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三章 クラスメイトは幼馴染 ~勇気が出る、鮭ときのこのバター焼きおにぎり~

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「それじゃ早速! 始めよっか!」

 手洗いうがいも完璧。ひと息つく間もなく、すぐにキッチンに行く。
 さっきまでキッチンの中にいたお母さんは、ダイニングテーブルに座っている。
 場所を隼斗君に譲ってくれたみたいだ。

「隼斗、火だけ気をつけてね」
「わかってるよ!」

 キッチンには、すでに食材が用意されてあった。
 あらかじめお母さんが用意してくれてたんだ。
 隼斗君のおにぎり作り、みんなが応援してるんだなぁ……。
 私も頑張らないと!

「今日使う食材はこれだ! あ、六原さん、動画撮っといて!」
「あ、そうだね!」

 私はスマホのカメラを起動して、動画モードにした。
 オッケーの合図を送ると、仕切り直して隼斗君が話し出した。

「今日使う食材は、鮭フレークとしめじ。あとは調味料たちです。詳しい分量は後でケイタ君にレシピも送ります!」

 なんか、料理番組でよく見る料理家みたいな話し方になっている。
 ちょっとその口調が面白く思えた。
 私は隼斗君の手元を撮るようにカメラを向けている。
 今日のアシスタント業務は、カメラマンということか……。

「まずは調味料を作っていくね!」

 味噌と……これは料理酒? かな?
 あとはみりんと醤油、そしてバター……結構たくさん出てくるな。

「味噌は大さじ三杯、みりんは大さじ一杯、醤油は小さじ二杯、料理酒は小さじ一杯……」

 ボソボソと呟きながら、調味料を透明なガラスボウルに入れて混ぜていく。
 味噌の良い香り……良い感じに混ざり合うまで時間はそうかからない。
 そのボウルの中に、瓶の中に入った鮭フレークを大胆に入れ込んだ。そしてしめじも。

「しめじは細かくほぐしてね。おにぎりの中に入れるから食べやすい大きさに」

 鮭フレークとしめじという具材が入った合わせ調味料を再び混ぜる。
 ちょっと濃そうだけど、大丈夫かな……?

「よし、それじゃ本番だ。これを米に混ぜていくよ!」

 あ、今回も混ぜご飯にしてから握るのか。
 これぞ隼斗君の真骨頂だ。
 炊飯器の中の熱々ご飯を丼の中に盛って、軽やかに運んでくる。

 隼斗君は真っ白なご飯の中に、混ぜ合わせたボウルの中の具材を全部入れた。
 しゃもじで、全体に味がなじむように激しく混ぜる。
 隼斗君のおにぎりは、混ぜるという工程が多い。それが隼斗君のおにぎりの特徴だ。

 ご飯の中に、鮭やしめじ、そして醤油や味噌の色がバランスよく染み込まれていた。
 隼斗君の「こんな感じかな!」という声も、しっかり動画に入っている。

「じゃあこれを握っていくよー!」

 今回もサクサク進むなぁ……。
 やっぱり隼斗君が教えてくれるおにぎりは簡単でわかりやすい。
 いつものようにビニール手袋をつけて握っていく。
 今回私はカメラ係なので、手袋は不要のようだ。
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