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一章 おにぎり王子降臨! ~心を奪う、ツナのゴマ味噌マヨネーズ~
④
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恥ずかしい……。
大きい音が私の周りに響いた。みんなちょっと笑っている。
顔から火が出る思いだ。穴があったら入りたい。
私は机に顔を伏せた。
後ろの席だから、田尻先生には見つからないだろう。
もう……やっぱり朝ご飯、食べてくれば良かった。食パンくらいだったら食べる時間があったのに……。
激しく後悔する。
「ということで、この後始業式がありまして……その後からは早速授業が始まっていきますからね……」
今日のスケジュールを発表した田尻先生。同時にチャイムが鳴った。
田尻先生は「じゃあ一旦休憩」と言って教室を出て行く。
自由時間になると、すぐにガヤガヤし始めた。
「六原さん!」
「え、何!?」
またビクッとしてしまう。
声の主は隼斗君だった。今度は何だろう……。
「これ、良かったら食べて! ただの塩おにぎりだけど」
ラップにくるまった、シンプルな塩おにぎり。
あ、やっぱりお腹の音、聞こえてたんだ……。
「いやぁー、俺さっきお腹鳴っちゃってさ。六原さん、もしかして聞こえた?」
「え、ええ?」
「まあいいや! 二つ握ってきたから、六原さんにもあげるよ」
それを聞いていた周りのみんなが「あの音隼斗君だったんだー!」と笑いながら話に入ってきた。
隼斗君……私のこと庇ってくれたんだ。
「六原さんにいろいろ教えてもらったから、そのお礼だよ。みんなにも今度握ってくるね!」
みんながはしゃぐように喜ぶ。特に女の子は、まるでファンサービスを受けているかのように嬉しそうだった。
すごい……こんなに短時間でみんなから好かれるなんて。
私は我慢できなくなって、塩おにぎりに一口かぶりついた。
え……何この味……。
お米は冷たくなっているのに、一粒一粒に魂がこもっているみたい。
もっちりして、塩っけも抜群で……そもそもお米って、こんなに美味しかったっけ?
「美味しいでしょー? それは北海道米の中で一番美味しいやつなんだ!」
「北海道のお米なんだ……」
「そうそう! しかもウチは炊き方にもこだわってるからねー」
自慢気に話す隼斗君。そうだ、あのお寿司屋の息子なんだっけ。
だからこんなに美味しいおにぎりが握れるんだ。
私はモリモリと食べ進め、ものの五分で完食した。
良かった……このまま給食の時間まで我慢なんてできなかったから。
「ありがとう隼斗君! こんなに美味しいおにぎり食べたことないよ!」
気がつくと、大きい声で隼斗君に感謝していた。
みんなも「六原さん、良かったね!」と声をかけてくれる。
隼斗君は話の中心になって、家のお寿司屋のこととか、北海道のこととかを話してくれた。
何だか、隼斗君のおかげでクラスに馴染めた気がする。
いや、隼斗君がこの空気を作ってくれたんだ。
大きい音が私の周りに響いた。みんなちょっと笑っている。
顔から火が出る思いだ。穴があったら入りたい。
私は机に顔を伏せた。
後ろの席だから、田尻先生には見つからないだろう。
もう……やっぱり朝ご飯、食べてくれば良かった。食パンくらいだったら食べる時間があったのに……。
激しく後悔する。
「ということで、この後始業式がありまして……その後からは早速授業が始まっていきますからね……」
今日のスケジュールを発表した田尻先生。同時にチャイムが鳴った。
田尻先生は「じゃあ一旦休憩」と言って教室を出て行く。
自由時間になると、すぐにガヤガヤし始めた。
「六原さん!」
「え、何!?」
またビクッとしてしまう。
声の主は隼斗君だった。今度は何だろう……。
「これ、良かったら食べて! ただの塩おにぎりだけど」
ラップにくるまった、シンプルな塩おにぎり。
あ、やっぱりお腹の音、聞こえてたんだ……。
「いやぁー、俺さっきお腹鳴っちゃってさ。六原さん、もしかして聞こえた?」
「え、ええ?」
「まあいいや! 二つ握ってきたから、六原さんにもあげるよ」
それを聞いていた周りのみんなが「あの音隼斗君だったんだー!」と笑いながら話に入ってきた。
隼斗君……私のこと庇ってくれたんだ。
「六原さんにいろいろ教えてもらったから、そのお礼だよ。みんなにも今度握ってくるね!」
みんながはしゃぐように喜ぶ。特に女の子は、まるでファンサービスを受けているかのように嬉しそうだった。
すごい……こんなに短時間でみんなから好かれるなんて。
私は我慢できなくなって、塩おにぎりに一口かぶりついた。
え……何この味……。
お米は冷たくなっているのに、一粒一粒に魂がこもっているみたい。
もっちりして、塩っけも抜群で……そもそもお米って、こんなに美味しかったっけ?
「美味しいでしょー? それは北海道米の中で一番美味しいやつなんだ!」
「北海道のお米なんだ……」
「そうそう! しかもウチは炊き方にもこだわってるからねー」
自慢気に話す隼斗君。そうだ、あのお寿司屋の息子なんだっけ。
だからこんなに美味しいおにぎりが握れるんだ。
私はモリモリと食べ進め、ものの五分で完食した。
良かった……このまま給食の時間まで我慢なんてできなかったから。
「ありがとう隼斗君! こんなに美味しいおにぎり食べたことないよ!」
気がつくと、大きい声で隼斗君に感謝していた。
みんなも「六原さん、良かったね!」と声をかけてくれる。
隼斗君は話の中心になって、家のお寿司屋のこととか、北海道のこととかを話してくれた。
何だか、隼斗君のおかげでクラスに馴染めた気がする。
いや、隼斗君がこの空気を作ってくれたんだ。
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