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第4章 空気の震えが音と成りて

119:王の威光3

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 ~とあるオフィス~

 女上司
「もっとこの怪物を強化しなさい」

 社員
「でも、これ以上はゲームバランスが」

 女上司
「そんなのどうでもいいの!」

 社員
「それは…」

 女上司
「貸しなさい!これね 音レベル攻撃を最大に」

 社員
「ああ、それ以上は」

 ~ゲーム内~

 ヨッジー
「どうしたら良いんだ」

 ダイン
「この馬鹿でかい音が」

 しかし その音は暫くすると止み 魔獣も動かなくなった。

 アクア
「これは?」

 アネゴ
「今がチャンスかしら?」

 しかし…

 グォオオ!

 次の瞬間再び黒い煙が立ち上がり魔獣を覆ったかと思うと、それは魔獣の体へと吸い込まれた。

 そして…

 ぐおおおおおお!

 さっきとは比べ物にならない高音の爆音が辺りに響く!

 ウィズ
「頭が割れそうです」

 ダーニャ
「静まりなさい!歌術ノワール展開!」

ダーニャが歌スキル ノワールを発動して対抗しようとしているがまったく効果ない。

 先生
「これは…ダインあいつの顔を見ろ」

 俺は先生に言われて魔獣の顔を見ると…

「なんだアレ!」

 魔獣は目から血を流し口は裂けている。

 先生
「過ぎたる力に体がついていってない…」

 ダーニャ
「もう止めて!体が持たないのよ!」

 魔獣に声は届かない。

 先生
「ダーニャ奴が弱体化するまでそのスキルを待ちなさい!今やっても無意味よ」

 ヨッジー
「そんなこといっても、さっきからこの攻撃でガンガンHPが減ってる中じゃそんなに持たないぜ」

 確かにヨッジーの言う通りこのままではこちらがやられてしまう

 現状耳を塞いでも効果がない、なんとかこの音を防ぐ方法を…

 !

「みんな!王の間へ行くんだ!あそこなら音は聞こえない!」

 ウィズ
「なるほど!」

俺達は何も聞こえない部屋王の間へと最後の力を振り絞って走り出した。

 俺
「みんな手を繋げ!」

暗闇の中ではぐれないように手を繋ぐ、
魔獣が追って来るかと思ったがどうやらあの音を出すだけ精一杯で動け無いようだ。
俺達は王の間へとはいると物凄い振動は感じるが音は無い。
HPも若干は減っているがウィズさんの回復魔法で十分耐えれる。
それから暫く経つと振動は徐々に弱くなり…

そして 治まった…

俺はチャットで皆に…

ダイン
もうそろそろ良さそうだ、戻ろう

俺達が部屋に戻るとそこには全身血だらけの魔獣が…

 アアアア

 かすれた小さい声を上げていた。

ダーニャ
「なぜ、こんなことに… 今は安らかに寝なさい」

そういうとダーニャはスキルをを使った

スキル:ノワール

る~るるる~ら~♪

それは優しく、心に響くような低音 子守唄の様な歌だった…
やがてその歌が魔獣を包むと魔獣は光に包まれ眠るように倒れた。

そして…

魔獣は徐々に小さくなり最後に残ったのは小さな赤子だった。
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