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三章 クラスメイトは幼馴染 ~勇気が出る、鮭ときのこのバター焼きおにぎり~
⑤
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「やっと終わりだ! 六原さん、帰るよ!」
次の日……やっぱり、授業中も隼斗君のことを考えてしまった。
そして、帰りの時間に。
今日は一日があっという間だった。
「六原さん、スマホ持たしてもらってる?」
「あ、ああ……一応ね」
私はいつも持ち歩いているキッズスマホを見せた。
家族との連絡用に、低学年から持たせてもらっている。
それが一体、何かしたのかな?
「良かった! それ、動画撮れるよね?」
「え、うん……」
「今日作るおにぎりの工程を、動画で撮ってケイタ君に送ってほしいんだ! ケイタ君のアドレスはさっきゲットした!」
「わ、わかった……」
なーんだ……隼斗君と連絡先を交換するわけじゃないんだ。
てっきりそうかと思って、ちょっとワクワクしたじゃない……。
よく考えたら隼斗君、スマホ持ってなさそうだもんな……。
はっ、そんなこと考えてはいけない!
私は転校しちゃうの! だから恋愛感情なんて無意味!
「六原さん? 何か様子がおかしいけど……」
「え、ええ?」
「今、顔をブルブル振って、何かを振り払うようにしてたけど……やっぱり動画撮影は嫌かな?」
「あ、違うの! ちょっと違うこと考えてて……」
隼斗君は「なら良かった!」と笑い飛ばした。
危ない危ない……心の中の葛藤が、表に出てしまっていたみたい。
学校から私の家までの帰り道に、隼斗君のお家がある。
この時間帯は仕込みの時間なのか……お店の前には準備中の看板が立てかけられていた。
「ただいまー! 六原さん連れてきたよ!」
一階の扉を開けて、店内から二階の自宅に上がるみたい。
お店の中では、隼斗君のお父さんがキッチンで仕込みをしている最中だった。
「お、サヤちゃん、いらっしゃい! 今日は二階でおにぎりの研究だって?」
「お、お邪魔します!」
「ゆっくりしていってね」
お父さん、今日も優しくて素敵だな。
お店の奥に行くと、靴を脱ぐ玄関のような場所があった。その先に階段がある。
隼斗君は靴を脱いで上がっていったので、私もついていく。
「母さんただいまー! 六原さん連れてきたよ!」
二階に上がると、すぐにリビングが広がっていた。
カウンターキッチンの中で、隼斗君のお母さんは洗い物をしている。
家の中も一階のお店と同じで、新築の木の香りが漂っていた。
「あら、いらっしゃい。サヤちゃんよね?」
「は、はい! お邪魔します!」
「どうぞどうぞ! いつも隼斗が迷惑かけてごめんなさいね。今日はおにぎり作るのよね?」
隼斗君が先に「うん!」と元気に返事する。
お母さんは色白の美人さんで、黒髪が長くて綺麗。笑顔が優しくて、最初に見た時の怖い印象はサッパリと消えた。
あの時は、相当怒ってたんだな、お母さん……。
私の手を掴んだ隼斗君は、洗面室を案内してくれた。
まずは手洗いうがいから……ということみたい。
次の日……やっぱり、授業中も隼斗君のことを考えてしまった。
そして、帰りの時間に。
今日は一日があっという間だった。
「六原さん、スマホ持たしてもらってる?」
「あ、ああ……一応ね」
私はいつも持ち歩いているキッズスマホを見せた。
家族との連絡用に、低学年から持たせてもらっている。
それが一体、何かしたのかな?
「良かった! それ、動画撮れるよね?」
「え、うん……」
「今日作るおにぎりの工程を、動画で撮ってケイタ君に送ってほしいんだ! ケイタ君のアドレスはさっきゲットした!」
「わ、わかった……」
なーんだ……隼斗君と連絡先を交換するわけじゃないんだ。
てっきりそうかと思って、ちょっとワクワクしたじゃない……。
よく考えたら隼斗君、スマホ持ってなさそうだもんな……。
はっ、そんなこと考えてはいけない!
私は転校しちゃうの! だから恋愛感情なんて無意味!
「六原さん? 何か様子がおかしいけど……」
「え、ええ?」
「今、顔をブルブル振って、何かを振り払うようにしてたけど……やっぱり動画撮影は嫌かな?」
「あ、違うの! ちょっと違うこと考えてて……」
隼斗君は「なら良かった!」と笑い飛ばした。
危ない危ない……心の中の葛藤が、表に出てしまっていたみたい。
学校から私の家までの帰り道に、隼斗君のお家がある。
この時間帯は仕込みの時間なのか……お店の前には準備中の看板が立てかけられていた。
「ただいまー! 六原さん連れてきたよ!」
一階の扉を開けて、店内から二階の自宅に上がるみたい。
お店の中では、隼斗君のお父さんがキッチンで仕込みをしている最中だった。
「お、サヤちゃん、いらっしゃい! 今日は二階でおにぎりの研究だって?」
「お、お邪魔します!」
「ゆっくりしていってね」
お父さん、今日も優しくて素敵だな。
お店の奥に行くと、靴を脱ぐ玄関のような場所があった。その先に階段がある。
隼斗君は靴を脱いで上がっていったので、私もついていく。
「母さんただいまー! 六原さん連れてきたよ!」
二階に上がると、すぐにリビングが広がっていた。
カウンターキッチンの中で、隼斗君のお母さんは洗い物をしている。
家の中も一階のお店と同じで、新築の木の香りが漂っていた。
「あら、いらっしゃい。サヤちゃんよね?」
「は、はい! お邪魔します!」
「どうぞどうぞ! いつも隼斗が迷惑かけてごめんなさいね。今日はおにぎり作るのよね?」
隼斗君が先に「うん!」と元気に返事する。
お母さんは色白の美人さんで、黒髪が長くて綺麗。笑顔が優しくて、最初に見た時の怖い印象はサッパリと消えた。
あの時は、相当怒ってたんだな、お母さん……。
私の手を掴んだ隼斗君は、洗面室を案内してくれた。
まずは手洗いうがいから……ということみたい。
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