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序章01 え!?こないで

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 その日は学校が終わった瞬間に教室を出て家へと急いだ、
ついに発売になった待望の新作VRMMO「シャイリス」がリーリスされる日!
一か月前から購入の手続きをしてダウンロード予約をしておいたから帰った頃にはプレイできる様になっているはず、前作が突然休止となって話題となってなった人気作品だったこともありニュースにもなっていた。

吉井
「おい!高木シャイリス予約したのか?」
  
高木
「もちろんだ!吉井は予約したのか」
 
吉井  
「俺を誰だと思っている!しかし前作の休止からこんな早く続編がでるなんてな!!」

 彼は『吉井』自他共に認めるゲーマーで、その日の授業はなんでこんな長いんだ~と教室で叫び先生に怒られると思うくらいの猛者だ。
まあ、気持ちは分からなくないが……ようやく授業が終わると物凄い勢いで下校し始めた。

吉井
「よし!向こうで会えたら会おうぜ!」

高木  
「早いぞ!まだ先生まだ居るだろ」

吉井
「先生さような!」
  
俺もそこまではしなかったが怒られない程度に急いで家に帰ると自宅に宅急便が届いていた。

「今日は両親が泊まりで親戚の家に行っている上に!明日は休み!やりまくるぜ!」

自室に帰ると急ぎ着替えゲームをセットしヘッドセットをつける!
一瞬目の前が暗くなりマスコットキャラこと栗のようなキャラ栗丸が現れ…

「や!いらっしゃい みんなの案内役 栗丸くん だよ!」
  
「おお すごい目の前にいるみたい」

「ふふ 喜んでもらえて嬉しいよ!」

「ちなみになぜ栗がマスコットなの?」

「ふふ、それはシークレットさ!」

 うおお!すごいちゃんと返事してくる前作も高度なAIを使って話題だったけど、最新作のAIも期待出来そうだ!

「じゃ 早速だけど名前を教えてくれるかな?一度決めると変えられないから気をつけてね!」

「じゃ ダインで!」

いろんなゲームで使う俺のネームだ。

「ダインだね!了解したよ じゃ次に初期職業はどうするかな」
  
このゲームには戦士、モンク、僧侶、タンクなど様々な職業があるが…

「テイマーで!」

 最初から決めていた、今作から登場した『テイマー』可愛いモンスターと一緒に冒険……
考えただけでワクワクが止まらない!

「了解だよ!テイマーだね、これで初期設定は終わりだよ」
  
よし始まるのか!と思ったら栗丸君がゴソゴソ何かを持ちだして来て、

「ここで僕からプレゼント! スキルと冒険に役立つアイテムをそれぞれ1個プレゼント!レッツルー レット!」
  
目の前にルーレットが現れた!

「よし レアこい!」
 
初期ボーナスのルーレットを回すと…

『スキルボーナス』
・アンデッドマスター
対アンデットの友好補正、ダメージ上昇
  
『アイテムボーナス』
・蘇生薬改(ランクX)
  蘇生およびどんな状態異常も直す現存する最強の薬≪取引及び生成不可≫

「おお 二つともレアだよ~おめでとう!」

 アイテムはいいけどスキルは微妙だな~俺アンデットとか苦手だし、例え仲間に出来るにしても絶対仲間にしたくない種族だ、そんなことを考えていると……

「さあ 冒険のはじまりだ!」
 
栗丸君がどんどん話を進める…
一瞬リセマラも考えたが、1アカウントを削除するとその後1日は新しいキャラを作れないらしく待っていられないのでそのまま進めることにした。

「よし!フィールドが見えてきたぞ」

一瞬光に包まれる田舎の村が目の前に広がった。

「おお!すげー!」

「さあ ここが始まりの村だ!最初は始まりの館で話を聞くんだよ!」

そういうと栗丸君が消えた。

俺は始まりの館で初期装備と初期食料をもらった。
そこでNPCが何か説明を始めたが、逸る気持ちを抑えきれず説明をスキップ!
どうせプレイしてればなんとなく解るだろうし、すると次に武器の選択画面が現れたので迷ったが直感で槍を選択!
今度は女のNPCが出てきて戦闘についてはいろいろ話をしていたが!すっとばした!

早くモンスターと冒険がしたい思いでフィールドに駆け出した。
すると目の前に青くぷよぷよしたモンスター「ばるるん」が現れた。

ばるるん レベル1
HP5
スキル:跳ねる

誰も最初に会う可愛いやつ、初心者のレベル上げのお供だ!
 
「よし 仲間にするぞ!・・・・・どうやるんだ」
 
 勢いできたものの説明も何も見てなかったのでやり方がわからん!
まあ通例でいけば倒したら起き上がって仲間になりたそうな顔をして起き上がるとかだろう……よし!とりあえず倒してみるかと槍を構えた。
さすがに初期モンスターだけあって槍攻撃してみるとプニプニと不思議な感触が、さすが初心者のお伴というだけあって敵から攻撃を受けることもなく倒すことだ出来た。

「さあ!倒したあと起き上がって仲間に!」
 
 なるはずもなくドロップアイテムのスライムの塊が転がっていた。
俺はヘルプ画面を開きテイム欄を見ると…

テイマー:魔物と交友を深めるか、力にて屈服させる職業
詳しくは始まりの館のテイマー監督官に聞こう!

と書いてあった。

力で屈服か交友ね…なんて不親切なヘルプ!
正直町戻れば良いのだが面倒だ……試しにばるるんに話かけるが効果がない…
やけになっていっぱい倒したがレベルが上がるが仲間にならん・・・

そんなこんなで何時間やっただろうか気づくと夜になっていた。

「めんどくさがらず説明聞きに戻ればよかった…」
 
 空腹感を感じた、このゲームはしっかり空腹パラメーターがあり定期的に補充しなかればステータス異常になりそのまま放置すると餓死してしまう。
どこか安全な所を探して休もうかと周りを見るが少し奥の方まで来てしまったらしく街灯もない上に辺りを照らすランプのようなアイテムなかったので暗くてよくわからなかったが近場の石の様なモノがあったので、そこで荷物から初期食料を取り出し一口食べると…

「まずい!」

 味がすることも驚いたがこの初期食料がまるで泥の塊のような感じでじゃりじゃりして味がない上に苦い!俺はあまりのまずさに……

「こんなモノ食えるか!」

俺は食糧を茂みに捨てた、すると…

ガサ ガサ

食料を落としたとこから音がする!
何かが俺の捨てた食料を目がけて近寄ってくる!
俺がその場所を注意深く見ると…

アンデッド(人型)レベル2
<タイプ ???>
 HP50
 MP30
 スキル:不死、マヒ攻撃
   
解説:死して生きる生物、その思考は怨念に縛られている者や死すらわからない者などタイプは色々いる為その詳細は不明

「うあ!」

 ゾンビとかお化けとか苦手なんだよな…それがヴァーチャルとは言え遭遇したくない!グロイかったらどうしよう逃げないと!そんなことを思っていると…

ガサ ガサ

近づいてくる!

カサカサ

すごい素早いぞ!こいつ!
足元の近くまで…
差し詰めホラー映画の様に!
今なんか茶色の手が見えた気がする!!

「南無阿弥陀仏!」

俺が成仏してくれと拝んでいると…

ムシャ



 アンデットは襲ってくる様子もないが何かを食べてる音がした…
今だ!逃げよう!!!!とすると目の前にウィンドウが現れ…
 
<テイムスキル発動>
 食料提供により好感度上昇
スキル:アンデットマスター発動

以上により テイミングを開始します。

判定中……

「え!自動的なの拒否権はないの!!」

~成功~

「いやだー!」

ガサガサ

近づいてくる!
 
「来ないでくれー!」
 
俺は完全にこの時混乱していた……
手当たり次第に持っているものをぶん投げていた……

バリーン
 
 瓶の壊れる音と共に光があふれ出した!

「え?」

そしてアンデットが居たであろう場所が光のエフェクトが現れ、
そこからきれいな騎士姿の女性が現れた…

「ええ!?」

???
「痛いです主」

ええええ!どうなってるんだ!
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