上 下
17 / 586
第2章 俺 覚醒!?

13:伝説のクリエイト

しおりを挟む
洞窟の奥は光が差し込まない暗い道が続いているので、大丈夫かと心配していたのだが……

「思ったより明るいんですね」

アクア
「えっと、このヒカリゴケのおかげだと思います、昔教本に書いてあった発光するコケっていうのがコレかと」

 所々に青緑に輝くコケのおかげで道は問題なくあることが出来た、炭鉱夫の霊に聞いたところ、昔作業用に植えたものらしい、道中もモグラの英霊やトロッコ乗りの霊などに安全な道を確認できたのでかなり順調だ。

先生
「ほんとにこっちであってるのだな?」
  
先生が俺に質問してくる

「みんなの話を聞く限りこっちであってるんですが」

 アクア
「みんなってお化けさんですよね…」
 
「まあ、簡単に言えばそうですね」
 
アクア
「うう…実は霊的なものは…あの…その…私苦手で…」

 あんた元アンデットでしょ……と心で思いながら進んで行くと扉があった。

「ここのようだな……」

扉を開けると細い一本道で、数分進むと拓けた所に出てきた。

先生
「あんなところに湖が、あっちには溶岩の川が流れておるの」
  
「少しここで休憩しようか」
 
アクア
「そうですね、ではあの辺りで」

「ん?」

「! アクアさん…ちょっとこれみて」

アクア
 「え!?お化けさんですか!」
  

「いや、そこに…」

そこには大き目な宝箱があった

「これって…大きめの宝箱ですかね…」
 
アクア
「というか…多分」
 
「やっぱり…あの箱ですかね…」

 俺とアクアさんが息を飲んだそのとき

ガタガタガタ

箱が開き なんか青白い人影が!

俺&アクア
「ひーーー!」
  
俺とアクアさんの声がシンクロした!
 
「これは…まさか」
  
俺のアンデットマスターの能力が引き寄せたのか!そうなのか!?

アクア
「逃げましょう!すぐに逃げましょう!」
  
俺はアクアさんに引きずられながらすごい速さで逃げる!
アクアさん力つよ!と思いながら目の前にまだ箱が追ってきていることに脅威を覚えて絶句!

アクア
「いや~~こないで!」

ついに壁に追いこまれてしまうと、俺をブンブン振りまわしながら叫ぶアクアさん!

「アクアさんやめて~俺が死んじゃう」
  
これが火事場の馬鹿力というのか…

先生
「落ち着かんか馬鹿者」

 ポコン

先生が俺達を叩く

先生
「なにを恐れておる、こんなもんは!」

 ポコ!

 バコ!

 バキ!

先生が箱女に!連打!

 すると…

???
「痛い!やめてください」
  
直ぐにまた箱に籠ってしまい中から女性の声が聞こえた。

先生
「なんじゃ 喋れるのかい、だったら最初から喋らんか!それに急に脅かすな」
 
???
「すみません…久しぶりに人にあったので嬉しくて」

とりあえず休めそうな場所に移動して話を聞くことにしたのだが……

 「…」

???
 「…」

俺は箱と向き合い黙っている
  
先生
 「なんか喋らんかい!」

 バコ!

俺の頭を叩いてきたので焦りながら

 「えっと、あの、そのご趣味は…」
  
???
 「鍛冶を少々」
  
箱から籠った声で

ベキ!

先生
 「お見合いか!もっと考えてしゃべらんかい!」

 「痛たた、先生もうちょっと手加減を… 鍛冶ってことはもしかしてあなたは伝説のクリエイトさんですか」
  
???
 「多分それは私のことだと思います…」
  
箱中から籠った声が返ってくる

「では、村人から嫉妬や妬みを受けて箱に身を封じて飛び込んだっていうのは」

伝説のクリエイト
「う~ん ちょっと違うかもです、確かに嫉妬とか偏見はありましたが直接的な理由はそれでは無いのです」
 
「というと?」
 
伝説のクリエイト
「この町で王都に献上した剣に欠陥が見つかって…、それでこの町に役人が押し寄せて収拾をつける為に私が責任を取る形で身を投げたのです」
 
「身を投げなくても…」

伝説のクリエイト「
 「いえ…私が責任をとらなければこの村は取り潰されていたかもしれません」
 
「取り潰しだなんて」

伝説のクリエイト 
「欠陥というのが…」

 しばらく沈黙が続いた、

「なにか大きな問題でも?」
  
俺が聞き直すと、

伝説のクリエイト
「ええ、実はある種の呪いの様なモノが発動してお城の家臣数名が無くなるという事態に…」
 
「なんと、そんなことが」

伝説のクリエイト
 「はい、でもそんな要素どこにもなかったはずなんですが…中に居たはずの妖精さんも友好的でしたし…」

 「妖精さん?」

伝説のクリエイト
 「ええ、時々武器には妖精さんが宿ることがあるのです、特に質の高いモノや特別な力を持つモノには」
 
「そうなんですね」

伝説のクリエイト
 「ええ、作られている途中、力が発現した時などに妖精が住みついたり、発生することがあるのです」

 業物や伝説級の武器だろうか

「珍しいことではないのですよ、妖精の強弱はあれど小さな妖精であれば稀に出現します」
 
伝説のクリエイト
「そうなんですね~」
  
そうきいて俺はガラスの手槍を少しみても妖精など見えやしなかった

伝説のクリエイト
「ん?おお!すごいですよその手槍」
 
「これ?」

というか箱中から見えるかと疑問に思ったが、よく見ると箱に穴が開いていた!

伝説のクリエイト
 「ええ、かなり力を持った妖精さんが居ますが…なんか靄が掛ってますね」
 
「靄ですか」

伝説のクリエイト
 「ちょっと貸してもらえますか?」

 そういうと伝説のクリエイトは器用に箱をピョンピョン飛び跳ねながら俺の前にきて

伝説のクリエイト
「お借りしますね」

 そういうと箱から手が出て手槍も持って溶岩の所へ行き、

伝説のクリエイト
「すこし綺麗にしましょ」

 手槍を溶岩の熱で軽く炙り、その後近場の川にさらし箱の中に入れると……

伝説のクリエイト
「ちょっと叩きますね」
 
「え?でもそれ脆くて」

俺の話が終わる前に

カン!カン!

小気味良い音が響いた

「普通に鍛えれるのか…さすがだな」

それからしばらく経つと

伝説のクリエイト
「う~~ん、なんかこの妖精さんへそを曲げてますね」
 
「そうなんですか?」
 
伝説のクリエイト
「はい、これは直接本人に聞いてもらった方が良いですね」
 
「妖精に会えるんですか?」

伝説のクリエイト
 「はい、やはり武器の性能を引き出すには本人が妖精と会うのが一番だと思ったので研究を重ねて編み出したスキルです」
 
「ほ~!さすが伝説のクリエイト」

伝説のクリエイト
 「あの~その名前なんか痒くなるので名前で呼んでください、ロジィエと言いますので」
 
「あ、そしたら私の事はダインと呼んでください」

そういうとロジィエさんは手槍を自分の前に置き

「ではダインさん行きますよ、ロジックフェアリー!」

箱が青く輝き俺を包む

次の瞬間俺はガラスで覆われた部屋に居た

「ここは…」

 俺が辺りを見回していると

???
「何よ…こんなとこまで来て、文句でも言うつもり!」

 なんか物凄い顔でこちらを睨むガラスの色の髪を持つ羽の生えた少女がそこに居た…
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...