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本章1 ウォータリア編

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「ロジィエさん?」

ロジィエ
「あれ?ダインさん」

そこに居たのは伝説の鍛冶とよばれたロジィエさんだった。

「どうしてこんなとこで、しかもそんな姿で」

溶岩が流れる所に使い込まれた宝箱から手が伸びて金槌を振っているという見慣れた異様な風景。

ロジィエ
「いや~なんというかこの箱も使い慣れてまして便利というか…外もアレですし改造して冷房付きで道具もこの中に収納してるので変な工房より優秀ですよ!それに火の精霊も強い場所ですし!」

「それはなんとも……箱のことはあれですが外はなんかあったのですか?」

ロジィエ
「あれ?外から来たのではないのですか?」

「いや、それが……」

これまで経緯を説明がてら町への向かう道を歩き出した、昔みたいに箱のままではなく人型に戻っている、本人曰くどちらでも良いのだが町の人から気味悪いから辞めてくれと言われたらしい……そりゃそうだろ。
ロジィエさんのそんな話を聞きながら暫く歩いていくと地上へ出ることができ、その異変というものを実感した。

空が暗い!
そして気温が熱い!

暗いのはただ曇りだからとかいうわけでなく、空全体が暗く重そうな雲に覆われているということ、そして暑さは灼熱というわけではないが低温サウナのようなジワジワと来るような暑さが辺りを覆っている。

ロジィエ
「今日は風向きからして最悪だからね」

ゲンゾウ
「風向き?なにかの影響でこの事態が起きてるのか?」

ロジィエ
「ええ、ダインさんたちと行ったあの火山覚えてます?」

「ああ、ミリアたちと戦った」

そういうとちょっと悲しそうな表情になり

ロジィエ
「ええ、あの山です…今その山が大噴火してまして」

ウィズ
「え!」

ヨッジー
「なんと、そこにも寄ろう考えていたのだが」

ロジィエ
「それは無理ですね~今あの山は噴火のせいかどんな消化魔法でも消えない火柱で通路が塞がれてて近づくこともできないわ」

アクア
「それは参ったわね」

ゲンゾウ
「怪しいな」

もピー?

ヨッジー
「アイツが絡んでる可能性があると?」

ゲンゾウ
「まあ、可能性じゃがな」

「となるとこのエリアでも誰かが狙われる可能性が」

今まで各エリアで誰かが敵として登場してきたことを考えると誰かが……

ロジィエ
「どういうことですか?」

俺はこれまで経緯を話し何者かが人を操り敵になったことを話すと

ロジィエ
「そうなると…まさか!ミリルも急がないと」

そう言って慌てて走り出し俺たちも急ぎロジィエさんが暮らすトルシランの町へと急いだ



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