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第2章 俺 覚醒!?

20:おかしな街2

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 俺達は通りを見て回ったが防具、武器どころか日曜雑貨品の包丁すら見当たらなかった。
 あるのは様々なスィーツの山……

「これはどういうことだ?」

するとアクアさんが……

アクア
「主あれを見てください」

 アクアさんの指さした方を見るとショーウィンドウに並べられているお菓子に値札以外に……

~~~~~~~~~~~~~~~~~
ころころドーナッツ
 攻撃力+5
  効果時間10ターン
~~~~~~~~~~~~~~~~~

などという札が別に張られている。

「あれはどういうことなんだろうか?」
  
俺は気になったので店に入り店主に声を掛けると……

NPC
 「おう!いらっしゃい 今日はアタックベリーケーキが安いよ!」
 
 「すみません、そこの札に書いてある攻撃力+5ってのは」
 
NPC
「ああ、お前さんこういうの見るの初めてかい?」
 
「はい」

NPC
 「最近発見されたんだが、ある程度の価値を持った食べ物には付与効果が一定時間付くことが分かったんだ」

  なるほど RPGでよくあるパターンだな。

NPC
「それが発見されてからというもの、この辺りのドワーフは持ち前の器用さを使ってみんな菓子作りを始めたのさ」

 「それで武器とか防具のお店がないんですね」

NPC
 「ああ、菓子は武具と違って材料費も安い!そして華やかで!儲かる!さらにモテる!!」

  店主が最後の一言の力の入れ方が半端ない……

NPC
「汗くさい鍛冶なんて今じゃこの町だけじゃなくて、他の町でも少なくなってるらしいぜ」
 
「でもそれじゃ日常に必要な武具がそろえられないのでは?」
 
NPC
「その点は大丈夫だ、ズヴァルト国より今は友好の証として武器や防具、生活用品の刃物に至るまで格安、モノによっては無料で配られている」

 俺の後ろで……

アクア
「ズヴァルト国……」
  
アクアさんが呟く

「そうなんですか、じゃ皆はその武器とか今つかってるのですか?」

NPC
 「ああ、それに物好きな奴が裏路地で売ってたりもするし急に必要になっても問題はないのさ」
 
「なるほどですね」
 
NPC
「だから、俺達は武具よりも今は菓子なんだよ!」

ロジィエ
 「ちょっと鍛冶は……!」
  
ロジィエさんが突然喋り出したので慌てて箱を閉じた。

NPC
「おい、今ミミックがしゃべらなかった?」
 
「いえ、気のせいですよ!それじゃありがとうございました」

 俺は慌てて店を出た

「ふ~、ロジィエさん気持ちはわかりますが喋ったらダメですよ」

ロジィエ
 「すみません~どうしても我慢できなくて」
 
「焦りましたよ、ねえアクアさん」

アクア
 「…」

 アクアさんの方を見ると何か思い悩んだ雰囲気だった。

「どうしたんですか?」
 
アクア
「いえ…なんでもありません、それより裏路地に武具を売っているところがあると言ってましたね」
 
「そうだね」
 
アクア
「せっかくだから行ってみましょう!」
  
アクアさんは小走り先に行ってしまった。

なんか無理やり明るく振舞っているような感じだが……

先生
 「アクアもしやスヴァルト国は…」
 
アクア
「はい…」
 
先生
「そうか…」

メイン通りから外れ歩くこと数分後 裏路地で武器などを売っている変わり者と呼ばれた人達に会うには会えたが……

職人A
「儂のレイピアが一番すごいんじゃ!見てみ!この精霊の輝き」
職人B 
「いや!儂のこのミータシールドじゃ!こっちには土の精霊がついてるんじゃ!」

 白髪の丸顔ドワーフと白髪交じりの面長ドワーフが喧嘩をしている。

職人A&B
「なあ!どっちが良いか!わかるじゃろ!」
  
声を揃えてこちらに聞いてくる。

「いや~どっちが良いかって言われても……」

何でこうなったかというと……
事の始まりは俺達が裏路地に入った時から始まる。

 
30分位前……

俺たちは裏路地を探し、ようやく道具屋と宿屋の裏手にそれらしきものを見つけた。

アクア
「主あれがそうではないでしょうか?」
  
アクアさんが指さした方をみるとそこにはシートを引いただけの場所に武具を広げている人たちが五人ほどいた。

「どうやらそのようだね」
  
俺たちは武具の置いてある一角に行くと……

職人A
「なんだい!また撤去命令かい?!俺たちは何も悪いことなんてしてないんじゃ!とっと帰れ!」

 撤去命令?なんのことだ……

「いえ…そうじゃないんですが」
  
俺がそういうと……

職人B
「ふ~む、もしかして客か?」
  
まるで品定めされてるような目で俺達を見る。

職人A
「ワシは気に入ったものにしか売らん、この剣とこの剣どっちがいいかお主にわかるか?」

 同じような二つの剣……
 う~ん?どっちがといわれても……

クイ クイ

俺の脚を引っ張るミミックことロジィエさん……
体を使って右と合図している。

「右です!」
  
俺が言うと……

「ふむ、では何故これがいい?」

まいったな~ロジィエさん喋れないし……

あれ?

おじさんの後ろに透明な誰かがいる……

 俺はアンデットマスタースキルを発動してみると透明な人はこっちにきた。

商人の霊
「なんじゃワシがみえるのかワシは武器商人だったものじゃ、今は霊じゃが結構な目利きだったんじゃ」

 しめた!

 「おじさんあの右の武器のが価値がありそうですが、どの辺りが左と比べて良いんですか?」

商人の霊
 「そうじゃな~まず 左はあれは模造品じゃ、右はハンドメイド根本的に違いすぎる」

 なるほど!それにしても模造品って?

職人A
 「おい、お主先ほどから独りでなにをしゃべっておる、ギブアップか?」

 「いえ!えっと左は模造品で右はハンドメイドだからです!」

 透明なおじさんが更に指摘する。

商人の霊
「あと右の方には火の精霊がいて更にその力を高める宝珠がセットされてる」

 俺はそのまま職人に言ってやると……

職人B
「のほほほ!お前見る目がある是非うちの商品見て行ってくれ!」

急に態度が急変したのにびっくり!
しかし変化はそれだけに留まらなかった。

職人A
「おう!そっちの店なんかじゃなくてうちのを見てくれ!」

職人B
「なんだと!」

 とまあ こんな感じで変な争いがおこっている。

「これはどうしたものか…」

 俺が困っていると透明なおじさんが……

商人の霊
「お主はどんな装備が必要なんじゃ」

俺は事情を説明して新しい防具が必要なこと、自分の戦闘スタイルを説明すると……

商人の霊
「ふむ では、こっちの店ではあれとあっちの店ではそれと…コレじゃな」

 俺は指摘された防具を選び店主たちに……

「すみません、これが欲しいんですが」

店主たちはそれをみると争いを辞めた。

職人達
「みごとじゃ!」
  
 俺の選んだものを見ていつのまにか周りに居た職人達も俺を褒めだした。

職人A
「これだけワシ等の一級品を集められては何も言えんは!はははは!」

 グッジョブ!!透明なおじさん!

そしてそれから意気投合した彼らと食事をすることになり近くの食堂に移動するした。

職人A
「いや~ひさしぶりに良い買い手に出会えたわい!」
 
職人B
「うむうむ」

職人A 
「模造品と武器の見分けもつかんやつらに爪の垢でも煎じて飲ませたい!」

 上機嫌に泡の酒を飲んでいる。

アクア
「模造品って普通の武器とどう違うのでしょうか?」
 
職人A 
「嬢ちゃん今町に武具職人がどんどん居なくなっている状態は知ってるかの?」

アクア 
「ええ、それと何か関係が」
 
職人B
「ああ、大ありじゃ!」

 おじさんたちは急に機嫌が悪くなってきた。

職人C
「全てはスヴァルト国のせいじゃ!菓子のレシピと大量の模造品を友好の印といってばら撒きやがった」
 「スヴァルト国…」

 別のおじさんが……

職人S
「模造品はあれは鉄を一から叩き精霊と対話したものではない!あれはコピー、複製といったほうがいいだろうか!なんの温かみ感じない!」

 また別のおじさんが……

職人L
「そうじゃ!それにワシ等の一番のできの武具を奪うどころか、各地の名具までねらっているとか」

「名具?」
  
俺が尋ねると……

職人A
「各地に眠る 祭り立てられる武器じゃ」
 
「ふむ」
 
職人A
「しかも最近やり方が強引で、火山地帯のレッドドラゴンが守る名具を狙いその付近では多大な被害が出てるとか」
 
職人B
「嘆かわしい、あそこは高品質な鉄鉱石がとれドラゴンと共栄してきたというのに…」

 飲み会は夜遅くまで続き俺は結局飲み会の御勘定だけ払いその日は泣きながらログアウトした。

 
  購入した防具

  紅蓮の額当て
 防御力20
 特殊効果 耐熱10%

  煙火の胸当て
 防御25
 特殊効果 やけど耐性10%

  炎の靴
  特殊効果 耐熱15%

  各 火の妖精(小)の効果あり

 
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