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2章 出汁なしみそ汁 ~新ジャガと黒コショウソーセージ
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「このお客さんは生きる方に道を決めた。でもせっかくだから、お前さんの酒場も体験させてあげたいんだ」
「別にいいけどさ。この世に残ることを決めるなんて……物好きなお嬢ちゃんだな」
おちょくられて、アキはさらにムッとした。
ムキになりながら、感情的にネトに聞く。
「そんなに生きる方を選択するのが悪いことですか? みんな死ぬ方を選択するってことですか?」
ネトは「おお、怒った怒った」とまた馬鹿にしながら笑った。
冷蔵庫から何やら食材を取り出した後、アキの顔をマジマジと見つめながらシリアスなトーンで言う。
「俺のみそ汁を食った後に、生きる選択肢を取ったやつは……一人もいない」
迫力と圧で、腰が抜けそうになる。
アキは思わず、言葉を失ってしまった。猫神様がアキに近づいて、コソコソと説明してくれた。
「コイツは神様といっても、死神なんだ。サリのみそ汁を飲んだやつは、生きることを選択することもある」
「猫神、聞こえてるぞ。それじゃまるで俺が人を殺してるみたいじゃないか」
「そうは言ってないだろう」
ネトは「ったく」と舌打ちして、まな板の上で野菜を切り始めた。
きゅうりを千切りしているみたいだけど、さすがに慣れているのか、サリと同じで包丁捌きがプロ並みだ。
「死神……なんですね」
「驚いたかお嬢ちゃん? ま、もう生きることを選択してるんだ。今から冥土にはいけないから、安心しな」
その言葉で、ちょっと安心できた。
ここに来るまで死にたい派だったのに、今となっては命が惜しくなっている。
サリのみそ汁のおかげで、心が温まったからだろうか。アキも不思議に思っていた。
「ま、とりあえず飲むか! お嬢ちゃん、酒は飲めるのか?」
「え? ま、まあ……」
「お、いいね。ビールでいいよな」
キッチンの奥には通路があって、そこはパントリーになっているみたいだ。
サリはそっちの部屋には一度も行かなかったけど、ネトはよく使うのか。
一応カウンターからは見えないように長めの暖簾がかかっている。
「はい、生お待ち」
「あ、ありがとうございます」
「んで、これ。きゅうりと鶏ささみの和え物」
早い……あのきゅうり、もうおつまみの一品に変身している。
アキはネトの手際の良さに驚きを隠せなかった。
「ま、お通しってやつだな。もうちょっとつまみ出してやるから、それで一杯やっててくれ」
「別にいいけどさ。この世に残ることを決めるなんて……物好きなお嬢ちゃんだな」
おちょくられて、アキはさらにムッとした。
ムキになりながら、感情的にネトに聞く。
「そんなに生きる方を選択するのが悪いことですか? みんな死ぬ方を選択するってことですか?」
ネトは「おお、怒った怒った」とまた馬鹿にしながら笑った。
冷蔵庫から何やら食材を取り出した後、アキの顔をマジマジと見つめながらシリアスなトーンで言う。
「俺のみそ汁を食った後に、生きる選択肢を取ったやつは……一人もいない」
迫力と圧で、腰が抜けそうになる。
アキは思わず、言葉を失ってしまった。猫神様がアキに近づいて、コソコソと説明してくれた。
「コイツは神様といっても、死神なんだ。サリのみそ汁を飲んだやつは、生きることを選択することもある」
「猫神、聞こえてるぞ。それじゃまるで俺が人を殺してるみたいじゃないか」
「そうは言ってないだろう」
ネトは「ったく」と舌打ちして、まな板の上で野菜を切り始めた。
きゅうりを千切りしているみたいだけど、さすがに慣れているのか、サリと同じで包丁捌きがプロ並みだ。
「死神……なんですね」
「驚いたかお嬢ちゃん? ま、もう生きることを選択してるんだ。今から冥土にはいけないから、安心しな」
その言葉で、ちょっと安心できた。
ここに来るまで死にたい派だったのに、今となっては命が惜しくなっている。
サリのみそ汁のおかげで、心が温まったからだろうか。アキも不思議に思っていた。
「ま、とりあえず飲むか! お嬢ちゃん、酒は飲めるのか?」
「え? ま、まあ……」
「お、いいね。ビールでいいよな」
キッチンの奥には通路があって、そこはパントリーになっているみたいだ。
サリはそっちの部屋には一度も行かなかったけど、ネトはよく使うのか。
一応カウンターからは見えないように長めの暖簾がかかっている。
「はい、生お待ち」
「あ、ありがとうございます」
「んで、これ。きゅうりと鶏ささみの和え物」
早い……あのきゅうり、もうおつまみの一品に変身している。
アキはネトの手際の良さに驚きを隠せなかった。
「ま、お通しってやつだな。もうちょっとつまみ出してやるから、それで一杯やっててくれ」
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