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第4章 空気の震えが音と成りて

116:トラップゾーン5

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「う~ん これは参ったな」

王の間の前に広がる
視界がゼロ
音もゼロ
有るのは何かに触れている感触だけである

ヨッジー
「正直どう進んだら良いのかわからんな」

 アクア
「そうですね、音も聞こえないので声を頼りというわけにもいかないですし」

 「くっそ!俺がこの前見た感じだとこの部屋の隣の部屋にダーニャがいるはずなんだが」

ウィズ
「とりあえず壁にそってみんな手をつなぎながら移動して手当りしだいドアを開けて行くのが無難ですね」

アネゴ
「そうね、悩んでいても時間がもったいないわ」

俺達はみんなで手を繋ぎ壁に沿って移動をした。
道中の会話はフレンド会話のチャット機能は生きていたので、
それを通してヨッジーとウィズさんとの連絡を取り、
アクアさん達とは取りあえず手を離さいで移動するといことを
打ち合わせて移動を開始した。

中に入るとなにも聞こえない、見えない…
壁に手をつきながら移動する…なにか若干振動してるのも気になるが…

ヨッジー
おい!ココにドアノブがあるぞ

よし!開けてみてくれ

…ドアを開けた瞬間!

バチバチ!

体に激痛が!

ヨッジー
なんだこれ!

アクア
トラップ!?

一旦撤収!

俺達は外に戻りHPを確認すると半分になっていた。

アネゴ
「どんなトラップかしらないけど、このダメージは大きいわね」

アクア
「迂闊にドアを開けるのは危険ですね」

ヨッジー
「一体どうすれば良いんだ」

 みんなが途方に暮れていると…

先生がフルフル震えながら

先生
 「…儂は感じたぞ!ターニャの振動を!」

 ウィズ
「振動ですか…確かに微弱ではありますが壁が振動してたような…」

 先生
 「間違いない!これはダーニャの歌の振動だ」

 「先生、気持ちはわかるけどそれは…」

 ウィズ
「いえ、あながち間違っていないかもしれませんよ」

 ヨッジー
「どういうことだ?」

 ウィズ
「ダーニャさんの歌は他の人が出せない低音域の音を多用しています、低音は高音に比べて音というか振動が遠くまで飛びやすいんです」

 ヨッジー
「そうなのか?」

ウィズ
「ええ、もしも彼女が部屋から脱出する為にスキルを使っているならその音が聞こえなくても振動が感じ取れている可能性は高いです」

「まあ、今は藁にも縋りたい状態だ、この振動を頼りに一番振動が大きいところのドアを探して開けよう」

  先生
 「急ぐのじゃ!感じるぞダーニャ」

母親の感というモノだろうか…
先生の言葉に一同 了解し振動を探りながら移動する

微弱な振動の為、序盤はかなり苦労したが近づくにつれて振動ははっきりとしてきた。


ここっぽいな

ヨッジー
開けるか?

ウィズ
行きましょう!

じゃ!行くよ!

 俺は扉を開こうとしたが開かなかった…
すると背後から凄い殺気!

ズゴン!

どうやら先生の凄まじい一撃が扉をぶち壊した!
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