで応援したかった。
おにぎり王子のそばで、ずっと……。
――学校に着いて、自分の教室に入る。
まだ、隼斗君は来ていない。
あれ、いつもは私より早く学校に来ているのに、今日は遅いんだな……。
隼斗君にすぐに謝りたかったけど、まだこの緊張感は抱えないといけないみたいだ……。
「みんなおはようー! 席に着いてー!」
……あれ?
なんだかんだ、もうこんな時間?
田尻先生が元気よく教室に入ってきた。
ちょっと待って……まだ隼斗君が来ていない。
いつ来るんだろうって、そればっかり考えていたから、時間を見ていなかった。
もしかして……今日は休み?
「あれ? 隼斗君知らない?」
田尻先生がみんなに聞く。
みんなが「そういえば今日見てないな」とか「どうりで静かだと思った」とか、それぞれ話し出した。
田尻先生は私の方を見ている気がしたので「休みですか? 」と逆に聞き返してしまった。
「そっか……やっぱり昨日の……」
田尻先生の呟きに、一番前の子が「昨日のって?」と聞いた。
田尻先生は慌てて「いや、何でもありません!」とごまかす。
「じゃあ後で隼斗君の家に電話してみます! とりあえず朝の会、始めますね!」
隼斗君……どうしちゃったんだろう。
よっぽど怒っているのかなぁ。
朝の会では今日一日の流れや伝達事項が田尻先生から伝えられる。
でも、話が耳に入ってくるわけもなく……。
頭の中は隼斗君のことでいっぱいだった。
「これで朝の会は終わります。それじゃ先生準備してくるから、一時間目の用意しておいてね」
田尻先生が教室を出ようとすると、教室は一気に騒がしくなった。
みんなが自由に席を立ち、ガヤガヤし始めたところを見計らって、田尻先生は私をこっそりと呼び出した。
一緒に職員室に行くことに。
「田尻先生、ごめんなさい。私のせいで、隼斗君怒らせちゃった」
「何言ってるの。隼斗君のお父さんも言ってたでしょ。これはしょうがないことだって」
……そうだけど、やっぱり私が最初から隼斗君に言っていれば良かったんだ。
おにぎり作りのアシスタントとして活動していけると、変に期待させちゃったのがいけなかった。
田尻先生は職員室の自分の席から、隼斗君の家に電話してくれることに……。
私は黙ってそれを見届ける。
電話が繋がり、隼斗君のお母さんと話している田尻先生。
数秒後、田尻先生は驚きの表情を見せ、職員室中に聞こえる大きな声を出した。
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