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第3章 ヒーローの国 私はダークな方で…

77:終焉 この拳は君のため

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ズガン!

拳がボスを吹っ飛ばし、それと同時にインジャスティムが鎧から分離して森の中に落下したのが見えた。

インジャスティムの父
「あの子を追ってください」

俺は拳の親父さんに言われ落下点へと走る、
そこには倒れ込んでいるインジャスティムが…

インジャスティムの父
「あの子を助けてもらえませんか?」
  
親父さんから言われたが、行き成り襲って来たりする可能性が…

カイ
「ココは親父さんを信じよう」

 ふむ~

俺は半信半疑で回復薬を飲ませる…

インジャスティム
「うう…助かったのか、こうしてはいられん!行かねば!」

 完全回復していな体を起こして戦場へ向かおうとしている。

そのとき親父さんの手が彼を殴る

インジャスティム
「貴様!何をする」

ひえー!こっちを睨んでる!
そのとき スキル名が目の前に現れた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~
スキル 拳で語る
拳に籠った思いを伝えることが可能
~~~~~~~~~~~~~~~~~

良くみると殴った部分と拳に不思議な白い糸が形成されている、
すると…

インジャスティムの父
「もうやめるんだ」

インジャスティム
「ん?この声は親父!どこにいるんだ!」

必死に辺りを探すインジャスティム…

インジャスティムの父
「私は今目の前の御仁の拳に宿っている」

インジャスティム
「…え?その拳に今宿っているって?」

インジャスティムの父
「ああ、だがもう時間がない」

インジャスティム
「親父…あとちょっとなんだ…あとちょっとで親父の無念を理想を!」

インジャスティムの父
「この様な惨劇望んでいない」

インジャスティム
 「え?…何を言っているんだ、俺は正しい正義をみんなに教え込ませる為に…」

インジャスティムの父
「その正義で苦しむ者がこんなに溢れる世界が正しいのか…」

 インジャスティム
「それは…多少の犠牲と…その手段は…」

インジャスティムの父
 「それではダメなのだ」

インジャスティム
 「いや!親父の様な弱い気持ちでは世界は変わらない!」

インジャスティムの父
「その様な強引なやり方で変えた世界などすぐに崩れる」
   
インジャスティム
「…そんなんだから!俺達は不幸になったんだ!親父が…親父が!」

インジャスティムの父
 「すまぬ…」

インジャスティム
 「謝るな!そして…俺を否定するな! 俺は…俺は…」

インジャスティムの父
 「…」

インジャスティム
 「正義とはなんだ!皆が正しい方向を向き!悪を徹底的に滅する!それが正義だ!」

インジャスティムの父
 「…」

インジャスティム
 「ならば!正義などこの世に無いではないか」

インジャスティムの父
 「…」

インジャスティム
 「もう良い…全て…全て見たくない!」

そう言ってインジャスティムは剣を己に向ける!

カイ
「いかん!止めるんだ!」

 グサ!

その剣はインジャスティムには刺さらなかった…
体が勝手に動き俺の手にその剣が刺さる…
拳の憑依が消えて次の瞬間眩い光が空へと延びる、 
そしてその光の中に…

インジャスティムの父
「インジャスティム…お前の罪は償わなければならない…だから私がこの残りの最後の命で少しのその荷を私が背負う、だからお前はお前の分を考え生きて償うんだ…」

インジャスティム
 「俺が悪いのか!俺は…正しく…」
  
嗚咽交じりにインジャスティムが光叫ぶ。

インジャスティムの父
「周りを見みろ…心からの笑顔がそこにあったか…そしてこの戦場を見ろ!どれだけの被害から怒りや憎しみが生まれたか…」

インジャスティム
 「それは…」

インジャスティムの父
 「良いか、正義とは時に狂気にもなる…幸せもまた然り…」

インジャスティム
 「うぅう…」

インジャスティムの父
 「もう時間の様だ…」

インジャスティム
 「親父――!また置いてくのか」

インジャスティムの父
 「お前はまだ終わりではない時間はある…やるべきことを…こんな父親では失格だな…」

そして光は消えた…

そして…

インジャスティム
「降参だ…」

インジャスティムがそう呟いた瞬間…
空に大きくグランドクエスト終了の文字が浮かんだ…
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