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第2章 俺 覚醒!?

26:グランドクエストⅢ-6

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「いや それは難しいんじゃ…」

グランドクエストの逆をすることがどれだけ大変かアクアさんに説明してるのだが、
頑固一徹ゆずらないアクアさん……

アクア
「いえ!これは姫騎士として見過ごせません!」
 
この一点張り……

ウィズ
「あの~ダインさん、私もドラゴンさんを助ける方向で動きたいんですが……」
  
ウィズさんが声を掛けてきたのがトドメの一撃であった。

かくして俺達はドラゴンに助力をしたいことを提案すると……

ドラゴン
「気持ちはありがたいが……」

アクア
「いえ!今までの話を聞いてここで助力せねば私の気がすみません!」
  
ものすごい気迫でアクアさんがドラゴンに迫る。

ドラゴン
「いや……その…気持ちは……」
  
ドラゴンが押されてる!

アクア
「ご迷惑はおかけしませんから!」

ドラゴンに接近して目で殺す!って感じで攻めるアクアさん。
頑張れドラゴン!と内心で応援していたが……

ドラゴン
「うむ…そこまでいうならば……」

負けんのかい!ドラゴン!

アクア
「はい!」
  
満面の笑みで答えるアクアさん……

ドラゴン
「しかし、これからどの様にするつもりだ?」
  
ドラゴンの疑問にアクアさんは……
申し訳ないような表情でこちらに視線を送ってくる。

「ノープランでしたか…やはり……」

アクア
 「はい…」

丸投げかい!

ウィズ
「まあ、とりあえず情報を整理しましょうか」
  
ウィズさんが助け舟を出してくれた。

現状を纏めると、
・次のグランドクエストはドラゴンに大規模討伐があること
・武器などを配る友好国の存在
・鍛冶職人がいなくなっている現状

ドラゴン
「ふむ…武器を配るモノ達…名具を狙うモノ…どうやら我を襲っている連中もそいつら可能性が高いな」

ドラゴンは何かを納得したような様子だった。

「そいつらが率先してやる討伐令とグランドクエストの内容の一致…嫌な感じがするな」
  
俺が言うと……

ウィズ
「ええ、本質は誰も知らないですから ただの暴れるドラゴンの討伐としてか思ってないでしょうし」

 「正直プレイヤー、NPCとプレイヤーすべてを相手にするなんていうのは無理だしな~」

ドラゴン
 「ふむ、やはり気持ちは嬉しいがこれは我の問題だ、これで我が倒れるならそれも運命」

ウィズ
 「倒されるだなんて…そうよ!倒せばいいのかドラゴンさんを!」

  !

 全員驚きの表情を浮かべる。

ミルミル
「ウィズそれはいくらなんでもあんまりだよ」
  
ミルミルさんがオロオロしている。

ウィズ
「いえ、そうじゃなくて私たちが倒したことにしてしまえばいいのよ!」

 作戦はこうだ……
 
・俺達はクエスト開始後 ドラゴンのところまで全力で移動する。

・みんなはパルフェの護衛をしながら来るのが大半だろうから進行が遅いだろうと推測できるので、その後プレイヤー達が近づいたら火口に大きな岩かなにかで派手に溶岩を飛び散らせる。

・プレイヤー達がきたら俺達がドラゴンを退治し火口に落としたと言いまくり、模造の名具を見せて納得させるといった感じだ。

ドラゴン
「ふむ、我の居場所までの最短のルートと手下にある程度手引きするようにすれば来ることは可能だ、火口の溶岩も爆裂系の魔法を使えるものに言ってそれらしく演出することは可能だが……」

アクア 
「何か問題でも?」

アクアさんが言うと……

ドラゴン
「いや、それで皆が納得するか疑問だ」

ドラゴンの言うこともっともだ。


「確かにグランドクエストがこの場合達成にならないだろうし……」

ウィズ
 「でも!肝心のドラゴンが倒されて達成されないのはバグだのなんだの言って逃げ切る手も」
  
ウィズさんが反論するが、それはあまりにも強引過ぎるような……

「う~ん、そんなにうまくいくかな?絶対無理なような……」

アクア
 「世の中に絶対は無いんです!とりあえずやってみましょう主!」
  
アクアさんも俺の目を真っ直ぐみて言ってくる……
正直こうなると止められないパターン……

「わかったよ、やるだけやってみるかね」

 かくしてプレイヤー、NPC全員を欺く無謀なクエストが開始される……
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