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第3章 ヒーローの国 私はダークな方で…

62:潜入調査6

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 やばい…

???
「あなた達は何者ですか?」

 凛とした声が響く。

このまま黙っていてもどうしようもない俺は覚悟を決めて…

「すみません!決して怪しいモノではないです、ある女の子の霊にお母さんを助けてと
 言われまして」

霊といった所で目線が如何わしいモノを見る目に変わる…

???
「やはり人を呼びましょうか」

「いえ!待ってください本当なんです!ニュイって子からお母さんを助けてくれって」

???
「!」

ニュイという言葉を聞いて顔が強張る女性…

???
「今なんて言いました?」

「え?ニュイって子のお母さんを」

???
「なんてことなの…」

突然泣き始める女性…
慌ててアクアさんが女性を近くのベンチに座らせしばらくアクアさんが介抱してなんとか落ちいたようだ。

ニュイの母
 「ニュイは…私の子です…それが霊ということは…」

 また泣いてしまう女性…

 クイクイ

ニュイの霊
「お母さん泣かせた」

ニュイの霊が怒っている

「いや、あのすみません泣かないで下さい ニュイさんが悲しみます」

ニュイの母
 「…」

しばらくの沈黙

「あの~紹介が遅れました俺は冒険者のダインと申します」

アクア
「私はアクアです」

マアム
 「泣いてばかりでごめんなさい、私はマアムです…それでニュイはどこに居るのですか?」

 「えっとここに居ますが」

 俺が指さすが

ニュイ
「私には見えないのね…………見る資格もないのかしら…」

 「何かあったのですか?」

ニュイ
 「私は子供の暴走に気づいていながら止めることができなった…きっとニュイもその暴走に巻き込まれて…」

 「暴走?」

 「私はインジャスティムの母です…」

 「!」

 この人が…

マアム
「今町はどのような状態ですか…?」

 「えっと正義という名で統治されていますが…平和ではあるんですが…その正義が過剰というか…なんというか」

マアム
 「そうですか…やはり良くはないのですね」

 「はい…」

インジャスティムの妹ってことは…
ボスの名前ってたしか ラ・ニュイ…

「すみません、もしかしたらなんですがニュイさんはまだ生きているかもしれません」

マアム
 「!?でもそこに霊が居るんでしょ」

「そうなのですが…」

 俺は今までの経緯を話した。

マアム
「自分の妹を生贄するなんて…あの優しい子が…でも確かにあの鎧をみつけてからあの子はおかしくなったの…」

 「彼は操られてる可能性が高いですね」

マアム
「ではそこに居る霊は…」

「彼女の思いが形なった生霊…とでもいうところでしょうか」

 「お願いします!私をニュイの所に私が彼女を説得してみます」

 その顔は今までの生気の無い顔ではなく凛とした母親の顔であった

 その時…

 クイクイ

ニュイ
「ありがと」

 少女の霊は笑顔を見せてその後消えた…
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